輝国山人の韓国映画
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▼やもめのチュンサムは,4人の子どもたちを養うため,荷馬車を引く馬夫(馬方)の仕事をする貧しい境遇にある。
▼失敗を繰り返しながらも高等考試司法科の勉強をする長男スオブ,高等学生の身分で問題ばかり起こす次男テオプ,それから言語障害のせいで駄目な夫に殴られ逃げてくることが常な長女オンニョと,貧しい家内状態にいつも不満を持って喫茶店の仕事を転転とする次女オッキなど,4人の兄弟姉妹は,父の気持ちを推し量ることができない。
▼しかし,チュンサムは,いつも暖かく見守ってくれる隣の馬主の家政婦スウォン(水原)宅の気立てに大きな慰安を感じながら,貧しく虐げられた暮らしを続けている。
▼長男スオプは,3度も高等考試に落ち,長女オンネは,夫の虐待に耐えきれずにハンガン(漢江)に身を投げて自殺し,次女オッキも金持ちの息子にもてあそばれるなど,家族みんなが試練を体験する中で,弱り目にたたり目で,チュンサムは,馬主の自動車に馬が驚いて脚に怪我を負う。
▼そのうえ,馬主は,馬を売ると言って馬夫の仕事を辞めさせる。スウォン(水原)宅は,家政婦仕事をして貯めておいたお金でその馬を密かに買い,チュンサムに返してくれる。
▼ついに,馬夫の雑草みたいな生活にも花が咲いて,次女オッキは製菓工場に就職し,次男テオプも自分の誤ちを解きほぐし,長男スオプは願った高等考試に合格し,集まった家族たちは,スウォン(水原)宅を母として迎え,父チュンサムは,余生に大きな幸福感を感じる。
ある庶民家庭の家長を中心に,前近代から近代への移行期に下層民が体験した苦痛と挫折を描いた韓国家族メロドラマの代表作
[制 作 年] 1961年 [韓国封切] [観覧人員] 150,000人 [原 題] 馬夫 마부 [英 語 題] A Coachman [ジャンル] ドラマ,家族 [脚 本] イム・ヒジェ(任煕宰) [監 督] カン・デジン [助 監 督] ファン・ハクポン [撮 影] イ・ムンベク [照 明] ユン・ヨンソン [音 楽] イ・イングォン [美 術] ソ・パンス [出 演] キム・スンホ → ハ・チュンサム 馬夫(馬方) ファン・ジョンスン → スウォン(水原)宅 家政婦 シン・ヨンギュン → ハ・スオプ(河壽業) 長男 チョ・ミリョン → ハ・オンネ 長女 ファン・ヘ → キム・チャンス スオプの友だち オム・エンナン → ハ・オッキ 次女 キム・ヒガプ → キム書記 チャンスの父 チュ・ソンテ → 馬主 ファン社長 チャン・ヒョク → キム・ビョングク チェ・ソンホ → キム・チャンドク オンネの夫 東洋産業の跡取り ユン・インジャ → イ女史 ファン社長の妻 チェ・ジヒ → ミジャ オッキの友だち ナ・ジョンオク → 店主人 ユン・ジョンナン → マダム ナム・チュニョク → オクポ チャン・フン → キム・ビョングク チョン・チョル → ユク・ソニ キム・スチョン → トルボ キム・ジン → ファン・ドソク → ソク・ウナ → 刑事 パン・ヨンシル → レジ キム・ワングク → 巡査 イム・ヘリム → (uncredited) ソク・クィニョ → チュモ(酒母) キム・シンミョン → 大家 ナム・バンウン → イ・ガプドゥク キム・ジン → テオプ [受 賞] 1961 第11回 ベルリン国際映画祭/特別審査 銀熊賞 [時 間] 97分 [カ ラ ー] モノクロ [等 級] 青少年 観覧不可 [制 作 者] イ・ファリョン(李華龍) [制作会社] ファソン(華盛)映画(株) [ビ デ オ] あり [レンタル] あり [You Tube] https://www.youtube.com/watch?v=UqqB0HUFmUU
[Private ] K-DVD(日本語字幕あり)【58】 韓国映画傑作選 KMDb [お ま け] ・福岡市総合図書館 所蔵作品 ・60年代韓国映画の代表監督 申相玉(シン・サンオク)韓国と60年代韓国映画 上演作品 (福岡市綜合図書館 映像ホール シネラ 1998年11月) ・この映画の制作者であるイ・ファリョン(李華龍)は,暴力団から映画制作者に 転向した人で,1961年の5.16軍事クーデター後の軍による全国一斉暴力 団狩りにより摘発され,革命裁判所で死刑を宣告されたそうだ。