輝国山人の韓国映画
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風の丘を越えて ソピョンジェ(西便制)

全羅道を旅して回るパンソリの芸人一家三人の物語。

芸に厳しい父親ユボン(キム・ミョンゴン)は,養女ソンファ(オ・ジョンヘ)と義理の息子トンホ(キム・ギュチョル)にパンソリを教えながら旅回りを続けるが,父親に反発するトンホは,家を飛び出してしまう。

また,ソンファは,パンソリにハン(恨)を刻み込もうとして,父親から知らないうちに薬(ブシ)を飲まされ,失明してしまう。

やがて,父親は「恨に埋もれず,恨を超えろ」といい残して死ぬ。弟トンホは,姉ソンファを探し出し,再会するが・・・・。

[制 作 年] 1993年 [封 切] 1993年4月10日 [観覧人員] 1,035,741人 1993年 第1位       (韓国映画データベース 年度別ボックスオフィス) [原 題] ソピョンジェ(西便制) 서편제  [英 語 題] Sopyonje [ジャンル] ドラマ [原 作] 「南道の人」「ソリ(唄)の光」 イ・チョンジュン(李清俊)著 [脚 色] キム・ミョンゴン    [監 督] イム・グォンテク[第93作] [助 監 督] キム・ホンジュン [撮 影] チョン・イルソン [照  明] チャ・ジョンナム [音 楽] キム・スチョル    [美  術} キム・ユジュン [出 演] キム・ミョンゴン   → ユボン     オ・ジョンヘ     → ソンファ(松花)     キム・ギュチョル   → トンホ     シン・セギル     → クムサン宅(テク)(トンホの母)     アン・ビョンギョン  → 花文字画家のナクサンおじさん     チェ・ドンジュン   → ソン・ドサン                    (劇中劇「春香伝」のイ・モンニョン(李夢龍))     チェ・ジョンウォン  → 娼家の男     カン・ソンスク    → セウォルネ(歌の峠の居酒屋アジュマ)     チュ・サンホ     → 薬商人     イ・イノク      → ソン・ドサンの妻     ユ・ミョンスン    → 飲み屋の女     キム・ギョンラン   → ケックン     パク・イェスク    → ケックン     チョン・ミギョン   → ケックン     チョ・ハクチャ    → ケックン     イ・ソック      → 唱劇団員    ユ・ヒョングァン   → 唱劇団員     キム・ギヒョン    → 薬売りの夫     パン・ウンミ     → 薬売りの妻     コ・ドンオプ     → 閑良(遊び人)     パク・キルス     → 閑良(遊び人)     ソン・ヨンホ     → 閑良(遊び人)     ソン・ヨンタク    → ウェイター      クォン・ホウン    → 乾物商主人     イ・ウンスク     → 酌婦    オ・ヨンシル     → キーセン     ユン・ヘヨン     → キーセン     チョ・ヨンジェ    → 鼓手     キム・ユギョン    → チュニャン(春香)     キム・ソン      → 子役     コ・ソンユ      → 子役        キム・ジフン     → 子役      ムン・ヘジ      → 子役     キム・ソヒ      → 唱     アン・スクソン    → 唱     ワン・ギチョル    → 唱     キム・ムギュ     → コムンゴ(琴)を弾く僧侶     チョン・チャンピル  →   [受 賞] 1993 第31回 大鐘賞映画祭−最優秀作品賞,監督賞,新人女優賞(オ・ジョンヘ)                    新人男優賞(キム・ギュチョル),撮影賞                    録音賞(キム・ボムス,カン・デソン)     1993 第14回 青龍映画賞−大賞,最優秀作品賞,撮影賞                   男優主演賞(キム・ミョンゴン)                   男優助演賞(アン・ビョンギョン)                   新人女優賞(オ・ジョンヘ)),最多観客賞     1993 第13回 韓国映画評論家協会賞−作品賞,監督賞,男優主演賞(キム・ミョンゴン)                        撮影賞,音楽賞,新人賞(オ・ジョンヘ)     1993 第4回 利川春史大賞映画祭−作品賞,監督賞,主演女優賞(オ・ジョンヘ))                   技術1賞(美術:キム・ユジュン)                       男子新顔演技賞(キム・ギュチョル)     1993 第1回 上海国際映画祭−最優秀監督賞,最優秀主演女優賞(オ・ジョンヘ)      1994 第30回 百想芸術大賞/作品賞       1994 第68回 キネマ旬報 外国映画ベスト・テン 第10位 [映 画 祭] 1993 第46回 カンヌ映画祭 出品     1993 第50回 ベネチア映画祭 出品     1993 フランス・ナント国際映画祭 特別招待     1994 ベルリン国際映画祭 正式参加作品(パノラマ部門)    1994 第5回 ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭'94 招待作品 [時 間] 112分 [制 作 者] イ・テウォン [制作会社] テフン(泰興)映画(株) [ビ デ オ] にっかつ(15,800円) [レンタル] あり [撮影場所] 全羅南道 ワンド(莞島)郡 チョンサン(青山)島 [You Tube] [You Tube] https://www.youtube.com/watch?v=sdjwD4jW4XY [Private ] J-DVD(イム・グォンテク作品集)【66】 [お ま け] ・パンソリとは、一人の唱優が伴奏の鼓手一人と組んで、チュニャンガ(春香歌)、        シムチョンガ(沈清歌)、フンブガ(興甫歌)など勧善懲悪の古典ストーリーを        唱と語りと動作で進めて行く韓国固有の古典芸術の一つ。       ・ソピョンジェ(西便制)というのは、パンソリの流派で、他にトンピョンジェ        (東便制)、カンサンジェ(江山制)、チュンゴジェ(中古制)という流派がある。       ・この映画は,タンソンサ(団成社)という映画館1か所だけで196日間という        途方もないロングラン興行を通じて,103万5千人を動員し,ソウル観客10        0万人を越えた最初の映画となり,イム・グォンテク監督自身が持っていた19        90の<将軍の息子>の記録(67万9千人)をはるかに上回った。       ・韓国で空前の大ヒット,日本でも全国で上映され、観客動員が10万人を        超えた初の韓国映画になった(輸出額:30万ドル)ためか,ビデオも発        売されており,大手のレンタルビデオ店にはある。       また,DVDも発売された。     ・最後のパンソリ「沈清歌」の姉弟競演の場面はもちろんだが,田舎の丘の道で三      人が「珍道アリラン」を唄い,踊る長廻し撮影(5分40秒)の場面(上の写真)      に感動したのは,私だけではないと思う。       ・この場面が撮影されたところは,全羅南道 ワンド(莞島)郡 チョンサン(青山)        島 タンリ村(マウル)。     ・音楽は,「鯨とり -コレサニャン−」にピョンテ役で出演したキム・スチョル。     ・ユボンが旧友の花文字画家(アン・ビョンギョン)と酒を飲むときのつまみが,豆      腐だけだったが,それが普通だったのか,一度朴さんに聞いてみよう。      ・この映画を日本に配給したシネカノンのリ・ボンウ(李鳳宇)氏が,当時の経緯        を次の著作で詳しく書いている。        「パッチギ!的 世界は映画で変えられる」 李鳳宇 著 岩波書店 1,600円       ・また,この映画の制作に至った経緯について,イム・グォンテク監督自身が語った        内容については,次のブックレットに詳しく書いてある。        「林權澤(イム・グォンテク)は語る《映画・パンソリ・時代》」          福岡ユネスコ協会[編]  弦書房 680円+税 2015年


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