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August 2004: Rush Live Report

2004年8月 R30 北米最終4公演観戦記 Part 13

8月21日 Center Bell
1st set〜2nd set〜encore〜コンサート後移動
21th ticket
21th ticket
 ここ Centre Bell は 2002年の『VT tour』でも見た会場(2002年のレポート)です。その時の席はフロア中央の 29列目でしたが、今回は7列目!一番左の席で、見え方は RCMH 2日目(Orch 2 右端14列目)の真逆ですが、フロアの幅が狭いのでずっとよく見えます。
R30 Overture
大歓声の R30 Overture
 時刻は8時を過ぎ、「Lateralus」が途中でフェイド・アウトして遂に暗転!そして「Intro Movie」がスタートすると、会場内はもの凄い大歓声に沸きました。さらに Jerry Stiller に促されてメンバーが登場すると‥‥なんだ!この地鳴りのような轟音は!もちろん自分たちを含めた前の方の客の歓声も大きいのですが、アリーナ全体に響き渡る歓声はアリーナ側面の1、2階席からも発せられていました。とにかく会場全体が尋常ではない盛り上がりで、既に始まっていた「R30 Overture」がかき消される程の勢い!わぉ、こりゃ RCMH の比じゃない!
 そのファンの盛り上がりに応えるようにバンドも非常に熱い演奏を繰り広げ、さらに観客が盛り上がるという相乗効果で、観客の熱狂度は上がる一方。なにより素晴らしかったのは、「Force Ten」、いつもの「Hello ! Hello ! Hello〜」の代わりにフランス語で「bon soir ! bon soir ! bon soir !」と言って始めた「Animate」とセットが進んでもその熱狂が変わらなかったこと!
The Spirit of Radio
The Spirit of Radio
 本当に残念なことですが、80年代後半以降の楽曲は、それ以前の曲ほど人気がありません。多くの客は古い曲を聴きに来ているのであって、僕らや、また熱心に今の RUSH を追いかけているファンのように、現在の曲を求めてやって来ているのではないのです。悲しいかなこれは認めざるを得ない現実です。でも、そういう古い曲を求める大多数のファンによってこのライヴが支えられているわけですし、バンドもやはりそれを認識しているからこそ、古い曲を多数セットに取り入れているのでしょう。難しい問題です。そしてそれはやはり RCMH でも同じ。この新しめの2曲で多くの客が盛り下がってしまいました。しかし、ここ Montreal の客は誰も席を離れようとしませんし、古い曲と同じように声援を上げ、腕を振るっていました。特に僕の目の前の小柄な男性は、それまでは割とおとなしかったのですが、「Animate」が始まると「待ってました」とばかりにガッツポーズ。その後は Neil のシンバル・ワークに合わせたエア・ドラミングを披露していました。素晴らしい!
 ところで、この日は Alex がとてもよく見えたので、各曲での Alex の使用ギターを記載します。まずは「R30 Overture」からこの「Animate」まで、メインの黒い Paul Reed Smith (PRS CE24) で変わりません。
Force Ten
Force Ten
 続いて、また簡単な紹介を付けて「Subdivisions」がスタート。ここで Alex はギターをイエロー・フィニッシュ(ゴールド?)の Gibson Les Paul に持ち替えました。
 さて、曲間になるとそこら中からフラッシュが焚かれているのが見えます。特にすぐ左側の1階席前方のファンなど、ステージとほぼ同じ高さからビシバシ撮影。ですから、僕も通常のフィルム・カメラで、1曲1枚の割で撮影していました。しかし「Subdivisions」での美しいバック・スクリーンとギター・ソロに魂を込める Alex を撮影した後、セキュリティが僕の近くにやって来て、なにやら客をチェックしている様子。でも、これだけまわりからフラッシュが焚かれているのに、まさか撮影しているのを止めに来たとは思いませんでした(いや、一瞬そういう思いもよぎったのですが)。
 Geddy がフランス語で Montreal とカナダに対してお礼を述べ、一通りいつもの喋りをした後、前回同様「ボクー・デ・シャンソン・アースシャイン」という言葉で紹介した「Earthshine」の中盤、バック・スクリーンに美しい星空の CG が映し出されるサビの部分でカメラを持ち上げて撮影した直後、セキュリティが僕のところへやって来てしまいました。そして僕のおしりをポンと叩いて一言「No more picture」。‥‥‥‥アセった。焦りました。まさか止められるとは‥‥。通路脇の席ではセキュリティが簡単にアクセスできるからでしょうか。しかも、僕がフリーズしている最中にも、まわりからはフラッシュの光。うーむ。でも僕の帽子に付いている×イクにセキュリティが気づかなかったのは不幸中の幸い。熱い演奏は続いている!
Subdivisions
Subdivisions
 Les Paul からまたメインの黒い PRS に持ち替えた「Red Barchetta」では、Alex がやってしまいました。まさに見せ所の3分過ぎのソロの入り、C#からの下降フレーズ(『KoR3』d1 tr8 3:25〜27)で音階が怪しくなり、その後いったんは復帰したもののチョーキング後のトリルで1フレット間違え(『KoR3』d1 tr8 3:32)、その後しばらく音程を見失ったままの無理矢理な演奏が続き(『KoR3』d1 tr8 3:32〜44)、やっと回復したのがソロの最終部分。今回のツアーでは初日から絶好調で、RCMH の2夜でもミスらしいミスをしていなかった Alex ですが、これはちょっと大きなポカでした (笑)。さらにギターを Gibson SG に替えた後の「Roll the Bones」では最初のコードをかき鳴らすことが出来ず。がんばれ!Alex!
 続く美しい「Bravado」、ギターは Fender Telecaster になります。今回は前ツアーと違う、黒いピック・ガードの付いたギターが使われました。また、この曲ではクルーが乾燥機を再始動にやって来ます。この日ここで出てきたのはGパンの女性2名。2人とも金髪のロング・ヘアーで、片方は帽子を被っていたかな?僕らの席から乾燥機はかなり遠かったので、詳しい様子は不明。それよりも、この曲でのファンの盛り上がりの凄いこと!静かな部分では聴き入っていて、演奏が激しくなると沸き起こる大歓声。そして先ほどのポカを完全に払拭する Alex の素晴らしいギター・ソロにも大きな声援が送られました。
 アリーナ全体が熱狂した「YYZ」は、Fender から サンバーストの Gibson Les Paul に持ち替えて演奏されました。この曲の盛り上がりの凄いことといったら!皆、『Rush in Rio』に負けじと「インスト合唱」をしていました!
 続いて「The Trees」。イントロはスタンドに固定した Ovation で演奏され、その後は Telecaster になります。この曲ではエレドラの隙間が丁度いい角度で、Neil のほぼ全身が見えました。特にそのおみ足 (笑)。いつも通りの短パンなので、ふくらはぎの筋肉もバッチリ見えます。
Earthshine
Earthshine
 「The Trees」の終わりに付加された「Day Tripper」を経て、また「演奏してもいいかな?」と断って始まった「The Seeker」は、「RTB」と同じく SG に持ち替えられました。一カ所、かなり目立つエフェクトの踏み間違いがあったり(『KoR3』d1 tr13 0:52)したものの、やはり大声援は変わらず、一部のファンの憂いを余所に『Feedback』からの曲がライヴで披露されることは極めてポジティブに捉えられていることがわかります。なんと言っても「I'm a seeker, I'm a really desperate man」の後と「I've got values but I don't know how or why」の後のブレイク部分で全ての照明が消え、全員同時の演奏再開と共に照明が全開になる部分のかっこいいこと!そうそう、この日もまたこの曲のラストで Geddy が Alex のギターのノブをいじるのが見られました。
 そして Alex が再び Telecaster を手にして「One Little Victory」。ここでは RCMH よりも盛大な炎を期待したのですが、確かに RCMH よりは大きかったものの、期待したほどではありませんでした。でも、2002年もこのくらいだったかな?『VT tour』の時は何しろ僕の「初の生 RUSH」だったので、あまりはっきり覚えていません! (笑)
 盛り上がっていると本当に時の経つのが早いもの。ハッと気づけばもう休憩。ホントーにあっという間です。
 さて、ここ Centre Bell の音響はやはり今ひとつ。ステージに近いこともあってか 2002年の時よりは随分ましですが、やはりベース音の輪郭が少々ぼんやりしています。いや、もしかすると1階とか、もっと後ろの方が音がいいのかもしれませんが(ちなみに PA卓はフロア最後部にあります)。まあしかし、そんな音の善し悪しなんてどーでも良くなってしまうほどの盛り上がり。今回は Quebec City 公演も Ottawa 公演もありませんから、両都市からの熱狂的なファン(Montreal までやって来て見るようなファンはもちろん冷やかしじゃあないでしょう!)が詰めかけているのも、ここがこれだけ盛り上がることの要因でしょうね。
 休憩中には NYC で出会った Jeff 達と再会。それで NYC でのコンサート前に会えなかったのは何で?と聞くと、「ああ、ごめん、混んでたから別の店にしたんだ。ごめんね」だそう。あう。待ってたんだぞ〜。なんてしているうちに15分は過ぎ、会場は暗転。さあ、第2部の開始です。
Between the Wheels
Between the Wheels
 「Darn That Dragon」のムービーが終わり、カウント3で「Tom Sawyer」が始まると、Centre Bell はまたしても割れんばかりの歓声に揺れました。この曲での Alex のギターは、彼の普段使う PRS のなかでは唯一の(と思われる)シングル・カッタウェイ。虎目の美しいやつで、『T4E tour』でメインとして使われていたものです。
 続いて「Dreamline」。 「When we're young !」はもちろんのこと、皆が歌っているのが嬉しいです。そしてこの日、メインの黒の PRS で奏でられたギター・ソロ前半は、前2回のソロとはまた違ってスローでエモーショナル、しかも飛び弦がバッチリ決まった素晴らしいもの!ただ、RCMH では2回とも強い歌い切りだった「〜limited time」の部分は普通の歌い方でした。これはその日の気分で決めているのでしょうね。
 サンバーストの Les Paul に持ち替えて演奏された凄まじい迫力の「Secret Touch」が終わると、「次は『Grace Under Pressure』から一曲やるよ。ここからそう遠くないところでレコーディングした曲なんだ(アルバム『p/g』は Quebec 州にある Le Studio で録音されました)」という MC で紹介された「Between the Wheels」がスタート。この曲ではまたシングル・カッタウェイの虎目 PRS に持ち替えです。いやしかし‥‥やっぱりこの曲は演奏も素晴らしいし、それに輪をかけて照明が美しいです。「Earthshine」からおとなしくしていた僕ですが、堪えきれずにもうひとつ持っていた写ルンです 1600を出してまた写真を撮ってしまいました (爆)。天井から降りてきた照明装置とマーブルのスポット・ライト。本当はもっともっと明るいんですが、その一端がお分かりいただけるでしょう!
 続く「Mystic Rhythms」もまた色とりどりな照明、バック・スクリーン映像が映えます。この曲ではクリア・レッドの下の虎目が綺麗なダブル・カッタウェイの PRS が使われます。ところで、このあたりで気づいたのが、Alex がほとんどの曲でマイクとは関係なしに口を動かしていること。Alex 側のステージに近い席で見ると、Alex が歌詞をちゃんと歌いながらギターを弾いていることがはっきりわかります。これまで100本を越えるブート・ヴィデオも見てきた僕ですが、やはり歌の間は Geddy が映っていることが多いからでしょうか、この日まで全く知りませんでした。
 Geddy のヴォーカリストとしての成長がその切ない歌詞をより一層引き立てる「Red Sector A」はまた黒の PRS。そしてこれが終わると、お待ちかねの「O Baterista」がスタート。はじめの部分でドラム・キットを照らし出すのは白いスポット・ライトの束ですが、スネア・ロールにアクセントを付けた演奏からは色とりどりのスポット・ライトとなります。でも、光の加算の法則通り、各色の集中する中心部は白色光のまま。ナチュラルな光の中の Neil と色とりどりに浮かび上がるドラム機材の対比という、凝った演出です。そしてまたしても凄まじい歓声のなか、ドラム・ソロが終了しました。
Resist
Resist
 歓声さめやらぬ中、2人のクルーがそれぞれにアコースティック・ギターを持ってステージ上で待機、遅れて Geddy と Alex が登場して「Resist」が始まりました。ここでも座るファンはいません(少なくとも僕の視界には)!ただ、右側の客が曲中ずっとなにやらしゃべっていて、ムカついた僕はそれまでちょっと控えていたのにまた大声で歌ってしまいました。いや、Montreal は今回の4回のなかでは一番録音が出回らない場所なので、なるべく歌わないようにしていたのですが‥‥。
  そうそう、そのままアコースティックで演奏される「Heart Full of Soul」、「オオ〜オオ」の合いの手が NYC ほどは知られていないようでした。
 Geddy の「Thank you, Merci!」という言葉に間髪を入れず続く「2112」では、また Alex がやってしまいました。いや、これはクルーの責任ですね。ステージ上が暗い中で前ツアーからこの曲専用となっている黒の Les Paul Custom を受け取った Alex が自分のワイヤレス・トランスミッターから出るケーブルのジャックをギターに差し込むと、アンプからリヴァーブのかかった「ボンッ」というノイズ(『KoR3』d3 tr1 0:29)‥‥いや〜、アマチュア・バンドみたい (笑)。あとでクルーがこっぴどく叱られたことでしょう! (笑)
Trailer Park Boys DVD
Trailer Park Boys DVD
 そして「Overture」の演奏が盛り上がってきたところで、止まってしまっていた乾燥機にコインを入れに来たのが‥‥なんと2003年のシリーズで Alex が出演した『Trailer Park Boys』の主役2名(『KoR3』d3 tr1 1:55 辺りから登場:画像は Alex の出演した話を含む 3rd season を収録した DVD。ステージに出てきたのは左の2人。カナダ盤でリージョン1ですが、Alex の映るボーナス映像もあり、必見です)!乾燥機の再始動をした後もしばらくステージ上をうろつき、Neil や Geddy にちょっかいを出すマネをして笑いをとっていました。(しかも Powerwindows によれば、小柄で眼鏡をかけている方、Bubbles がTシャツを脱ぎ、Starman の真似をしていたんですね‥‥確かになにかポーズをとっているなぁとは思ったのですが、角度があってよくわかっていませんでした。おかしい!)
 更に、この日初めて Geddy が左端まで来てくれたのは「Overture」のキメの前。ブレイクでは客席のファンを「どれどれ、どれくらいいるかな?」とでも言うようなジェスチャーをし、続くキメ部分では「Hey!」を求めてファンを煽ります。もちろん僕らのまわりや一階席は大歓声で応えました。
 また、もちろんこの日もわけのわからない「Pirates」ヴァージョンでの演奏。この曲だけで使う1音下げでチューニングされた真っ赤なベースと、そのストラップに付けられた‥‥いやとまっているというのがいいのかな?‥‥赤いオウムには関係があるのでしょうか!?
Lerxst in Wonderland
Lerxst in Wonderland
 引き続き黒い Les Paul で奏でられるアルペジオが大歓声の中から聴こえてくると、「La Villa Strangiato」開始の合図。観客の興奮は、見とれて/聴き惚れてしまって静かになる「Lerxst in Wonderland」まで続きます。メンバーの頭上にピンク色の光を放ちながら照明機材が降りてきて、更にはいつの間にか焚かれたスモークでレーザーの天井が浮かび上がり、その中を Alex のギター・ソロが響き渡ります。
 キメの演奏を終えると、ソロとは 180度違う方向性でまた Alex の独壇場となります。この日の rant は浮遊感ある演奏から「la la la、la la la〜」という唸り声と、それとユニゾンのギターのリフによる演奏、更には「Cool boy」、「hello」を連呼する妙な歌、またしても「la la la、la la la〜」の叫び。新しいソロ・アルバムの曲でも考えているんでしょうか (笑)。そして短いブレイクの後、ちょっとブルーズの入った「Cool boy」哀歌(?)を歌おうか、というところで Neil のスネア・ロールが割り込み、ジ・エンド(ちょっと時間かけすぎだった?)。通常の演奏に引き戻されたのでした。が、エンディングでまた Alex がポカを演じてしまいました。最後の最後でタイミングを逃し、ギターだけ最後のキメがずれてしまったのでした(『KoR3』d3 tr2 9:27〜29)。ああ「Cool boy」よ (爆)。
Xanadu
Xanadu
 そのポカの照れ隠しでしょうか、一瞬で持ち替えた黒の PRS が使われる「By-Tor and the Snow Dog」が始まると Alex は Geddy の横に歩み寄り、手が空く度に Geddy にちょっかいを出し始めました。しかし Geddy はベース演奏だけでなく歌も歌わなければならないので、持ち場を離れることが出来ず、Alex の相手が出来ません。そして遂に2番の「coal black eyes, shimmering with hate」を歌った後、Alex の方をチラッと見てからマイクに向かって一言、「Sorry」(『KoR3』d3 tr3 1:01)。‥‥うわ〜、こんなの初めて聴きました!そりゃステージ上で Alex と Geddy がふざけ合っているのは毎度のことですし、歌のない部分で2人だけで耳打ちしていることだって珍しくはありませんが、マイクに向かって観客に聴こえるように喋ることなんてあったでしょうか!?少なくとも僕の記憶にはありません。いや〜、珍しいものを見ちゃいました! (笑)
 そして久々に引っ張り出したダブル・ネック・ギター(Gibson EDS)の重みに耐える Alex を堪能できる (爆) 「Xanadu」、前ツアー同様、大きなボディのセミアコ、Gibson ES-355TDSV を使う「Working Man」で第2部も終了しました。しかし、地鳴りのような歓声は鳴りやまず。メンバーの再登場を待ちます。
 ほんの数十秒で戻ってきた Geddy と Alex は、乾燥機を止めてTシャツを出し、観客席に投げ込みます。残念ながら僕らの方には投げてくれませんでしたが。すべて投げ終わって定位置に戻った Geddy は、観客に向かって「Oh merci bocoup, Thank you so much, you guys are amazing tonight」。Alex も客席を指さして「ホント、ホント」といった感じのジェスチャーをしています。本当に今日の Centre Bell の熱狂ぶりは Amazing です!
 そして「The Seeker」、「Crossroads」にも大きな声援が送らます。そしてアンコール中ずっと使われた黒の PRS から「Limelight」のリフが掻き鳴らされ、遂にコンサート最後の曲へとなだれ込みました。しかし観客の興奮は衰えることを知らず、最後まで熱狂的に盛り上がったまま、3時間半を超えるコンサートは終了したのでした。
the end of show
the end of show
 さて、このバンドも観客も素晴らしかったコンサートの余韻を楽しみたかったのですが、そうは行きません。時刻は 23時35分。この後 24時15分発の Toronto 行きバスに飛び乗らなければならないのです!メンバーがステージ上から去った直後、荷物を掴んだ我々は通路をダッシュ。フロアから出口に向かう階段を登る列に向かいます。既にファンの一部は同じように帰り始めていましたが、予想通り Jerry Stiller が帰りを促す映像が流れたところで皆の足が止まったので、その隙に先を急ぎます。そしてなんとかまだほとんどのファンがアリーナ内にいる時点で、会場と地下鉄の Bonaventure駅が直結しているゲートに到着‥‥が、そこには係員が立っていて、先に到着したファンに「ここは通行止めだ」と説明しているじゃないですか!じゃあ別のゲートだ、と急いで次の入り口に行くものの、ここはロープが張られていて「進入禁止」の札まで。さらに向こうにいる警官が「ここは使えないよ」と言うじゃないですか。ぎゃー、どうしよう、と思ってもう一度地上に出ると、会場から東に向かう人の列があり、一か八かこれについて行くことに。2002年は同じように入口を捜したあげく、一つ西隣の Lucien-L'Allier駅まで歩いたのですが、東に行く列ならば‥‥。
 そして道を2本渡った先には、下見の時には見なかった別の入り口が!ここは閉鎖されておらず、改札までたどり着くことができたのでした。‥‥あ、結局下見は役に立たなかったということですね (爆)
 しかし一難去ってまた一難。RUSH のコンサートとは関係ないバックパッカーのような人が、係員のいる改札でもめている‥‥。我々が持っているのは係員がいないと改札を通過できない1日乗り放題券なので、これは困る!と思っていたら、コンサートが終わって客がたくさん来たことを察知した別の係員が改札横の柵を解放してくれて、やっとホームに降りることができました。そしてすぐにやって来た地下鉄に乗り込むと、既に乗っていた RUSH Tシャツを着た人が。もしかして、西の Lucien-L'Allier駅から乗ってきたのでしょうか?脇目もふらずそちらに行けば、同じ時間でこの電車に乗れたのね。
 そして Berri-Uqam駅に到着したのが 23時55分頃。バス・ディーポの中を通過して大急ぎでホテルに向かい、荷物を受け取る(夜遅くにありがとう!)。踵を返してバス・ディーポに戻り、やっと Toronto 行きバスを待つ列に並んだのが 24時を少し回ったところでした。間に合った!
 すると、僕らの前に並んでいる人物、RUSH Tシャツを着ているじゃあないですか。しかも「WORLD TOUR 1980」の古いTシャツ。もしかして、同じように Centre Bell から急いできたの?と聞くと、そうだという。見れば持ち物は小さな小さなナップサックひとつだけ。これをここバス・ディーポのロッカーに入れ、コンサートを見て、僕らと同じように戻ってきたと言うことでした。しかも、Montreal に着いたのは今日の 18時でコンサートの直前。観光は全くなしで、Montreal での滞在時間はたったの6時間!僕らよりもずっとハードなスケジュールじゃないですか。凄い。まあ、それも言葉、習慣がよく似た国同士だからできることでしょうけれど‥‥。
 彼は英国から来たファンで、12年イギリスに来てくれないから見に来たんだそう。それにカナダ、特に Toronto で見るのが夢だったということで、今回思い切って来たとのこと。でも同時に英国公演も発表されたので、もちろん帰ってから英国6公演は全部見るとか。羨まし〜。
 ところで、彼女がTシャツの上からはおっていたシャツが無くなっていることに気づきました。Centre Bell で脱いで、他の荷物と共に袋の中に入れていたのですが、一番上に入れていたので慌てて出てきた時にこぼれ落ちてしまったようです‥‥ってそのシャツ、日本を発つ時に一回置き忘れて、でも幸運にも取り戻せたシャツじゃないですか!結局なくす運命だったのね‥‥。運命を変えようとしても、結局大きな力が働いて元の鞘に収まる‥‥ってか。
 それからすぐに乗車開始となり、定刻の 24時15分に Toronto 行きのバスが出発。疲れ切っていて、出発から10分もしないうちに落ちてしまいました。

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