▼ヘリコプターに席がなく,大統領の行事に一緒に行けなかったので,病院に行った中央情報部のキム部長は,主治医から健康状態が良くないので,しばらく休めという勧誘を受ける。執務室で大統領の晩餐の様子を伝え聞いたキム部長は,しばらく考えに浸るけれど,すぐに随行秘書ミン大佐と共に晩餐会場の宮井洞(クンジョンドン)の安家(アンガ:安全家屋の略称=中央情報部の秘密接待所)へ向かう。
▼晩餐が始まり,今日に限って,チャ警護室長の甚だしく傍若無人な態度が気に障る。深刻な表情で座っていたキム部長は,それとなく部屋を出て,チュ課長とミン大佐を呼び出し,大統領殺害計画を知らせる。
▼キム部長の右腕チュ課長は,今日もいろいろと頭が痛いことを収拾して,うんざりしていた。その上,突然聞こえてきた晩餐の様子を聞いて何だろうかと思う。大統領と同席するお客さんを交渉して晩餐会場に到着する。
▼暫くして,自分とミン大佐を呼び出し,「今日は私が片づけるから支援しろ」というキム部長の命令にしばらくためらったチュ課長は,格別妙案もなく,命令に従うために急いで歩みを移す。
▼警備室に入ってきたチュ課長は,部下4名に作戦を命令して武装させる。命令ならば無条件に服従する忠実な部下ヨンジョと,素朴なジュニョン,非番にもかかわらず出てきた警備員ウォンテ,そして海兵隊出身という理由だけで指定された運転手サンウクまで。
理由もわからずチュ課長の命令に従って各自の位置で待機する部下たち。固唾をのんで,緊張したままキム部長の銃声を待つ。
1979年の10.26事態(パク・チョンヒ(朴正煕)大統領殺害事件)を素材に,大統領が射殺された日,わけも分からないまま大統領殺害事件に加担したり,巻き込まれ,結局,悲劇的最後を迎える人々のアイロニーな状況を描いた政治風刺ブラックコメディ
[制 作 年] 2004年
[韓国封切] 2005年2月3日
[観覧人員] 338,025人(ソウル封切館基準)
[原 題] その時,その人々 그때 그사람들
[英 語 題] The President's Last Bang
[ジャンル] ミステリー,コメディ
[原 作]
[脚 本] イム・サンス
[監 督] イム・サンス [第4作]
[撮 影] キム・ウヒョン
[照 明] コ・ナクソン
[音 楽] キム・ホンジプ
[武 術] キム・ミンス
[出 演] 配役中の【 】は,実際の事件における氏名
ハン・ソッキュ → チュ課長 中央情報部儀典課長 【パク・ソノ(朴善浩)】
ペク・ユンシク → キム・ジェギュ(金載圭) 中央情報部長
ソン・ジェホ → パク・チョンヒ(朴正煕)大統領閣下
キム・ウンス → ミン大佐 キム部長の随行秘書 【パク・フンジュ(朴興柱)】
チョ・サンゴン → シム・サンヒョ 晩餐会場執事
クォン・ビョンギル → キム・ゲウォン(金桂元) 秘書室長
チョン・ウォンジュン → チャ・ジチョル(車智K) 警護室長
チョ・ウンジ → シン・ジェスン(申才順) 女子大生 晩餐会場招請客
キム・ユナ → シム・スボン(沈守峰) 歌手 晩餐会場招請客
/プロローグ ナレーション
チョン・ジョンジュン → チョン・スンファ(鄭昇和) 陸軍参謀総長
イ・ジェグ → クォン・ヨンジョ チュ課長の部下 【イ・ギジュ(李基柱)】
キム・サンホ → チャン・ウォンテ チュ課長の部下 【キム・テウォン(金泰元)】
キム・ソンウク → ウォン・サンウク チュ課長の運転手 【ユ・ソンオク(柳成玉)】
キム・テハン → ソン・ジュニョン チュ課長の部下
チョン・インギ → シン・ヨンフン処長 【チョン・イニョン(鄭仁炯)警護処長】
チョン・ウ → ハン・ジェグク 【アン・ジェソン(安載松)警護副処長】
キム・ヨンイン → 総理 チェ・ギュハ(崔圭夏)
ソ・ヒスン → 副総理 シン・ヒョナク(申鉉[石高])
シム・ウチャン → 国防長官 ノ・ジェヒョン(盧載鉉)
キム・ビョンオク → キム大佐 陸軍参謀秘書室長
チョ・ドクチェ → チョ少佐
イ・スンフン → イ少佐
パク・チニョン → キム中将 国軍病院長 キム・ヒョンス(金秉洙)
クォン・テウォン → 食堂コック長
キム・ギチョン → ボイラー カン氏
イ・ヘギョン → ユニ 分別がない娘
キム・ヒョナ → ウォンテ夫人
イ・スミ → チュ課長夫人
イ・ジュソク → 閣下警護員
キム・グォングン → 閣下警護員
キム・ヒョンイル → 閣下警護員
イム・サンス → キム部長の主治医 [この映画の監督]
ペク・ハンギ → キム部長運転手
イ・ジナ → ヨニ(延喜)洞マダム 【ミン・マダム】
チ・ヨンナン → チュ課長の妻の母
パク・シンギュ → 閣下秘書 【パク・クァクポン(朴鶴奉)】 [MKB理事]
キム・ギョンモク → キム次長 【キム・ジョンソプ(金正燮)】
キム・ジンミン → サムチョン(三清)洞将校 [映画監督]
チェ・ドンフン → 国軍病院 軍医官 [映画監督]
クォン・グッキ → 国軍病院 軍医官 [助監督]
キム・ハギョン → 国軍病院 軍医官
キム・ミンジン → 看護将校
チャ・スンヨル → 食堂補助
イ・ウジョン → 参謀総管副官 [MKBプロデューサー]
チョ・ヒジン → クンジョン(宮井)洞ウェイター [スクリプター]
コ・ヨンミン → プハン(附缸)施術者
イム・ボム → 保安司令官 チョン・ドゥファン(全斗煥) [ハンギョレ新聞記者]
ペ・ジャンス → 陸軍本部状況室長
ソン・ジェギュ → 各部長官/将軍
キム・ジョンニプ → 各部長官/将軍
パク・ウソプ → 各部長官/将軍
チャ・ヨンゴン → 各部長官/将軍
ユ・サンヒ → 各部長官/将軍
キム・ガプスン → 各部長官/将軍
キム・ウォンジュン → 各部長官/将軍
チェ・ホジン → 各部長官/将軍
チョ・ミンス → 各部長官/将軍
イ・チュンヨル → 各部長官/将軍
ハヤン → ヨニ(延喜)洞女性
ユンジ → ヨニ(延喜)洞女性
チウ → ヨニ(延喜)洞女性
イ・ヒジェ → ヨニ(延喜)洞紳士
キム・ギウォン → ヨニ(延喜)洞紳士
パク・サンヒョン → ヨニ(延喜)洞管理人/陸本憲兵/将校 [助監督]
キム・デウク → ヨニ(延喜)洞管理人 [制作部]
イ・ビョンソン → 取調室刑事
イ・ドヒョン → 取調室刑事
イ・ドンヨン → 取調室刑事
パク・セヨン → 取調室刑事
キム・ミンス → 取調室刑事
キム・ビョンチョル → 取調室被疑者
イ・ヒョンソク → 取調室被疑者
オ・ジュファン → 取調室被疑者
イ・ゲグ → 取調室被疑者
パク・ソンギュ → 取調室被疑者
キム・ヘヨン → 取調室被疑者
チェ・ギオク → キム部長警護員
ソ・ジョンジュ → キム部長警護員
イム・ソンアム → キム部長警護員
キム・ギファン → キム部長警護員
チョ・ジェユン → クンジョン(宮井)洞警備員
イ・ジェピル → クンジョン(宮井)洞警備員 [MKB配給チーム長]
キム・ジウン → クンジョン(宮井)洞警備員
ソル・ギョンベ → クンジョン(宮井)洞警備員
キム・ドフン → クンジョン(宮井)洞警備員
ハ・サンウク → クンジョン(宮井)洞警備員
イ・ヒョンソク → クンジョン(宮井)洞警備員
キム・ドンジュ → クンジョン(宮井)洞警備員
ヤン・ジェギュ → クンジョン(宮井)洞警備員
ナム・ユンス → クンジョン(宮井)洞警備員
ソ・ジョンフン → クンジョン(宮井)洞警備員
ヤン・ドンミョン → 陸軍本部憲兵/将校 [MKB配給室長]
キム・ソンフン → 陸軍本部憲兵/将校
イ・スヒョン → 陸軍本部憲兵/将校
ファン・ソンジプ → 陸軍本部憲兵/将校
ウ・サンゴン → 陸軍本部憲兵/将校
チョン・ミンヒョク → 陸軍本部憲兵/将校
パク・サンジョ → 陸軍本部憲兵/将校
パク・サンジュ → 陸軍本部憲兵/将校
イ・ギョンゴル → 陸軍本部憲兵/将校
ペ・ジョンファン → 陸軍本部憲兵/将校
キョンギ(京畿)女性高等学校映画製作部 → 国旗敬礼女子高生
プチョン(富川)工業高等学校管楽部 → 30警備団軍楽隊
友情出演
ポン・テギュ → 国軍病院正門死守憲兵 サムチョン(三清)洞憲兵
ホン・ロッキ → 陸軍参謀総長を知らない陸軍本部哨兵
特別出演
ユン・ヨジョン → ユニの母 分別がない母/エピローグ・ナレーション
字幕外
イ・ユンジョン → キム部長の主治医の看護婦 [MKB マーケティング・チーム長]
[受 賞] 2005 第41回 百想芸術大賞/作品賞
[映 画 祭] 2005 第30回 カナダ トロント国際映画祭 出品
2005 第43回 米国 ニューヨーク映画祭 招請
[時 間] 102分
[観覧基準] 15歳以上 観覧可
[制 作 者] シム・ジェミョン,シン・チョル
[制作会社] MKピクチャーズ
[制 作 費] 60億ウォン
[ビ デ オ] エスピーオー(DVD 5,040円)2008/6/4発売
[レンタル] あり
[H P] http://www.cinemart.co.jp/yugo/(日本)
[撮影場所]
[Private ] K-DVD J-DVD ★★★★☆☆
J-Blu-ray-Rec(逃亡者イ・ドゥヨン[全])
[お ま け]
・この映画のモチーフである1979年に起きた10.26事態とは,第5〜9代大統領を
歴任したパク・チョンヒ(朴正煕)大統領が,中央情報部長キム・ジェギュ(金載圭)
によって殺害された事件。
・事件後,全国に戒厳令宣言され,チェ・ギュハ(崔圭夏)総理が大統領権限を代行し,事
件に加担した中央情報部長とその部下などが逮捕された。
・戒厳令中に行われたパク大統領の告別式は,多くの国民が涙を流しながら見守ったが,彼
の死後にも政局は相変らず不安定で,当時戒厳司令官だったチョン・スンファ(鄭昇和)
陸軍参謀総長の連行を囲んで,軍内部同士がソウル市内で銃撃戦を行うという,いわゆる
12.12事態が発生した。しかし,この事件は,第5共和国へと移行する基盤を提供した
ことになる。
・この映画の封切前にパク・チョンヒ(朴正煕)元大統領の一人息子,パク・チマン(朴志
晩)氏が「死者の名誉を棄損する」として上映禁止仮処分を裁判所に申請した。
・ソウル中央地方裁判所第50民事部は,1月31日,上映は認めたもののドキュメンタリー
部分(パク・チョンヒ大統領の葬礼式の場面)については削除を命じ,3か所計3分50秒
分が真っ黒に消されて上映されることになった。
・映画会社は,興業上の理由から削除したままの公開を決め,削除された場面の前にその旨
のクレジットを入れた。
・この映画のイム・サンス監督本人が,映画序盤キム部長の主治医役で出てくる。
・この映画の原題「その時,その人々(그때 그사람들)は,キム・ユナが演じる歌手シム・
スボン(沈守峰)の1979年のヒット曲「その時,その人(그때 그사람)」に由来するのだ
そうだ。
・また,邦題の [大統領] 有故(ユゴ,유고)とは,当時の新聞の見出しに使われた言葉で,
「事故があること」という意味。パク・チョンヒ(朴正煕)大統領の暗殺を隠すために使わ
れたのだそうだ。
・映画の序盤にヨニ(延喜)洞のプールが登場し,水着のトップをはずす若い女性が登場する
が,これは事実ではなく,映画の虚構だそうだ。
・大統領の宴席で,歌手シム・スボン(沈守峰)がギターを弾きながら,都はるみの「北の宿
から」(作詞・阿久 悠,作曲・小林亜星)と美空ひばりの「悲しい酒」(作詞・石本美由紀,
作曲・古賀 政男)を相次いで歌う場面があるが,実際は,日本の歌ではなく,自分のヒット
曲「その時その人」とキム・ジョングの過去の歌「涙にぬれた豆満江」を歌ったのだそうだ。
・また,その後で,女子大生のシン・ジェスン(申才順)が,軽く踊りながら,キム・チュジャ
の「コジンマリヤ(嘘よ)」を歌う場面があるが,実際には,シン・ジェスンが歌った歌は,
「愛するあなた」だったそうだ。
・キム・ジェギュ(金載圭) 中央情報部長が撃った初めての銃弾で,チャ・ジチョル(車智K)
警護室長の右指がちぎれ,逃げ込んだトイレでくっつけてみる場面があるが,実際は,銃でね
らうキム部長の拳銃をひったくろうと右手を差し出し,右の手首を打ち抜かれたのだそうだ。
・また,キム中央情報部長が,パク大統領の頭に新しい銃を向けて短い対話があるが,実際は,
パク大統領は,一発目ですでに昏睡状態に陥っており,対話はなかったそうだ。
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