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お嬢さん    DVD発売

狂おしい官能と欲望の罠。誰が騙し,騙され,愛されたのか― 究極の騙し合いを描いたエロティック・サスペンス(出処:報道資料)

1930年代の植民地朝鮮。幼い時に両親を失い,後見人の叔父(チョ・ジヌン)の厳格な保護の下で生きている貴族のお嬢さん(アガシ,キム・ミニ)のもとに,伯爵が推薦した新しい下女(侍女)が訪ねてくる。

毎日おじの書斎で本を読むことが日常のすべてである孤独なお嬢さんは,素朴に見える下女(侍女)に少しずつ頼り始める。

しかし,下女(侍女)の正体は,有名な女泥棒の娘で,盗品商の手で育てられたスリ孤児少女スッキ(キム・テリ)。莫大な財産を相続することになるお嬢さんを誘惑してお金を横取りするという詐欺師伯爵(ハ・ジョンウ)の提案を受けて,お嬢さんが伯爵を愛するようにさせるために下女(侍女)になったのだった。

いよいよ伯爵が登場して,伯爵とスッキは,自分だけの方式でお嬢さんの心を揺さぶり始める。

お金と心を奪い取るために,互いに欺され欺す魅惑的な彼らの話が始まる。(出処:報道資料)

[制 作 年] 2016年* [韓国封切] 2016年6月1日 [観覧人員] 4,287,839人 11位      韓国映画振興委員会(KOFIC) 年度別ボックスオフィス(韓国映画) [原 題] アガシ(お嬢様) 아가씨 [英 語 題] THE HANDMAIDEN [ジャンル] スリラー,ドラマ [原 作] イギリスのサラ・ウォーターズ(SARAH WATERS) の小説「荊の城(FINGERSMITH)」 [P  D] ユン・ソクチャン,キム・ジョンデ,チョン・ウォンジョ [脚 本] チョン・ソギョンパク・チャヌク [監 督] パク・チャヌク [第10作] [助 監 督] ペ・ソノク,藤本しんすけ [撮  影] チョン・ジョンフン [照  明] ペ・イリョク [音 楽] チョ・ヨンウク [美 術] リュ・ソンヒ(プロダクション・デザイナー) [武 術] ユ・サンソプ(ソウルアクションスクール)       チョン・ウジェ(ソウルアクションスクール) [日本語翻訳] 泉 千春 [出 演] キム・ミニ     → 和泉秀子(いずみひでこ)       キム・テリ     → ナム・スッキ 珠子(たまこ) オクチュ(玉珠) 下女(侍女)       ハ・ジョンウ    → 藤原伯爵 詐欺師       チョ・ジヌン    → 上月(こうづき)教明 叔父 秀子の母の妹の夫       キム・ヘスク    → 佐々木夫人 上月の前夫人       イ・ヨンニョ    → ポクスン 盗品商 闇の商売女 ポヨン堂       ユ・ミンチェ    → クッタニ ポヨン堂       イ・ドンフィ    → クガイ ポヨン堂       高木りな      → 秀子(ひでこ)の母 写真       ハン・ハナ     → 純子(じゅんこ) 秀子の前の下女(侍女)       イ・ギュジョン   → 下女(侍女)1       キム・シウン    → 下女(侍女)2 珠子の靴を隠す       ハ・シヨン     → 下女(侍女)3       キム・ウニョン   → 下女(侍女)4       ウォン・グニ    → 執事       キム・ジョンデ   → 邸宅運転手 [PD]       チャン・ハンスン  → 上月(こうづき)の駕籠屋       キム・リウ     → 関釜連絡船 日本将校1       藤本しんすけ    → 関釜連絡船 日本将校2 [助監督]       長野克弘      → 僧侶       イ・ジハ      → 旅館 女主人       足立智充      → 精神病院 医師1       柿澤隆史      → 精神病院 医師2       ファン・ソユン   → 精神病院 看護師1       パク・シネ     → 精神病院 看護師2       チョ・ウニョン   → 幼い秀子(ひでこ)       ムン・ソリ     → 叔母 秀子の母の妹 (特別出演)       イ・ジヘ      → 幼い秀子(ひでこ)の下女(侍女)1       ホ・ソヨン     → 幼い秀子(ひでこ) 下女(侍女)2       イ・ユンジェ    → 金瓶梅 読会 客1       チェ・ジョンニュル → 金瓶梅 読会 客2       キム・ジュヌ    → 金瓶梅 読会 客3       ペ・イリョク    → 金瓶梅 読会 客4       キム・スウン    → 金瓶梅 読会 客5       チョ・ヨンヒョン  → 金瓶梅 読会 客6       パク・キリュン   → 鞭は話す 読会 客1       チェ・ビョンモ   → 鞭は話す 読会 客2       ハン・チャンヒョン → 鞭は話す 読会 客3       キム・イヌ     → 鞭は話す 読会 客4       クォン・ヒョク   → 鞭は話す 読会 客5       イム・ヒョンテ   → 鞭は話す 読会 客6       チョン・ハダム   → 下女(侍女)5       オ・マンソク    → ミョンリョン(緬鈴) 読会 客1       キム・ビョングィ  → ミョンリョン(緬鈴) 読会 客2       キム・インス    → ミョンリョン(緬鈴) 読会 客3       ALEXANDER         SCARBOROUGH   → 平和ホテル 洋食堂 支配人       キム・ジンチョル  → 平和ホテル 洋食堂 客1       キム・ドヒョン   → 平和ホテル 洋食堂 客2       ホン・ウンジ    → 平和ホテル 洋食堂 客3       ソン・ダウン    → 平和ホテル 洋食堂 客4       チョン・インギョム → 浪人1       ナム・ギョンミン  → 浪人2       アン・ソンボン   → 港湾キップ売場 浪人 神戸港       ソン・ウッキョン  → 港湾キップ売場 職員 神戸港       イ・インチョル   → 写真館 主人       ハ・シヨン     → 秀子(ひでこ) スタンドイン(代役)       キム・シウン    → スッキ スタンドイン(代役)       アン・ソンボン   → 伯爵・上月(こうづき) スタンドイン(代役) [受 賞] 2016 第17回 釜山映画評論家協会賞/新人女優賞(キム・テリ)       2016 第36回 韓国映画評論家協会賞/撮影賞       2016 第37回 青龍映画賞/女優主演賞(キム・ミニ),新人女優賞(キム・テリ)、美術賞       2016 第16回 ディレクターズ・カット・アワーズ/女子演技者賞(キム・ミニ)                           /女子新人演技者賞(キム・テリ)       2016 第3回 韓国映画制作家協会賞/音響賞(キム・ソグォン)       2016 第6回 マリクレール映画祭 ルーキー賞(キム・テリ)       2016 第17回 今年の女性映画人賞/新人演技賞(キム・テリ)       2016 第25回 釜日映画賞/美術賞(リュ・ソンヒ)                   特別賞−釜日読者審査団賞                   新人女性演技賞(キム・テリ)       2016 第49回 シッチェス国際ファンタスティック映画祭/オフィシャルファンタスティック−観客賞       2016 第69回 カンヌ国際映画祭/VULCAIN賞(Artist Technician賞)(リュ・ソンヒ)       2016 シネ21映画賞/今年の新人女優(キム・テリ)       2017 第11回 アジア フィルム アワード 新人賞(キム・テリ)                          助演女優賞,脚本賞,編集賞,衣装賞,美術賞       2017 第8回 今年の映画賞/新人女優賞(キム・テリ)       2017 第53回 百想芸術大賞/映画部門 大賞       2017 第17回 大韓民国青少年映画祭/新人俳優部門 人気映画人賞(キム・テリ)       2016 米国 ロサンゼルス映画批評家協会賞 外国語映画賞 美術賞       米国 サンフランシスコ映画批評家協会賞 美術賞,外国語映画賞       仏国 カンヌ国際映画祭 芸術貢献(バルカン)賞       米国 ダラス フォートワース映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 ノースカロライナ映画批評家協会賞 外国語映画賞       サウスイースタン映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 カンザスシティ映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 全米映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 ラスベガス映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 オクラホマ映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 フェニックス オンライン映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 オンライン映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 ニューヨーク オンライン映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 ユタ映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 ボストン映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 セントルイス映画批評家協会賞 美術賞       米国 サンディエゴ映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 インディアナ映画批評家協会賞 外国語映画賞       米国 シカゴ映画批評家協会賞 脚色賞,外国語映画賞,美術賞       米国 オースティン映画批評家協会賞 外国語映画賞 [映 画 祭]  [時 間] 145分 [観覧基準] 15歳以上 観覧可   [制 作 者] パク・チャヌク,イム・スンヨン [共同制作] キム・テウン [制作会社] モホフィルム,ヤングフィルムプロダクション [共同制作] Tエンターテイメント [制 作 費]  [D V D] TCエンタテインメント(Blu-ray 4,800円+税 DVD 3,800円+税 ほか)2017/7/5発売 [レンタル]  [H P] http://agassi2016.co.kr/(韓国)       終了(日本) [撮影場所] ソウル気象観測所       ナミャンジュ(南楊州)クムソンサ(金城寺)       インチョン(仁川)ソンウォン物流         → スッキが入院させられる精神病院       ピョンチャン(平昌)国民の森       国立ソロクト(小鹿島)病院 中央公園 [韓国のハンセン病患者治療施設]         → 秀子の叔母が首を吊った木       韓国水資源公社 ソンサン(松山)建設団       プアン(扶安)スソンダン(水聖堂)       チュンブク(忠北)クェサン(槐山)湖       パジュ(坡州)ピョクチョジ(碧草池)樹木園         → スッキと藤原伯爵が言い争う場面       ヨンイン(龍仁)韓国民俗村       チョンゴク(前谷)海洋産業団地       ソデムン(西大門)刑務所       パジュ(坡州)チノ         → 秀子の邸宅 秀子と藤原伯爵が食事をする空間       アンソン(安城)プンサンケ(豊山犬)マウル(村)         → 秀子の邸宅に向かう自動車がメタセコイア道を走行する場面       文化駅ソウル284       ナメ(南海)高速フェリー       六華苑 [三重県桑名市]         → 秀子が住む邸宅       諸戸氏庭園 [三重県桑名市]       名張藤堂家邸 [三重県名張市]       伊勢山上 飯福田寺 [三重県松阪市]       小向(オブケ)神社 [三重郡朝日町]       大井川鉄道       ハプチョン(陜川)映像テーマパーク [M-Video]  [Private ] J-Blu-ray-Rec(浪漫ドクター キム・サブ 20・21)      J-Blu-ray-Rec(単独)       [連載]崔盛旭の『映画で学ぶ、韓国近現代史』        R-18韓国映画『お嬢さん』が“画期的”とされる理由        ――女性同士のラブシーンが描いた「連帯」と「男性支配」からの脱出        https://www.cyzowoman.com/2021/02/post_325094_1.html

[お ま け] この映画の制作過程で、日本語のせりふの翻訳と俳優の日本語指導を担当された       ソギョン(西京)大学校国際ビジネス語学部の泉千春(いずみ ちはる)教授が       東亜日報に寄稿された文章を掲載させていただきます。        イズミの韓国ブログ         語学能力を持って生まれた俳優キム・テリ          泉 千春 日本出身 ソギョン(西京)大学校 国際ビジネス語学部 教授                                (東亜日報 2019-03-19)                      ・3月、新学期が始まった。          ・私は、大学で日本語と日本文化を教えている。          ・毎年、1学年日本専攻の講義室では‘あいうえお’から始める。          ・知ってのとおり‘あいうえお’は、韓国語の‘가나다’に該当する日本語           学習の第一歩だ。          ・語学は、文字の書き取り、読み取り、発音、リズムを身につけることから           始める。          ・まだ寒い講義室で‘あいうえお’という私の声に力強くまねる学生たちの           声が続く。          ・キラキラ光る1学年の学生たちの瞳を見ていたら、パク・チャヌク監督の           作品‘お嬢さん’(2016年)を思い出した。          ・特に、当時新人だったキム・テリ俳優の目が思い出される。          ・新入生たちと同じ目をしていた。          ・私は、この映画で日本語せりふの翻訳と俳優の日本語指導を担当した。          ・撮影開始6か月前である2015年1月から日本語教育は始まった。          ・基礎教育、せりふ教育、そして映像と日本語せりふの確認、後時録音まで           含めて、作業は上映直前まで続いた。          ・パク監督との作業は、あたかも実験のようだった。          ・日本語ネイティブでない韓国人俳優に、日本人または日本語を母国語水準           で話すように演技をさせるということだった。          ・‘お嬢さん’の日本語せりふは、1930年代のことで、現代日本人も使わな           い難解で古風なものだった。          ・大部分が初めて日本語を学習する俳優に、ネイティブ水準の日本語せりふ           を上手に話すようにすることは‘極限作業’のような作業だった。          ・どこまでリアリティーを引き上げることができるのかが勝負地点だった。          ・妥協を許諾しない監督に私が主張したことは、次のとおりだった。          ・最初に、一対一で個人指導をしなければならない。          ・2番目、日本語せりふがあるすべての俳優を指導しなければならない。          ・3番目、できるだけ‘あいうえお’を習って、韓国語の発音を使わずに、           (母国語の干渉を最小限にするために)ひらがな表記でせりふを書いて読           むようにする。          ・4番目、俳優によって難しい発音があれば、彼に合わせて日本語せりふを           多少修正する。          ・韓国人に日本語は習いやすい言語だ。          ・日本語と韓国語の語順が同じで、共通した漢字語が多いためだ。          ・だが、似ていることで差を認識しにくくて油断しやすい。          ・発音に韓国語にはない‘アクセント’と‘拍’があるためだ。          ・‘拍’というのは、‘音節一個の長さに該当する時間的単位’だ。          ・例えば‘토쿄(東京)ときょ’は2拍でなく、4拍‘토오쿄오 とおきょお’           であり、長音の現象が起きて‘と〜きょ〜’となる。          ・‘오사카(大阪)おさか’も3拍でなく、‘오〜사카 お〜さか’の4拍に           なる。          ・映画のせりふでは、特に拍数が重要だ。          ・音声は後時録音で修正できるが、この時、拍が合わなければ、口の形とせ           りふが合わなくて、直すことができないためだ。          ・‘お嬢さん’では、シナリオの日本語せりふに拍とアクセントを表記した。         ・感情に熱中すると、拍が乱れるので、繰り返し指導した。          ・どこをどのように間違ったかを尋ねる俳優によく説明できなくて、冷や汗           を流したことも多かった。          ・感覚的にせりふを認知するハ・ジョンウ俳優とキム・ミニ俳優、論理的に           理解しようとするチョ・ジヌン俳優、語学の素質が優れたキム・テリ俳優           は、持って生まれたという感じだった。          ・日本語が分かるムン・ソリ俳優は、原文の呼吸に合わせて一緒に相談して           日本語せりふを修正することもした。          ・キム・ヘスク俳優は、直前に日本語せりふが変わっても全く揺れることが           なく、演技者としての気概に圧倒された。          ・韓国では、壬辰倭乱と日帝強制占領期間を背景にしたドラマや映画でしば           しば日本語せりふが登場する。          ・だが、韓国の内需用に制作された作品では、主演級でなければ、日本人の           役割でも日本語がとても下手に見えるのがやっかいな場合があって遺憾だ           った。          ・もちろん‘お嬢さん’の日本語が完璧だったということではない。          ・母国語の干渉を完全に排除することはできなかったし、日本人には多少異           質感が感じられただろう。          ・しかし、完璧に近づくために俳優たちもスタッフも血の出る努力をして国           際的な映画として作られたことは確実だ。          ・‘お嬢さん’は、私の人生の転換点になった作品だ。          ・妥協を許諾しないパク監督の姿勢、渾身の力を出して演技する俳優たち、           そして最善を尽くすスタッフ、最高を指向する現場で習ったことは数え切           れないほど多い。          ・私は、学生たちに今日も詳しく徹底して指導する。          ・発音もかなりやかましく教えている。          ・私にとっては、教壇も、映画制作現場も戦場のように熾烈だ。          ・‘お嬢さん’で得た経験とエネルギーは、今でも教育現場にそっくり投影           されている。           泉 千春 日本出身 ソギョン(西京)大学校 国際ビジネス語学部 教授


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