輝国山人の韓国映画
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▼芸に厳しい父親ユボン(キム・ミョンゴン)は,養女ソンファ(オ・ジョンヘ)と義理の息子トンホ(キム・ギュチョル)にパンソリを教えながら旅回りを続けるが,父親に反発するトンホは,家を飛び出してしまう。
▼また,ソンファは,パンソリにハン(恨)を刻み込もうとして,父親から知らないうちに薬(ブシ)を飲まされ,失明してしまう。
▼やがて,父親は「恨に埋もれず,恨を超えろ」といい残して死ぬ。弟トンホは,姉ソンファを探し出し,再会するが・・・・。
全羅道を旅して回るパンソリの芸人一家三人の物語。
[制 作 年] 1993年 [封 切] 1993年4月10日 [観覧人員] 1,035,741人 1993年 第1位 (韓国映画データベース 年度別ボックスオフィス) [原 題] ソピョンジェ(西便制) 서편제 [英 語 題] Sopyonje [ジャンル] ドラマ [原 作] 「南道の人」「ソリ(唄)の光」 イ・チョンジュン(李清俊)著 [脚 色] キム・ミョンゴン [監 督] イム・グォンテク[第93作] [助 監 督] キム・ホンジュン [撮 影] チョン・イルソン [照 明] チャ・ジョンナム [音 楽] キム・スチョル [美 術} キム・ユジュン [出 演] キム・ミョンゴン → ユボン オ・ジョンヘ → ソンファ(松花) キム・ギュチョル → トンホ シン・セギル → クムサン宅(テク)(トンホの母) アン・ビョンギョン → 花文字画家のナクサンおじさん チェ・ドンジュン → ソン・ドサン (劇中劇「春香伝」のイ・モンニョン(李夢龍)) チェ・ジョンウォン → 娼家の男 カン・ソンスク → セウォルネ(歌の峠の居酒屋アジュマ) チュ・サンホ → 薬商人 イ・イノク → ソン・ドサンの妻 ユ・ミョンスン → 飲み屋の女 キム・ギョンラン → ケックン パク・イェスク → ケックン チョン・ミギョン → ケックン チョ・ハクチャ → ケックン イ・ソック → 唱劇団員 ユ・ヒョングァン → 唱劇団員 キム・ギヒョン → 薬売りの夫 パン・ウンミ → 薬売りの妻 コ・ドンオプ → 閑良(遊び人) パク・キルス → 閑良(遊び人) ソン・ヨンホ → 閑良(遊び人) ソン・ヨンタク → ウェイター クォン・ホウン → 乾物商主人 イ・ウンスク → 酌婦 オ・ヨンシル → キーセン ユン・ヘヨン → キーセン チョ・ヨンジェ → 鼓手 キム・ユギョン → チュニャン(春香) キム・ソン → 子役 コ・ソンユ → 子役 キム・ジフン → 子役 ムン・ヘジ → 子役 キム・ソヒ → 唱 アン・スクソン → 唱 ワン・ギチョル → 唱 キム・ムギュ → コムンゴ(琴)を弾く僧侶 チョン・チャンピル → [受 賞] 1993 第31回 大鐘賞映画祭−最優秀作品賞,監督賞,新人女優賞(オ・ジョンヘ) 新人男優賞(キム・ギュチョル),撮影賞 録音賞(キム・ボムス,カン・デソン) 1993 第14回 青龍映画賞−大賞,最優秀作品賞,撮影賞 男優主演賞(キム・ミョンゴン) 男優助演賞(アン・ビョンギョン) 新人女優賞(オ・ジョンヘ)),最多観客賞 1993 第13回 韓国映画評論家協会賞−作品賞,監督賞,男優主演賞(キム・ミョンゴン) 撮影賞,音楽賞,新人賞(オ・ジョンヘ) 1993 第4回 利川春史大賞映画祭−作品賞,監督賞,主演女優賞(オ・ジョンヘ)) 技術1賞(美術:キム・ユジュン) 男子新顔演技賞(キム・ギュチョル) 1993 第1回 上海国際映画祭−最優秀監督賞,最優秀主演女優賞(オ・ジョンヘ) 1994 第30回 百想芸術大賞/作品賞 1994 第68回 キネマ旬報 外国映画ベスト・テン 第10位 [映 画 祭] 1993 第46回 カンヌ映画祭 出品 1993 第50回 ベネチア映画祭 出品 1993 フランス・ナント国際映画祭 特別招待 1994 ベルリン国際映画祭 正式参加作品(パノラマ部門) 1994 第5回 ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭'94 招待作品 [時 間] 112分 [制 作 者] イ・テウォン [制作会社] テフン(泰興)映画(株) [ビ デ オ] にっかつ(15,800円) [レンタル] あり [撮影場所] 全羅南道 ワンド(莞島)郡 チョンサン(青山)島 [You Tube] https://www.youtube.com/watch?v=sdjwD4jW4XY
https://www.youtube.com/watch?v=k-n3W8OXaY8&list=PL28d5JImIlH50aeJKxG514x4kZOXDeAzJ&index=13(4K)
[Private ] J-DVD(イム・グォンテク作品集)【66】 [お ま け] ・パンソリとは、一人の唱優が伴奏の鼓手一人と組んで、チュニャンガ(春香歌)、 シムチョンガ(沈清歌)、フンブガ(興甫歌)など勧善懲悪の古典ストーリーを 唱と語りと動作で進めて行く韓国固有の古典芸術の一つ。 ・ソピョンジェ(西便制)というのは、パンソリの流派で、他にトンピョンジェ (東便制)、カンサンジェ(江山制)、チュンゴジェ(中古制)という流派がある。 ・この映画は,タンソンサ(団成社)という映画館1か所だけで196日間という 途方もないロングラン興行を通じて,103万5千人を動員し,ソウル観客10 0万人を越えた最初の映画となり,イム・グォンテク監督自身が持っていた19 90の<将軍の息子>の記録(67万9千人)をはるかに上回った。 ・韓国で空前の大ヒット,日本でも全国で上映され、観客動員が10万人を 超えた初の韓国映画になった(輸出額:30万ドル)ためか,ビデオも発 売されており,大手のレンタルビデオ店にはある。 また,DVDも発売された。 ・最後のパンソリ「沈清歌」の姉弟競演の場面はもちろんだが,田舎の丘の道で三 人が「珍道アリラン」を唄い,踊る長廻し撮影(5分40秒)の場面(上の写真) に感動したのは,私だけではないと思う。 ・この場面が撮影されたところは,全羅南道 ワンド(莞島)郡 チョンサン(青山) 島 タンリ村(マウル)。 ・音楽は,「鯨とり -コレサニャン−」にピョンテ役で出演したキム・スチョル。 ・ユボンが旧友の花文字画家(アン・ビョンギョン)と酒を飲むときのつまみが,豆 腐だけだったが,それが普通だったのか,一度朴さんに聞いてみよう。 ・この映画を日本に配給したシネカノンのリ・ボンウ(李鳳宇)氏が,当時の経緯 を次の著作で詳しく書いている。 「パッチギ!的 世界は映画で変えられる」 李鳳宇 著 岩波書店 1,600円 ・また,この映画の制作に至った経緯について,イム・グォンテク監督自身が語った 内容については,次のブックレットに詳しく書いてある。 「林權澤(イム・グォンテク)は語る《映画・パンソリ・時代》」 福岡ユネスコ協会[編] 弦書房 680円+税 2015年