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開闢(かいびゃく)

 李氏朝鮮時代末期の”東学党の乱”を描く歴史大作。

 1864年4月,東学の創始者チェ・ジェウ(崔済愚:1824〜1864)=スウンは,「民衆を惑わせた」として打ち首になる。

 2代目の教主チェ・シヒョン(崔時亨)=ヘウォルは,迫害による逃亡生活を続けながら東学思想の布教活動を続け,官僚制度に苦しめられていた民衆の心をつかみ始める。

 東学思想をアジアの民主主義の先駆けと位置付けて描かれる壮大な叙事詩。

<第1部>
東学を起こしたチェ・ジェウ(崔済愚=スウン)が死刑に処せられ,2代目教主のチェ・シヒョン(崔時亨=ヘウォル)は,朝廷からの逃亡者となる。テグ(大邱)のパク捕校に追われたヘウォルは,チュクビョンに潜伏して組織を再建し始めるが,そこでパク捕校による襲撃にあってまた身を隠す。

東学は,丙寅洋擾(江華島事件)によってより一層苛酷な弾圧を受けており,道人(天道教徒)たちは,スウン先生の4周期追慕式で東学をより一層確固たるものとして組織を育てる。

ヘウォルは,イ・ピルジェから東学の乱を起こす勧誘を受けるが,これを拒んで教祖の伸寃(恨みをはらすこと)を嘆願するというイ・ピルジェの誓いで道人の通院を許諾する。しかし,イ・ピルジェは,むしろ乱を起こし,東学の根を揺さぶろうという。

パク捕校は,密偵として乱に参加するが,官衙の拷問を受けて亡くなり,彼の 息子は,ヘウォルの死を誓う。

イ・ピルジェの乱で,ヘウォルの夫人と子供たちは官衙に捕まり,拷問を受けてばらばらに散在するようになる。大院君は,辛未洋擾で鎖国政策を繰広げ,イ・ピルジェは処刑される。

ヘウォルは,テベク(太白)山の赤潮岩で隠遁生活をするが見つけられて逃亡し,露宿を求めた家で越冬したり,いろんな地域を巡たりして,東学を伝播し開闢を知らせる。そして,ヘウォルは,道人たちのために2人目の夫人を迎える。

 

<第2部>
ヘウォルは,道人たちのおかげで第1夫人に会い,家族の消息を聞く。第2夫人が亡くなり,第1夫人を訪ねたヘウォルは,病気看護をしながら東学を伝播する。そして,62歳の時に3番目の夫人を迎え,第1夫人の病気看護を任せてホナムを訪ねる。

東学の組織は,民衆の信頼を得て,より一層大きくなり,東学の指導部は,教祖伸寃を要求して光化門で複合上訴をする。その上疏文は受入れられるが,腐敗した朝廷と蛮夷が闊歩するソウルを正しいと思わない東学の指導部は,3月11日に集会を強行する。

ヘウォルと指導部の開闢には,意見の相違が存在するようになり,ヘウォルは,朝廷の官僚と交渉をするが,朝廷の腐敗と逼迫した生活で不満が溜まった民衆は,乱を起こす。

日本軍のソウル進入で始まった日清戦争で朝廷は敗れ,日本軍と官軍は,東学を弾圧する。これに対し,チョン・ボンジュン将軍は動員令を訴えるが,ヘウォルは,東学の本来の意味を抜け出すという理由で蜂起を命じない。

しかし,進退両難に陥ったヘウォルは,時代の流れを拒めず,蜂起を命じる。日本軍と大々的に戦った東学軍であったが,新式武器のため完全な敗北を味わい,東学の指導部たちは,逮捕されて処刑される。そして,ヘウォルも東学人の密告により捕まり,絞首刑に処せられる。

[制 作 年] 1991年 [韓国封切] 1991年9月21日 [観覧人員] 45,566人 1991年 第14位       (韓国映画データベース 年度別ボックスオフィス) [原 題] ケビョク(開闢) 개벽 [英 語 題] Fly High Run Far - Kae Byok [脚 本] キム・ヨンオク [監 督] イム・グォンテク[第90作] [助 監 督] キム・ミジョン [演 出 部] パク・クァンイン、イム・サンス、チン・ゲドン、キム・ホンジュン、ユン・テヨン、シン・チョルスン [撮 影] チョン・イルソン [照  明] チャ・ジョンナム [編  集] パク・スンドク [音 楽] シン・ビョンハ [美 術] ト・ヨンウ [出 演] イ・ドックァ     → ヘウォル(海月)                    東学の2代目教主 チェ・シヒョン(崔時亨)     イ・ヘヨン      → ヘウォルの妻(ソン氏) / 二人目の娘     パク・チフン     → カンス     キム・ミョンゴン   → チョン・ボンジュン(全琫準)                    東学接主(チョプチェ:支部長) 緑豆将軍     イ・ソック      → クァンオク     チェ・ドンジュン   → ケドン     キム・ギロ      → スウン                    東学の創始者 チェ・ジェウ(崔済愚)    キム・ギジュ     → イ・ピルジェ     チュ・サンホ     → マンナニ(死刑執行人)    キ・ジョンス     → イ・ムジュン    パク・ウン      → チョン・ソクヒョン     オ・ヨンファ     → 安東キム氏     ホン・ウォンソン   → 幼いソン氏    ハン・ヨンス     → ソン・ビョンヒ(孫秉煕) 東学の3代目教主      イ・ギヨン      → ソン・チョンミン     チェ・ジョンウォン  → ソン・ファジュン    イ・ソンフン     → ナム・ゲチョン    ソン・ヨンテ     → オ・ユンジュン    チョン・ヨンチョル  → ソ・ビョンハク(徐丙鶴)     イ・ギヨル      → ソ・インジュ(徐仁周)     キム・チャング    → オ・ジヨン     ソン・ホギュン    → キム・ゲナム    ソン・ヨンホ     → キム・ヨングク     キム・ハクチョル   → ソ・ヒョンスン    ナ・ギス       → パク・サヒョン    チョン・ジョングク  → ミン・サヨプ     ソン・ジョン     → チョル首座    ムン・ミボン     → パク氏夫人    パク・プヤン     → カク・ドクウォン     キル・ダロ      → ホン・ソクポム    チョ・テボン     → パク・ピョルガム     キム・テヒ      → チョンソク     キム・ギョンラン   → パンオクの妻    キム・ミニ      → ケドンの妻    シン・チャニル    → 里丁     ホン・ジンギ     → ナン・ジョンシク    ソ・ピョンソク    → 刑吏    チェ・ジェウク    → シム・ムングァン    イ・ジョンチョル   → 官吏    チュ・サンホ     → 首切り    テ・イル       → 首切り    シン・セギル     → 上の娘    イ・ミョンソン    → 上の娘    キム・ジソン     → 上の娘    キム・ジンファ    → 2番目の娘    ソ・ヘオク      → 2番目の娘    パク・ウヒョン    → 3番目の娘    キム・セウン     → 3番目の娘    イ・ギョンファ    → 末娘    イム・ウンジョン   → 道人(天道教徒)     キム・ギボム     → 道人(天道教徒)    アン・ジンス     → 道人(天道教徒)    オ・ヒチャン     → 道人(天道教徒)    ナ・ガプソン     → 道人(天道教徒)     チェ・ジェホ     → 道人(天道教徒)    キム・ウソク     → 道人(天道教徒)    ホン・ソギョン    → 道人(天道教徒)/官員     ホン・チュンギル   → 道人(天道教徒)    キム・スンヒ     → 道人(天道教徒)    コ・ジェミン     → 道人(天道教徒)    イ・チョルミン    → 道人(天道教徒)    イ・ナムギョン    → 道人(天道教徒)    チェ・ソクハン    → 道人(天道教徒)    ソン・ミョンスン   → 婦女子    クォン・イルジョン  → 婦女子     チョン・スク     → 婦女子    アン・サンヒ     → 婦女子    ユ・ウンスク     → 婦女子    キム・ソンギョン   → 婦女子    アン・ビョンミ    → 婦女子    ユ・ギョンエ     → チュモ(酒母:女将)    ユ・ウジョン     → 官員    チョン・ジュノ    → 旅人    チョン・ヨングク   → 旅人    ウィリアム・スミス  → 外交官    デン・ピアース    → 外交官    ウィリアム・ジル   → 外交官    ゲーリー・ハモンド  → 写真師    リチャード・フランソ → 写真師     コ・ドンオプ     → 剣舞者     チュ・ボン      → [受 賞] 1992 第30回 大鐘賞映画祭/優秀作品賞/主演男優賞(イ・ドックァ)/照明賞/芸術賞/                    特別演技賞     1991 第12回 青龍映画賞/監督賞,撮影賞     1991 第2回 春史映画芸術賞/監督賞,男優主演賞(イ・ドックァ)     1991 第36回(台北)アジア太平洋映画祭/美術賞(ト・ヨンウ)       1992 第28回 百想芸術大賞/映画部門 人気賞 (イ・ドックァ) [映 画 祭] 1993 アジアフォーカス・福岡国際映画祭'93 上映 [時 間] 146分 [等 級] 年少者観覧可 [制 作] ハン・ヨンス [制作会社] チュヌ(春友)映画(株)   [ビ デ オ] なし [You Tube] https://www.youtube.com/watch?v=TsI968XNCmA(再生不可) [鑑  賞] 2015(H27).04.11 シネラ [お ま け] ・2時間を超える大作だが,物語が単調なので眠くなり,睡魔と戦うのがたいへん。     ・「東学」は,1860年慶尚道慶州の没落両班出身のチェ・ジェウ(崔済愚1824        〜1864)が唱えた民集宗教。        民間信仰を基礎に儒教,仏教,道教などを取り混ぜた独自の宗教で,キリスト教        の「西学」に対する東方の朝鮮の学という意味で,「東学」と呼ばれた。       ・檀君神話に出てくる桓雄(ハヌン)を崇拝し、「人乃天」すなわち「天の心は人        の心」という基本思想をもって民衆に広めていった。     ・「東学」の教義は,「斥倭洋倡義」(日本と西洋を排斥して朝鮮の大義を守る。)      ・アジアフォーカス・福岡国際映画祭


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