お気に入りの映画をけなされて激昂したアナタ!
自分の大事な1本を好きになれないという友人を見限った君!
大好きな映画がバカ評論家どもに理解されず心ふさいでいる貴女!
心痛める日々に別れを告げよう
貴方の大好きなあの1本を私が全身全霊をあげて賛美してあげます
様変わりした21世紀にこそもう一度確かめたい歴史がある。綱渡りの恐怖の上に成立する危うい平和,そして背中合わせの戦争。今あえて聞く。ドラマに仮託された滅びへのカウントダウンを。
破天荒でハチャメチャでエッチで豪華で無駄遣いな映画。その上男性優位の伝統丸出しとくれば今時の女性客を嘆かせるに違いない。ああ,でもこれこそが男たちの失われた本音世界なのさ。
映画の歴史の中には忘れ去られたさまざまな遺物や宝石が埋まっている。大女優の隠れた一本に出会うのもまた楽しい。男を死に追いやる女と決して死ねない男の話は格調高い愛の怪談だった。
なんだかんだと言われながらも,邦画には甘さも痛みもより身近で思い出につながる佳品の数々がある。ほのぼのシアワセ気分で観客を優しく元気づけてくれるこの映画もまたそんな大切な一本だ。
映画や音楽を楽しむのはひとときの娯楽ではあるけれど,たまには最高のものを経験しなくては。心からそう思わせてくれる素晴らしいステージの記録。世界最高の歌手にはこれほどの境地がある。
マニアやジャンルの垣根を越えて誰もが楽しめる普遍の名作。それは作り手にとっても受け手にとってもひとつの理想形だ。時代とともにますます至難となっていくその壁をクリアした実例が今ここに。
お説教は嫌い,教訓もまっぴら,助言も忠告もうれしくない。かたくなにメッセージを拒む現代の観客たちにもきっと伝わる思いがここにある。死の灰の降り積もる終末の野に静寂と……祈りの声ありて。
産業であり商売でありながらも,この上なく楽しい夢を紡ぐことのできた黄金期のハリウッド・ミュージカル。熱気とサービス精神に満ちた代表作の数々に正統派アメリカ映画の夢の作り方を見る。
モダンな現代ディズニー映画とは対照的なオールド・ディズニーの劇映画群。そのファミリー映画としての確固としたスタイルと雰囲気は今もなお楽しく,健在だ。あらためて見る動物映画伝説の逸品。
西部劇の醍醐味は派手なガンアクションだけではない。ひ弱な新時代と荒々しい旧時代の相克が男たちの人生を突き動かす。巨匠とビッグスターの時代にのみ実現し得た西部的人生ドラマを堪能せよ。
問題意識なんかこれっぽっちもなくても健全な娯楽精神の強さ,たくましさがハリウッドの王道だ。テレビシリーズを知る人も知らない人も,この痛快ウエスタンの明るいノリをお気楽に楽しもう。
30年も前に既に生み出されていた穏やかなファンタジーの楽園。後の名作群のルーツとして見るもよし,大監督若き日の贈り物として見るもよし。見る人に心地よさと笑顔をくれるシアワセな小世界をあなたに。
かつて生み出された数々の動物パニック映画も結局はここにたどりつく。名監督が周到な準備の下に送り出した終末の予兆漂う名作だ。本編も舞台裏も充実した,その黄金時代の香りが今ここに。
ジェットコースターみたいなホラームービーもいいが,時にはサティが似合う落ち着いたゴースト・ストーリーも快感だ。美しいが不吉な徴に満ちた月光の蠱が生み出す正調英国式幽霊綺談を堪能する。
ああ,あれかと軽んじるなかれ。このSF映画の古典にはファンタスティックな映像とスタッフたちのセンスが詰まっている。半世紀も生き延びる映画は半端じゃないのだ。今ひとたび手に取ってみようではないか。
豊かな詩情と深い幻想に満ちた名作。欧米では100年待っても生み出し得ない日本アニメーションの精華のひとつがここにある。天上の道行に天才詩人の魂が鮮やかに描き出される様を深く心にとどめよ。
R−18じゃ伝わらない成人映画のアングラな香り。邦画史に妖しく光る倒錯と耽美の世界。「サイコ」や「コレクター」にも劣らぬ異常な触覚の世界に閉じこめられ,蝕まれていく女の滅びをその目で見よ。
どこかの空の下に咲いているような小さな世界……そんな思いを抱かせる佳作に穏やかに満ちている魔法。月と緑の中にたたずむ古城では,人の心はさても不思議,というお話もほんのりバラ色だ。
映画史を構成する一大ジャンル西部劇。華麗なガンファイトのアクションを押しのけ,広大な西部の風景と人間ドラマで堪能させる名作がここにある。子供心にさえも深く刻まれたその骨太な世界を今こそ振り返る。
スタッフの白熱したクリエイター魂が炸裂するこの破天荒な世界には,見る者を引きずり込む異様な力が満ちている。いかなるカルト作にも劣らぬ前衛と挑戦で描ききった孤高の異色作に耽溺しよう。
超大作の輝きはなくとも。確実な存在感を放つスリリングなSFドラマの佳作がここにある。広大な死の空間を漂流する恐怖とサスペンス。はたしてヒッチコックの意志は宇宙空間に再生したのだろうか。
もしかすると通俗の極みなのかもしれないが,ハリウッドらしいぜいたくな趣向の堂々たる大作。パニック映画ってこんなに面白かったんだと思い知らせてくれるオールスターのパワーが凄いぞ。
派手な映像も劇的な音楽もなく,華やかな美女の香りもない。しかしモノクロの一見地味なディスカッションには映画史上に残る本物のドラマの醍醐味があった。真実と良心への賛歌をその目で見よ。
変転を続ける映画界。その時の流れの中にひとり静かにたたずんでいるようなこの傑作は,青春の痛みとつかの間の奇跡を秘めている。愛の予感のジュブナイルを今ふりかえる。
宇宙の命運をかけた壮大なSFアクション巨編……のはずが,なぜかちょっとお下劣なドタバタSFと化しているこの映画,まさにデニス・ホッパー主演にふさわしい。でも意外と手堅いB級の掘り出し物なんだよ。
かつてテレビにはここまでの知と冒険があった。真に大人のためのエンタテインメントをかいま見たあの日から幾星霜,伝説のカルト作に秘められた反逆と自由への渇望を今こそ我が手に。
映画産業が厳しいビジネスとなった現代日本では望むべくもない大人向けの空想科学映画。喪われた系譜に連なるこの1作に謎と怪奇とサスペンスの花咲く栄光の時代をかいま見る。
峻烈な北の荒野を駆ける気高き魂……オオカミ。大自然とオオカミの美しい姿,そして野生と文明の狭間で主人公がかいま見る真実を描いたこの秀作にあなたは何を見る?
小粋で平和なロマンチック・コメディに見るマリリン・モンロー。そのたとえようもない魅力が詰まったこの映画は20世紀の愛すべき小さな遺産だ。昔見た方もぜひもう一度どうぞ。
ハイペースで新作を送り込んでくるディズニーアニメ。しかしこの作品ほどに奥深く,厚みのあるドラマと登場人物を配した美しい作品は希だ。ディズニー遺伝子の突然変異とも言える傑作を見る。
生き生きとしたスーパーマリオネーションの魅力と華麗なメカニック,そして他の追随を許さぬハイセンスな演出。「サンダーバード」の豊かで健全な未来世界を今こそ語ろう。
ささやかな恋物語に込められた精緻で豊かな世界。殺伐とした人の世にあってなお一歩を踏み出す気分を与えてくれる暖かさと誠実さに満ちたこの映画,近藤喜文監督の偉大なる遺作を讃える。
タイトルさえ聞いたことがなく,たった数行の紹介文を頼りに見ずてんで買ったその作品は,戦争の愚劣さを徹底的に笑い飛ばしながらなおもぬぐい切れぬ哀しみがただよう幻の名作だった。
異形のものたちがうごめく美しい悪夢。ジュネ&キャロ監督の傑作は月の光に照らされた暗鬱な夜の世界と可憐な少女ミエットの瞳が印象的だ。限りなく妄想が膨らむナイトメアをさまよう。
ハリウッド流スペクタクルSFとは対極にある"ソビエト製"の名作「惑星ソラリス」。想像すること,考えること,そして感ずることの向こうにあるこのドラマの真実をかいま見る。
いつの間にやら懐かしのテレビドラマの仲間入りをしているスケバン刑事。しかしその劇場用第1作であるこの映画は,プログラムピクチャーの快作として二重丸をあげたい痛快な作品だった。
世紀末日本の濃密な気配をたたえた怪獣映画の金字塔。かつてない終末の予感と異形の愛憎に彩られたカタストロフは黙示録そのものである。語りたい衝動に満ちたおそらく本年最高の問題作だ。
アメリカ映画だけに存在するテーマ,それが大統領だ。世界一の権力者を描いた様々な映画の中にハートウォーミングなこの作品がある。ハリウッドは物量だけではないことを教えてくれる佳作だ。
僕のくだらない偏見を打ち砕いてくれた大恩ある名作。ハリウッド・ミュージカルの豊かな楽しさを詰め込んだ史上最高のエンタテインメント入門映画でもあるこの作品に感謝。
映画化された「宇宙の戦士」はそのすさまじい描写で見る者を呆然とさせる。ブラックな皮肉に満ちたSF戦争映画の金字塔は,レッドゾーンに突入している。
他の凡百の作品とは隔絶した深い幻想と暗喩に満ちた希代の異色作。B級ホラーの大群に埋もれながら孤高の輝きを放ち続ける「狼の血族」には紅い月光がよく似合う。
閃光もない,高熱も爆風もない。静かに滅びゆく人類の,悲しくも輝かしい生を描いた「渚にて」は破滅テーマの古典的名作だ。名優たちの演技に深い憂いを見よ。
世界にはばたけセーラームーン!そんなキャッチフレーズも今では懐かしくなってしまったが,90年代前半を駆け抜けた月野うさぎ最高のエピソードはこれだ。
派手なSFXも大がかりな仕掛けもない名もなき小品。それでも核廃絶を願う人々の夢みる力。おとぎ話とわかっていても静かな感動を呼ぶ本作を愛する。
映画を愛するということを清冽な涙とともに教えてくれる大林宣彦監督の名作。人を恋うる切なさと痛み,映画ファン永遠の心の故郷がここにある。
20年近い時を経てもなお,雄々しく,また甘美なロマンの輝きを失わぬこの名作。美しく波乱に満ち,そして懐かしい不朽のロマンを讃える。
優しいけどちょっと頼りない今どきの男(の子)の願望充足的なこの映画。けれどその楽しさと心地よさはホンモノだ。後ろ指さされても捨てられない。
食わず嫌いよさようなら。ミュージカル映画の楽しさを凝縮したこの映画で,今こそあなたもエンタテインメントの大鉱脈を発見する。
オリンピックが燃えている。そして燃える実況アナのパフォーマンス合戦もまた白熱している。その激戦の中で圧倒的な興奮と共感を呼ぶこの男を見よ!
おのれの心が伝えてくる声を聞け。この感動に酷評をもって接する人々など置き去りにして無垢なる少年の奇跡を振り返るのだ。
「セーラー服と機関銃」や「Wの悲劇」ばかりがひろ子映画ではない。キュートでチャーミングな「野蛮人のように」を忘れるな!
そう,そんな友人は君の人生には不要だ。この映画を愛せぬ者に何を期待しても無駄ではないか。君が友と呼ぶべきは不屈の紅の翼を愛する者たちだ。