輝国山人の韓国映画
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▼僕の母さんは,化粧品訪問販売員だ。毎日ネズミを捉えて食ったように化粧して,とうとう眉毛も書いて怪物のようだ。母さんは,新聞に「朴正煕大統領 有故(ユゴ)」(パク・チョンヒ大統領が暗殺されたときの新聞の見出し)と出ている「有故」が何の意味なのかもわからない。無知だ。コーヒーを飲む時もずるずるくちゃくちゃ音をたてる。他の子供たちの母親は,優雅なのに。母さんが大きい声で私を呼ぶ。私は言う。「知らない人です。」
▼顔を洗う隣のウンスク姉さんの身体から光があふれる。Tシャツの間から見える白い襟首。僕の息遣いが荒くなる。姉さんと一緒に漫画本を見ていて腕が触れた。柔らかい肌との接触。姉さんのためになら,何でもすることができる。それで今日は,姉さんの看護学院ポスターのために注射を十発も打った。
▼ある日,一通の手紙が届いた。「第125号 幸運の手紙の主人公になられたことをお祝い申し上げます。この手紙は,4日以内にあなたのそばを離れなければなりません。返事を書かなければ,不幸になります。」周辺の人々の名前を書いてみる。ところで私の126号の手紙の主人公たちは,返事を書かないようだ。返事を書かなければ,本当にどうなるだろうか。
1970年代末の激動期を背景に,「幸運の手紙」のために周囲の大切な人々を失ったと信じる中学校1年生の悲しいけれど暖かいユーモアがある物語
[制 作 年] 2005年 [韓国封切] 2005年11月3日 [観覧人員] 112,939人(ソウル封切館基準) [原 題] 愛してる,マルスンさん 사랑해 말순씨 [日 本 題] 愛してる,マルスンさん [日本公開] [英 語 題] [ジャンル] ドラマ,コメディー [原 作] [Producer] チン・ヒムン [脚 本] パク・フンシク,カン・ビョンファ,チャン・ハッキョ [脚 色] イ・スギョン、ソ・ジョンミン [監 督] パク・フンシク [第3作] [助 監 督] イム・チャニク、キム・イルジョン [撮 影] チェ・ヨンテク [照 明] キム・ヒョンチョル [編 集] オ・ミョンジュン [音 楽] チョ・ソンウ(M&F) [美 術] チョン・ヘジョン [武 術] [出 演] ムン・ソリ → キム・マルスン 母さん イ・ジェウン → パク・クァンホ ソンナム(城南)中学校1年生 ユン・ジンソ → ウンスク姉さん 看護婦補助 キム・ドンヨン → ハン・チョロ 同級生 カン・ミンフィ → チェミョン 自閉症の子 パク・ユソン → ヘスク 妹 キム・ボングン → 教頭先生 イ・ハヌィ → 体育先生 パク・ミョンシン → チェミョンの母 イ・カニ → サンスの母 ソン・ポンギ → ジョンフン 同級生 イム・ヒョンギュン → サンス 同級生 トゥ・ワンソプ → 子供1 カン・ドンミン → 子供2 イ・サンヒョプ → 子供3 チャン・インボム → 子供4 ミン・ボッキ → 担任先生 チャン・ジェヨン → 指導部先生 シン・サムボン → ヨンドンポ(永登浦)看護学院院長 ソン・ヨンスン → 祖母 シン・ドンファン → ターミナル職員 ソン・ヨルソク → 酒をもらう軍人 [編集でCut] チャン・ヘスク → 契員(契の構成員)おばさん1 キム・ウニョン → 契員(契の構成員)おばさん2 チョン・スジ → 銀行女性職員 ミス・チェ イ・ジンソン → バスの中の女子高生 キム・ミンスン → 美容補助師 チェ・ヒョジュン → ウンスクのボーイフレンド [制作部] チン・ヒョンウ → 数学先生 [照明部] ムン・ソンヘ → 音楽先生 [小品チーム] キム・デホン → カメラマン チェ・ジェホ → 救急車職員1 チェ・ギュヨン → 救急車職員2 ホ・ミョンヘン → 暴漢1 チ・ジュンヒョン → 暴漢2 ソ・ジュナ → 暴漢3 チェ・ギュジン → グァンホ代役 イ・スンギュ → 同じクラスの子供たち チョン・ダビン → 同じクラスの子供たち キリン中学校生 → 学校の子供たち [受 賞] 2005 第13回 利川春史大賞映画祭 特別賞 [子賞](イ・ジェウン) 2006 第51回 アジア太平洋映画祭/男優主演賞(イ・ジェウン) [時 間] 92分 [観覧基準] 12歳以上 観覧可 [制 作 者] ペ・ヨングク [制作会社] ブルーストーム(株),(株)M&F [制 作 費] [M-Video] チャン・ウヒョク <レッド・サン> [ビ デ オ] ファインフィルムズ(DVD 3,990円)2010/12/3発売 [レンタル] [H P] http://www.lovemalsoon.com/(韓国) [撮影場所] KT&Gチョンブク(全北)本部 国防広報院 ヨンサン(龍山)チュンデ(中大)付属病院 全羅北道教育庁 チョンジュ(全州)高速バスターミナル チョンジュ(全州)トンブク(東北)小学校 チョンジュ(全州)聖母看護教育院 チョンジュ(全州)チョニル(全一)中学校 鉄道博物館 チュンチョン(春川)ピカデリー劇場 [主 題 曲] お客さん 作曲/編曲:チョ・ソンウ、作詞:イ・スギョン、歌:アン・ジョンア [Private ] K-DVD【1】(630-2023/10/07) J-DVD(2,953)【1】2010/9/15(1,740-2021/04/12) [お ま け] ・この映画には,パク・フンシク監督の以前の作品<私にも妻がいたらいいのに>の 冒頭にあるシーンによく似たシーンがあります。 ・中学生が葉っぱをちぎりながら,母の死を占うシーンです。 ・「朴正煕大統領 有故(ユゴ,유고)」とは,当時の新聞の見出しに使われた言葉 で,「事故があること」という意味。 パク・チョンヒ(朴正煕)大統領の暗殺を隠すために使われたのだそうです。 ・<パク・チョンヒ大統領の暗殺>については,イム・サンス監督の作品 <ユゴ 大統領有故>を参照してください。 ・クァンホが,夢精をして汚したパンツを包む韓国日報(新聞)の一面の見出しが, 「金載圭에(に) 死形구형(求刑)」となっているが,「死刑」の誤りではない のでしょうか。 ・小道具の新聞を作るときに間違えたのか,当時の新聞そのものが間違えていたのか, どちらかでしょう。 ・なお,金載圭(キム・ジェギュ)は,パク・チョンヒ(朴正煕)大統領を暗殺した 当時の中央情報部長のこと。 ・下宿しているウンスク姉さんが,母からの電話で兄に大変なことがあったと,故郷 のクァンジュ(光州)に帰ってしまうのは,1980年5月18日に始まった<光 州事件>を暗示している。 ・<光州事件>については,キム・ジフン監督の作品<光州5・18>を参照してく ださい。