輝国山人の韓国映画
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誤発弾

朝鮮戦争で人生を狂わされ,希望のない生活を送るチョルホ一家の絶望と再生への希望を問う作品。次々に降りかかる不幸にさいなまれながら,また絶えず歯痛に悩まされるチョルホに,身の置き所のない当時の人々の苦悩がだぶって見える。

精神異常になって「行こう,行こう」という言葉だけ繰り返す年老いた母,栄養失調にかかった満朔の妻,朝鮮戦争で障害者となり,仕事もせず虚荒な夢ばかり見て酒浸りの日々を送る弟ヨンホ,そして家族に隠れてGI相手の娼婦をする妹,苦しい家計もわからずゴム靴を買ってくれとせがむ幼い娘など,多くの家族を養うチョルホは,薄給でなんとか暮らしている計理士事務所の書記。虫歯ひとつ抜く余裕もなく,煩悶の日々を送っている。

弟ヨンホは,偶然再会したソルヒという過去の女性の突然の死に激しい衝撃を受ける。そして,軍隊時代の戦友たちと銀行を襲って気楽に生きようと企てる。

彼らは緻密な計画をたてて実行に移すが,結局は警察に捕まる。ヨンホが捕まった日,チョルホの妻は,具合の悪い身体での出産で生死の境をさ迷い死ぬ。

極限の状況に駆け上がる家族たちの不幸を黙黙と甘受して見守る彼は,酒に酔ってどこへ行くべきかもわからずにさまよう。あたかも誤って発射された誤発弾のように。

[制 作 年] 1961年 [韓国封切] 1961年4月13日 [観覧人員] 13,400人 [原 題] 誤発弾 오발탄 [英 語 題] An Aimless Bullet [ジャンル] 文芸ドラマ [原 作] イ・ボムソン(李範宣) [脚  色] イ・ジョンギ(李鍾機) [潤  色] イ・イリョン(李異寧) [監 督] ユ・ヒョンモク [監 督 補] ムン・サンホン(文相憲) [撮 影] キム・ハクソン(金学成) [照  明] キム・ソンチュン(金聖春) [編  集] キム・ヒス(金煕洙) [音 楽] キム・ソンテ(金聖泰) [美 術] ペク・ナムジュン(白南俊),イ・スジン(李壽珍) [出 演] キム・ジンギュ  → チョルホ 計理士事務所 書記    チェ・ムリョン  → 弟 ヨンホ 退役軍人    ソ・エジャ    → 妹 ミョンスク    キム・ヘジョン  → ミリ    ノ・ジェシン   → 年老いた母    ムン・ジョンスク → 妻    ユン・イルボン  → キョンシク    イ・デヨプ    → チノン    ムン・ヘラン   → ソルヒ    ヤン・イルミン  → 退役軍人    ユ・ゲソン    → マダム    ナム・チュニョク → 老人    パク・キョンヒ  →     コ・ソルボン   → 警察    チ・バンヨル   → ソングク    チェ・ミョンス  → 歯科医師    イ・リョン    →     イ・ギョンチョン → (李景天)    パク・チュン   → 子役 (朴[木春])    ソ・ギョンヒ   → 子役 (徐慶姫)    イ・ジナ     → (李芝邦)    チェ・ギロ    → 退役軍人    キム・スン    → (金勝)    チェ・ベク    → (崔伯)    チェ・ソン    → (崔星)    ソン・ギョンサム → (宋敬三)    パク・ウォン   → (朴元)    ユ・ヨンファン  → (兪龍煥)    チェ・ゴン    → (崔健)    キム・ミスク   → (金美淑)    パク・アム    →       パク・キョンジュ → 警察 [受 賞] 1964 第7回 サンフランシスコ映画祭 出品(ユ・ヒョンモク監督とキム・ジンギュが参加) [カ ラ ー] モノクロ [時 間] 108分 [等 級] 15歳以上 観覧可 [制 作] キム・ソンチュン(金聖春)   [制作会社] テハン(大韓)映画製作株式会社  [ビ デ オ] あり [レンタル] あり(今はもうないかも) [You Tube] https://www.youtube.com/watch?v=LfxIfK8ThFc(日本語字幕あり) [Private ] Jd-8Video [お ま け] ・福岡市総合図書館 所蔵作品       ・韓国映画の巨匠        兪賢穆(ユ・ヒョンモク)監督特集 上演作品        (福岡市綜合図書館 映像ホール シネラ 1999年2月)       ・韓国映画のベストテンに必ずはいる韓国映画の古典中の名作       ・この映画は,全国映画倫理委員会の審査(検閲)をパスし,上映されていたが,        1961年の5.16軍事クーデター後,7月に再検閲という理由で上映を中止        させられた。       ・精神異常になった年老いた母が繰り返す「行こう,行こう」という言葉が,「北        に行こう」という意味にとれるということで問題になったのだが,1963年に        再度検閲が行われた結果,再び上映が許可された。

 

             <検閲台本>
          韓国映像資料院(ソウル)
             2023.11.04 撮影


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