輝国山人の韓国映画
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終列車で来たお客さん

肺臓肉腫で時限付き人生を宣告されたトンミンは,夜遅く家へ帰る途中で,酒に酔ってふらつくポヨンを助けて家へ連れてくる。

自暴自棄になって暮らしていたトンミンは,ポヨンから慰めと希望を手に入れる。

一方,トンミンの友だちである精神科医師キョンソクは,入院患者である若い未亡人セジョンと近づく。

ある日,彼らの友だちであるチュンヒョンが,外国で大きな成功を収めて帰ってくる。チュンヒョンは,自分が外国に行っている間に,浮ついた気持ちになった夫人が家を出て行ったことを知って挫折する。

チュンヒョンは,画家として認められようとして家に閉じこもって絵画だけを描く。しかし,トンミンとキョンソクは,展示会にかかったチュンヒョンの絵画を見て失望する。

一方,キョンソクは,セジョンが夫の遺産を全部あきらめるのを条件にセジョンと結婚することにする。キョンソクの招待状を見たポヨンは,彼の結婚相手が自分の父と結婚したセジョンである事実を知って驚く。

キョンソクとセジョンの結婚式の日,チュンヒョンは,偶然に出会った夫人の首を絞めて殺害する。また,セジョンの財産相続問題のために落ち着かなかった結婚式場は,ポヨンの登場で血なまぐさい場所になる。

これを見守ったトンミンとキョンソク,チュンヒョンは,結婚式場を離れて共に酒を飲む。家へ帰ってきたトンミンは,待っていたポヨンと熱いキスを交わす。

[制 作 年] 1967年 [韓国封切] 1967年00月00日 [観覧人員]  [原 題] 終列車で来たお客さん 막차로 온 손님들  [英 語 題] The Guests of the Last Train [ジャンル] ドラマ,文芸 [原 作] ホン・ソンウォン(洪盛原) [脚 本] イ・サンヒョン(李相[サンズイに玄]),イ・ウンソン(李恩成) [監 督] ユ・ヒョンモク [第 作] [助 監 督] パク・スングァン(朴勝寛),イ・ジェチュン(李在春)       イ・ミョンシク(李明植),ク・ヨンガプ(具然甲) [撮  影] ミン・ジョンシク(閔貞植) [照  明] チャ・ジョンナム(車正男) [音 楽] ハン・サンギ(韓相基) [美 術] パク・ソギン(朴石人) [武 術]  [出 演] イ・スンジェ   → イ・ドンミン(李東民)       ムン・ヒ     → イ・ボヨン 元 客室乗務員       ソン・フン    → オ・ギョンソク(呉敬錫) 精神科医師       ナム・ジョンイム → キム・セジョン 未亡人 ポヨンの継母       キム・ソンオク  → イム・チュンヒョン(林忠鉉) 画家       アン・インスク  → キム・インスク(金仁淑) ピアニスト(アルバイト)       ハン・チャンジュ → ヒョジン        チョン・ミン   → キム社長 ミョンボ(明宝)劇場 セジョンの叔父 後見人        イ・ドンミン   →        キム・ウン    →        イ・チュンボム  →        ソン・ソミン   →        ノ・ガン     → トンミンのアパート 管理人おじいさん       イム・ウナク   →        イ・ジャヨン   →        チェ・ジョンムン →        キム・ヨンオク  →        キム・ジュオ   →        イ・ジョンエ   →        チ・バンヨル   →        キム・シンミョン →        イム・センチュル →        チ・ゲスン    →        キム・スチョン  →        チュ・イルモン  →        チョ・ドクソン  →        チェ・イル    →        イ・ウンソン   →        キム・ジヨン   →        イム・ドンフン  →        ムン・ミボン   →        イ・チャンシク  →        ナ・ジョンオク  → チュンヒョンの隣人 [受 賞]  [映 画 祭]  [時 間] 104分 [観覧基準] 15歳以上 観覧可 [配  給] 東洋映画興業株式会社 [制 作 者] ソン・ドンホ(成東鎬) [制作会社] 韓国映画株式会社 [制 作 費]  [D V D] 日本発売なし [レンタル]  [H P]  [撮影場所]  [M-Video]  [Private ] K-DVD 【75】        韓国映像資料院 ユ・ヒョンモク コレクション(日本語字幕あり)         あなたと永遠に(1958)         金薬局の娘たち(1963年)         終列車で来たお客さん(1967年)         長雨(1979年) [お ま け]       ○韓国映像資料院 ユ・ヒョンモク コレクション より       ユ・ヒョンモク映画の形式主義的スタイル         アン・ジェソク 韓国映像資料院客員研究員       <終列車で来たお客さん>         <終列車で来たお客さん>(1967)は,<誤発弾>と<余剰人間>などに続        く,ユ・ヒョンモクの実存と疎外に対する主題意識の延長線上にある作品だ。         肺病で時限付き人生を生きているトンミン(イ・スンジェ)と友だちと恋人        から捨てられてさまようポヨン(ムン・ヒ)のペアを中心に,途方もない遺産        の相続を受けた未亡人セジョン(ナム・ジョンイム)と愛に陥った精神科医師        キョンソク(ソン・フン),浮ついた気持ちになった妻を忘れることができず,        彼女と似ているインスク(アン・インスク)を苛虐の対象とする前衛画家チュ        ンヒョン(キム・ソンオク)のサブプロットが絡まって混ざっているこの映画        は,人物構成と状況設定などが多少作為的な印象を与えるけれども,彼の精巧        なミザンセーヌ(Mise-en-scene)とモンタージュ(montage)演出が,このよ        うなナレーティブの弱点を相殺させている。         映画の導入部,暗い夜に鉄道の周辺をさまようポヨンの姿が,斜脚(oblique)        アングルで見られる。         そして,続くショットも<金薬局の娘たち>と同じように,フレーム左右を        橋の欄干や鉄材柱のような被写体で満たして彼女の絶望的な心境を形象化する。         タクシーを捉えるために画面全景に駆け付けるドンミンの初めての登場も,        鉄橋の下に閉じ込められているように仰角ショットで見せる。         このように不安な構図のアングルを利用して登場人物が処した現実と内面を        表わす方式は,この映画の主な画片化(framing)方式で,これは,'現代人の        根源的な不安と出口がない社会に対する挫折'というこの映画の主題を完璧に表        象する機能を果たす。         セットもまた同じだ。         色々な部屋に分けられて,一緒にいてもいつも離れているように見えるドンミ        ンのアパート構造や,とても広くてだだっ広く見えることさえするセジョンの部        屋セットは,彼女の孤独を最大化する視覚的装置として活用される。         しかし,何よりも引き立って見えるこの映画のスタイルは,まさに弁証法的モ        ンタージュとサウンドの使用だ。         火が消えた浴室に縮んで座ったポヨンと,水滴が一つ二つ落ちるシャワーの取        っ手のモンタージュは,ポタポタ落ちる水音とともに,行き来するところなく捨        てられた状況に置かれているポヨンの空虚感を表象し,空の浴槽に縮んで横にな        ったチュンヒョンと,ちゃんと閉められなかった水道蛇口,空っぽのベッド,そ        してチョロチョロ流れる水音のモンタージュも,妻の背信にあった強迫的なチュ        ンヒョンの心象を形象化する。         キョンソクと電話通話をしているトンミンの姿の上で,ポヨンが台所で大根を        切るまな板の音が,かちんとかちんと誇張された時計の秒針の音に変わるサウン        ド効果とか,トンミンが自分のアパート階段を上がって管理室のラジオのバスケ        ット競技中継放送を聞いて,執ような競争社会の現場の音にイライラするように        階段の鉄取っ手を神経質に打って上がる場面演出も印象的だ。


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