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August 2004: Rush Live Report

2004年8月 R30 北米最終4公演観戦記 Part 7

8月18日 Radio City Music Hall Day 1
(1) 1st set
18th ticket
8/18 チケット
 我々の席は Mezz 1、Block 2 の右端5列目。かなり右側ですが、1階の前から5列目なのでステージ全体が見渡せ、眺めは非常に良いです。なにしろ、この席の値段はフロアの前半分と同じ最高額 $129ですから、フロア後ろ半分よりも見やすいということが値段からも想像できます。
 今回、2月にツアー予定が発表されて、その時に北米の全日程、更にはヨーロッパ・ツアーの日程までもが同時に発表され、その内容から恐らく大幅な追加はないだろうと考えられていました。しかし、当初の発表では8月15日に合衆国での最後の公演があり、その後21日に Montreal、22日に Toronto で北米ツアーが終わるという日程。8月16日から20日に、明らかに怪しい空白がありました。多くはそこにカナダ公演の追加が入るのではないか、と予想していたのですが、6月頭になっての突然発表されたのは RCMH 2夜連続公演。我々はもともとカナダ2公演だけを見る予定だったのですが、2公演では少ないと思っていた上、この機会を逃したらもう見れないかもしれない RUSH at RCMH ということであわててチケットを取り、既にスケジュールの決まっていた旅行の日程も大幅に変更したのでした(って、マンハッタンのホテルを新たに押さえた 〜 これは結構ギリギリで、泊まりたい3日間が通して空いていたのは、候補のホテル数軒のうちの1軒、しかも1部屋のみだった 〜 以外は email で 「ごめーん、スケジュール変わったから予約変更してね〜」 と連絡しただけですけれど)。
 で、RCMH のチケットが発売された6月中旬には既に初日、Nashville の映像が手に入っていて、今回の照明が前回を更に上回る規模であり、しかも前回4公演見た時には全てフロアの席で照明を堪能していなかったというちょっとした後悔があったので、この2公演のうちの一つは1階席、と決めてチケットを取ったのでした。
Intro Movie
Intro Movie
 時刻が8時に近づいた頃、これから RUSH が登場するという旨の場内アナウンスがあり、そしてほぼ8時丁度に暗転。今回の 「Intro Movie」 は完全に新しく作られたもので、RUSH の各アルバム・ジャケットに登場するキャラクターやモチーフがストーリー仕立てでどんどん交代してゆくというもの。よくもまあここまでうまく繋げたもんだと感心する出来映えで、一度でも見た人なら思い出し笑いしてしまうんじゃないでしょうか(このアニメの制作は Spin Productions。同サイトで「Toronto→Animation→RUSH」と進むと、このムービーが見られます:画像は『MP』のジャケットが絵画になり、『Retrospective』よろしく床を掃除してる通路でその隣にある Starman の絵にカメラが移動するシーン。なお、画像は自分で撮影したものなんですが、写りが大変悪いです‥‥ISO1600の 「花火も写せる」 という写ルンですを使ったんですが、それでも距離がありすぎたようです。ただ、借り物の画像よりは使いやすいので、これを使わせて頂きます。悪しからずご了承下さい)。そして最後に『Hold Your Fire』の3つの炎から変化した卵から出てきたドラゴンの幼生が 「Hello〜Hello〜」 と 「Three Stooges Intro」 の終わりと同じように歌うのですが、この声は Geddy。しかし3回目の 「Hello!?」 は芝居がかった Alex(恐らく)の声で、幼生が邪悪な表情になるのがおかしい。そしてその声がディレイしながらだんだんと小さくなると、次にスクリーンに登場したのは古い RUSH のTシャツを着たジジイ。ベッドで寝ているのですが、ハッと目覚めてなにやら寝ぼけている様子。それからなにやらぶつくさ言うと、会場からは笑い声が漏れます。このジジイ、Jerry Stiller という人物で、グラミー賞、トニー賞に並ぶテレビ界の賞、エミー賞を受賞しているアメリカの超有名コメディアンなんです。ですから会場からは笑いが。そして彼がスクリーンの中からステージに向かって 「バンドはどこだ?出てこ〜い Lerxst。やせっぽっちの Dirk も。それにもう一人‥‥そう、The Professor!みんなどこにいるんだ〜?」 。そして 「もうステージの準備はできてるぞ!来いよ、ショウの時間だぞ!」 と言うと、それに合わせてメンバーが登場!会場も大爆発!
R30 Overture 1
R30 Overture 1
R30 Overture 2
R30 Overture 2
 ステージに登場した Alex が 「Finding My Way」 のリフを演奏し、大音量で 「R30 Overture」 が始まりました! 「Finding My Way」 は『RTB tour』まではメドレーに組み込まれていましたが、それ以来の演奏となります。1stアルバムの1曲目は30周年記念コンサートの一曲目にまさに相応しい選曲。そして歌がないまま演奏はすぐに 「Anthem」 に。更に 「Bastille Day」 〜 「A Passage to Bangkok」 〜 「Cygnus X-1」 〜 「Hemiphseres」 と、1stから6thアルバムからの曲が順番通りにメドレー演奏されてゆきます。この中でも特に 「Bastille Day」 と 「A Passage to Bangkok」 は1980年の『MP warm up tour』で演奏されたっきり、実に24年ぶりの復活です。そしてバックには様々な時代からのメンバー写真。今回のツアー・パンフにはデビューから現在までの年代毎の写真が多数掲載されていますが、それらがどんどん映し出されてゆく様はまさに記念ツアー。総立ちの観客も曲が切り替わる度に大歓声で応えます。
The Spirit of Radio
The Spirit of Radio
 6分半で70年代を総括した後は、80年代の一発目 「The Spirit of Radio」 になだれ込みます。7thアルバム『Permanent Waves』のリリースは1980年1月1日。そして 「The Spirit of Radio」 はその1曲目。まさに 80年代 RUSH の幕開けです。当然観客は引き続き大盛り上がりで、サビの部分ではほとんど全員の手拍子、目つぶしで会場全体が照らし出される 「Concert Hall!」 ではもちろん大歓声!そして美しい照明!前回、ステージ上方には各種ライトが仕込まれたセットが2本のライン(一本は直線、一本は曲線)に設置してあり、それが照明の中核を成していましたが、今回はステージ前方に向かって口の開いた半円と、その内側に吊された巨大LEDのような多機能ライト、4本の全方向に可動するスポットのセットが5機が特徴となっています。もちろん、これ以外にも何本もの照明のラインがありますし、ステージ・レベルの後方にも上向きのスポットが多数設置されていて、全体は非常に豪華です。僕の撮影した写真には、その1/100も写っていませんが‥‥。
Force Ten 1
Force Ten 1
Force Ten 2
Force Ten 2
 怒濤の12分メドレーで盛り上がった後は、『VT tour』では完全にオミットされてしまった『Hold Your Fire』から 「Force Ten」 。『HYF tour』以降ずっと演奏され続け、『T4E tour』ではアンコール直前まで昇格していたので、 「Tom Sawyer」 などと同じく 「セット・リストから落ちない曲」 になったのではないかと思われていましたが、『VT tour』での落選。個人的に非常に好きな曲のひとつだったので、今回の復活は非常に嬉しかったですね。そして今回のヴァージョンのかっこいいこと!『VT tour』同様シンセの音が刷新されていて、よりクリアに、太く聞こえます。またベース・ラインもよりパワフルに変化。デジタル時代の楽曲ですが、もうノリノリです。‥‥が、この曲が始まると同時に1階席の観客のほとんどは着席‥‥ (-_-)。なぜ座る!RUSH のコンサートで!‥‥頭ではそういう輩も存在することはわかっていましたが、まさかほとんどが座ってしまうとは。でももちろん僕らはお構いなしに立って腕を振り上げ続けます。そうそう、この曲のエンディング部で、Geddy がミスをしました。『Keep on Riding Part 1』(以下『KoR1』)の d1t4 4:25 のところ。本当はここに 「Tough Time〜」 が入るのですが、入っていません。いや、実際には歌っていたのですが、ソロを終えて戻ったのがキーボード群のあるマイク。しかし、ここで戻るべきはベースだけを演奏する時のマイクで、歌ったのにスピーカから声が出なかったのでした。あわてて移動、次の 「Tough Time〜」 からは復帰しました。珍しいマイク間違えを目撃 (笑)。
Animate
Animate
 続いて 「Animate」 !これも『VT tour』で落とされてしまって口惜しい思いをした曲です。なにしろ、『VT』がリリースされるまでは一番だった 「Driven」 の次に好きな曲でしたから(『VT』リリース後、一気に10位前後まで落ちてしまいましたが)!この演奏も素晴らしい。『CP tour』、『T4E tour』での演奏ももちろんかっこよかったのですが、全体により落ち着いた丁寧な演奏、しかもパワフルで、 「内なる炎」 のようなものが感じられます。若干繰り返しを減らした短縮ヴァージョンですが、現在の演奏でドラマティックな展開が非常に美しく再現されます。ただ、ちょっと残念だったのがバック・スクリーン。『CP tour』、『T4E tour』で使われていた極太フォントの映像ではありませんが、ツアー初日では 「Complicate」 、 「Animate」 ‥‥のサビの部分で CG 映像が使われていました。しかし、この日はスクリーンは全く使わず、サビの部分もエンディングも映像なしでした。極太フォントの映像、生で見たかった‥‥。なお、この曲からステージ上の上向きスポットも使用開始。ステージ上がさらに華やぎます(写真が酷くてスミマセン)。
Subdivisions
Subdivisions
  「次は『Signals』から」 と簡単に紹介されて始まったのは 「Subdivisions」 。この曲は90年代に入ってからはほぼ1ツアー置きにセットに入りますね。その割に初日には 「この曲覚えてるかい?」 なんて紹介してましたが。それにしてもまたこの曲の美しいこと。人気の高い 『Signals』 のなかでもひときわ支持されている曲ですが、やはりその切ない歌詞とほどよいシンセの割合が良いんでしょうね。そしてソロ・パートになると Geddy はステージ中央の張り出しで客を煽ります。また、今回新たに作られたスクリーン映像もかっこいいです。PV では実写に色調変化の処理をした映像でしたが、今回は完全に CG で架空の住宅街を作り、それを真上からみせたりぐるっと回したり、俯瞰したりとめまぐるしく変化します。この映像は、2002年に引き続き Derivartive Inc. が Touch System を使ってリアル・タイムに操作している映像です(Touch System を使った RUSH R30 tour バック・スクリーン映像の紹介)。また、長方形のスクリーンから更に左右に伸びる、途切れ途切れのスクリーンのここから活用は、ここから始まります。超ワイド仕様で大迫力。
MC 1
1st MC
 ここで最初の長い MC。 「New Yorker と色々な遠いところから来てくれたみんな、こんばんは!RCMH 2日公演の初日にようこそ。ここで最後に演奏してから20年が経っていると思うけれど、戻ってこれて嬉しいよ!そして僕らの30回目の誕生日を祝うために来てくれてありがとう。そしてこの2日公演で合衆国の公演は終わり。そういう意味でも来てくれて嬉しいよ。これからもうとんでもない数の曲を演奏するけれど、覚悟はいいかい!次は 「Earthshine」 だ!」
Earthshine 1
Earthshine 1
 前回と全く同じ位置で演奏された 「Earthshine」 、Geddy をして 「全然 RUSH っぽくない曲」 と言わしめる曲ですが、もはや今の RUSH の代表曲として充分な貫禄でしょう。多重レイヤーのギター、暴れるフラメンコ・ベース、重いリズム、ファルセットを使ったコーラス、複雑な変則拍子と挙げていったらキリがないくらい、現在の RUSH の要素が詰まっているんじゃないでしょうか。ファンの反応も良い!1階はともかく (-_-)、階下では多くのファンが拳を振っています。そして僕らも座って見ている周りのファンを尻目に拳を振り上げる!‥‥と、曲の途中で突然、セキュリティの黒人おばさん(縦には小さいけれど横に大きい)が僕の横にやって来て、何事か耳打ち。でも演奏の音量が大きくて全く聞こえない。 「What !?」 と聞き返すと、更に近づいて 「あなたたちが立って腕を振っていると後ろの客が見えないから座りなさい」 。‥‥ナニ〜!ふざけんな!!と思ったものの、ここで反抗してつまみ出されては元も子もないので渋々着席。どうやら後ろの客が文句を言ったらしいです。キッと後ろを振り返ると、若い白人カップルが憮然とした表情で座っていました。おまえらだな〜。軟弱者め。
Earthshine 2
Earthshine 2
 なお、こういったことは北米のコンサートでは特に珍しいことではないそうで、一緒に行った彼女は 「Force Ten」 で周りが座った時に 「ああ、そのうち後ろの客が座れと言ってくるな」 と思ったそう。彼女はスタンド席でずっと立っていたら座らせられた経験が数回あり、一番酷い時は水をかけられたことまで。ただ、今回のように係員にチクられたのは初めてとのことでした。係員が近づいてきたので、思わずマXクのついた帽子を隠してしまったじゃないですか。
 それはともかく今回の 「Earthshine」 、バックの映像も美しいです。 「Eaaath-shine」 の部分では満天の星がスクリーンに映し出され(Earthshine 1)、ギター・ソロ部分では青白い光が有機的に動く映像(Earthshine 2)。前回のコマ落としの映像も良かったんですが、これもまたいいですね。
Red Barchetta
Red Barchetta
 時代を遡って次は 「Red Barchetta」 。これもまた、1ツアーぶりに復活した曲です。が、個人的にはあまり興味なし(問題発言‥‥って前に Hemispheres ML で 「 「Driven」 なんてなにも面白くない曲だ、RUSH は80年代初頭でピークが終わったバンドだ」 と断定するアホな輩がいた時に 「 「Driven」 は『VT』が出る前までは一番好きな曲だった。逆にあんたが大好きだという 「Red Barchetta」 なんて全然好みじゃない。RUSH はずっと変化し続けているバンドだから人それぞれ好きな時期があるだろう。だけれどそれを勝手にコンセンサスと思いこむな!」 という投稿をしたことがありましたから、既に全世界のファンにカミングアウトしてますね (爆))。ただ、やはりというか当然というか、現在のヘヴィなノリのプレイ・スタイルで演奏されると、どの曲も 「今の命」 を吹き込まれますね。この曲もスタジオ盤の比じゃなくドライヴしていて、とてもカッコイイです。そしてバックの映像も刷新。かつてのお寒い(まあ時代的に仕方ないんですけれど)映像ではなく、現代 CG による疾走感たっぷりの映像は迫力満点で、これも Touch System による映像です。
Roll the Bones
Roll the Bones
 時代は一気に90年代に戻り、 「Roll the Bones」 が始まります。一部のファンからは 「もう飽きた」 だの 「この曲がセットに入っていて失望した(初日)」 だのさんざんな言われ方をしていますが、やはりシングル・カットされて PV が大々的に流された曲なので、認知度が高いのではないでしょうか。ファンの反応も非常によいです。『Contents Under Pressure』で 「この曲は大好きなんだ。それに一曲の中に複数の異なる音楽スタイルを導入するという試みがうまくいった、という点でも非常に好きな曲だ(大意)」 と Neil が言うように、メンバーにとって現在振り返って満足できる曲の一つであることは間違いありません。そして同じく『CUP』で Geddy が気に入っていると語っているガイコツ君のアニメ、今回はワイド仕様で団体戦です (笑)。
 続いて同じく『RTB』から 「Bravado」 。『CUP』において 「『Presto』は平均的な出来で、傑出している 「The Pass」 を除いては強力な曲というのはなかったけれど、『Presto』制作の経験を存分に生かすことが出来た『RTB』は素晴らしいアルバムで、とても強力な曲がいくつも入っている」 と、『Presto』支持者にはダメージの大きい発言がありましたが、この 「Bravado」 もその強力な曲の一つ。前ツアーでのフェニックスの映像ではなく、もっと抽象的な映像でしたが、最後に天上界へ登ってゆくかのような螺旋階段が現れてクライマックスを迎えます。若干平坦な印象のあったフェニックスの映像よりも、より訴えかけるものがあるように感じられました。これも Touch System による映像。
 ところでこの曲の最中、僕らのすぐ右の通路にプエルトリカン?のような大柄な男性が出てきて、 「Ho-ho, Ho-ho !, Fxxkin Cool Baby ! Fxxkin Great Song ! Ho-ho, Ho-ho !」 と、凄まじい大声で叫び、飛び跳ね始めました。いや確かに素晴らしい曲だし素晴らしい演奏なんだけど、うるさい(もちろん録Xにもばっちり入ってます)!こういう時こそセキュリティのおばちゃん、出てこいよ!‥‥男性は通路を行ったり来たりして、雄叫びは 「YYZ」 の終わりまで続きました。それに気を取られ、この曲の写真は取り忘れ。ああうるさかった‥‥。
YYZ
YYZ
 なお、既に Geddy の2台の乾燥機は止まっていて、 「Bravado」 の途中でクルーが出てきてコインを入れて再始動させていました。この時は男性のクルーがGパンにTシャツという普通の格好で出てきて、一応中のTシャツを出して畳むふりをしてました (笑)。
 さて、 「Bravado」 の美しい演奏の余韻を引き裂いたのは Neil のハイ・ハットによるモールス信号の再現。 「YYZ」 で会場はまた大爆発。イントロでは上部の目つぶし(横3、縦2のライト6個で一組になっている)で 「YYZ」 を表示。その後はドライヴしまくりの演奏をじゃましない、白を中心としたナチュラルな照明で演出(前ツアーと同傾向ですね)。
The Trees
The Trees
 続いて、これも前ツアーでも演奏された 「The Trees」 (しかしまた酷い写真でスミマセン)。個人的には今回のセット・リストの中で最も重要度の低い曲(酷い‥‥)なんですが、NYC のファンには相変わらず大人気で、Alex が奏でるアコースティック・ギターのアルペジオをバックに大合唱が起こりました。中間部のバトル部分はメンバーもノリノリで客を煽っていて、メンバーも好きなんでしょうね。そして終盤でもまた合唱。さらにこのツアーでは、初日からエンディングが引き延ばされていて、ちょっとした 「Day Tripper」 の演奏がくっついています。次に『Feedback』から古いカヴァー曲を演奏することの前振りだと思いますが、会場はファンの喜びでざわついていました。
The Seeker
The Seeker
  「ちょっと違う曲をやりたいんだよね。他の人が作った曲なんだけど。」 というと会場からはもう歓声が上がります。そして 「僕らが成長過程で聴き、いろいろ学んだ曲で、このツアーが始まる前にバンドの30周年記念を祝うためにレコーディングしたんだ。みんなが良ければ今夜それらの曲をみんなと共有したいんだけれど、いいかな?The Who の曲で 「The Seeker」 !」 という、なんともファンに気を遣った MC で紹介されたのは 「The Seeker」 。もちろん『Feedback』からの曲で、結成当初(60年代終わり)の RUSH の最大の影響源の一つだったバンドの曲ですね。ただ、他の『Feedback』収録曲が皆、無名時代にバーなどで演奏していた曲だったのに対して、この曲だけが今回初めてコピーしたということです。サイケなスクリーン映像をバックに、とても楽しそうに演奏するメンバーが印象的です。
One Little Victory: Fire !
One Little Victory: Fire !
 3分と少しの 「The Seeker」 が終わるとステージは暗転し、遠くから鳥や虫の声が流れてきました。これは『VT tour』では 1st set と 2nd set の間の休憩に流れていた音。前ツアーの時と違い、今回はあっという間に音が大きくなり、バック・スクリーンにドラゴンが現れました。そして前回と同じく葉巻に火を付けると、一歩後ずさりして炎を吐き、それと同時にステージ上のパイロからも炎が上がる!‥‥が、やはりRCMH での炎は小さかった‥‥。画像でもわかると思いますが、炎が上に上がるだけで、パイロと言うよりはバーナーの炎といった趣。まあ、会場のサイズ、立地を考えれば仕方のないところでしょう。
One Little Victory
One Little Victory
 しかしそんなことには関係なく、演奏は熱い!特にヴォーカルの音域が1オクターブ上がる 「A certain degree of surrender〜」 のところ(2番の 「A certain amount of resistance」 のところも同様)では、それまでバック・スクリーンに映っていた引いた映像が一気にズーム・アップして Geddy の顔のドアップになり、凄い迫力です (笑)。それから中間部の照明!ステージ・レベルから上に向かって照らすスポットからの光が、赤とオレンジのマーブルなのです。少なくとも僕はこんなの初めて見ましたが、美しいの何の‥‥。一応2枚目の写真にそれが写っているのですが、わかるでしょうか‥‥。それと途中で全ての照明がリズムに合わせて明滅するシーンがあったのですが、もう目がちかちかするの何のって (笑)。
 そんなこんなで熱い 「One Little Victory」 はエンディングを迎え、また炎が上がって終了しました。その後 「頭のリフレッシュが必要だから短い休憩を取るよ。帰らないでね」 という Geddy の言葉で約80分の 1st set が終了。言葉で説明するとかなりの長さに感じますが、実際にはあっという間の80分でした。

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