輝国山人の韓国映画
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▼娘のチュを連れて避難生活をするシンジャは,6.25(ユギオ=朝鮮戦争)で死んだ夫の友だちであったイ・ソンジン社長の助けで生計を維持している。
▼しかし,友だちの妻を助けなければならないというイ社長の道義心は,シンジャに対する愛情に変わる。
▼これに感づいたイ社長の妻は,強烈な嫉妬とヒステリーで夫を追及し,偶然に知るようになった若い男テクで心の空地を満たそうとする。
▼テクと社長夫人の火遊びは,テクが海水浴場で溺死しそうになったシンジャの娘チュを救出することによって角度が変わる。
▼シンジャは,社長の誘惑を受けるが,トゥクソム(纛島)で娘の命を救った青年テクと愛に陥ることになり,テクとの同居のために娘を他の家に任せてしまう。
▼しかし,戦争中に死んだと思われたテクの過去の恋人チンが現れる。テクは,シンジャから離れて,彼女はさまよう。
▼すでにチンに無事に到着したテクは,シンジャに別れを告げるが,テクとの愛情生活の中で真実を正そうとしていたシンジャは,衝撃を受けてテクに刃を向ける。
戦後の未亡人の実際的な苦衷と境遇を女性の観点から写実的に描いた作品
[制 作 年] 1955年 [韓国封切] 1955年12月10日 [観覧人員] [原 題] 未亡人 미망인 [別の題名] 寡婦の涙 과부의 눈물 [英 語 題] The Widow [ジャンル] メロドラマ [原 作] イ・ボラ(パク・ナモク監督の夫) [脚 本] イ・ボラ [監 督] パク・ナモク [第1作] [助 監 督] [撮 影] キム・ヨンスン(金榮舜) [照 明] イ・ハンチャン(李漢瓚] [編 集] チョン・ジュン [音 楽] チョ・ベクポン(趙白峯) [美 術] [武 術] [出 演] イ・ミンジャ → シン(信) イ・シンジャ イ・ソンジュ → チュ(珠) シン(信)の娘 イ・テッキュン → テク(澤) イ・ソンジン社長の妻の愛人 ナ・エシム → チン(眞) テク(澤)の過去の恋人 シン・ドンフン → イ・ソンジン社長 パク・ヨンスク → イ・ソンジン社長の妻 ノ・ガン → ソン(宋)書房(ソバン) 隣の男 パン・ヨンジャ → スク(淑) 隣の女 キム・ジョンシク → 社員 イ・ソンジン社長の会社 チェ・ナミョン → ユ・ゲソン → [受 賞] [映 画 祭] 1997 第1回 女性映画祭 開幕作 2016.2.3〜3.6 日韓国交正常化50周年記念 韓国映画1934-1959 創造と開化 福岡市総合図書館 映像ホール シネラ で上映 [時 間] 75分 [観覧基準] 18歳以上 観覧可 [制 作 者] チョン・チャングン(全昌根) [制作会社] 姉妹映画社(第1回作品) [制 作 費] [D V D] 日本発売なし [レンタル] [H P] [撮影場所] [M-Video] [You Tube] https://www.youtube.com/watch?v=L5kaUIuqKFo
[Private ] K-DVD 【75】 KMDb 韓国映像資料院 戦後の風景(日本語字幕あり) Landscape Afeter The War 未亡人(1955年:パク・ナモク監督) 地獄花(1958年:シン・サンオク監督) お金 (1958年:キム・ソドン監督) 漂流島(1960年:クォン・ヨンスン監督) [お ま け] ・DVD版では,はじめに次のようなことわりが出る。 この映画は,最後の部分が遺失しています。 また,残っている映像中,最後の10分の映像のサウンドが 遺失している不完全版です。 1時間4分46秒以後は,映像は出ますが,オーディオが出 ませんので,諒解をお願いします。 ・韓国映画史上,初めて女性監督により演出された映画である。 ・パク・ナモクは,解放直後,朝鮮映画社で映画の仕事を始め,朝鮮戦争中は,国防部の 撮影隊に所属して働いていたそうだ。 ・この映画は,興行的には成功しなかったが,「母性と性的欲望の狭間で葛藤する女性の 姿を鋭い視点で描いた秀作」(ナム・イニョン:東西大学映像マスコミ学部教授)と評 価されている。 ・また,戦後未亡人の現実と葛藤を女性監督の視線で描いた作品で,「女性監督でなけれ ば着眼しにくいアングル角度と事件のテンポリズムなどが明快」「生活感情を鋭く融和 して親近感」をかもし出した作品という評価を受けることもしたそうだ。 ・パク・ナモク監督の作品は,この映画だけである。 ・その後,出版関係の仕事に就いたそうだ。(詳細は,パク・ナモク監督のページへ) ・この作品の制作のための資金は,姉から借りたそうだ。そのせいか,映画のクレジット には,「姉妹映画社 第1回作品」と出る。 ・6月に生まればかりの娘を任せる人がいなくて,背中におんぶして映画を撮ったそうだ。 ・また,制作費が不足して,スタッフに直接食事を食べさせながら映画を完成させたそう だ。 ・シナリオは,監督の夫であるイ・ボラが書き,監督が個人的に親しい俳優であった イ・ミンジャが主演を,ユ・ゲソンが助演を引き受けたし,その他の主なスタッフと俳 優も,ほとんど懇意にしている人々で構成された。 ・この映画は,1997年の第1回ソウル女性映画祭で開幕作として上映され,その存在が, 浮き彫りにされた。