輝国山人の韓国映画
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青春双曲線

貧しい家庭と裕福な家庭という二つの家庭を諷刺的に描写して笑いと愛と涙を構成した明朗コメディ

貧しい環境で育った中学校教師ミョンホ(ファン・ヘ)と貿易会社社長の長男プナム(ヤン・フン)は,大学の同級生だ。

医師は,食べ過ぎて胃拡張になったプナムと,あまりに食べられずに胃縮小になったミョンホに,2週間の間,生活方式を変えてみろと提案する。

お互いの家を変えて生活した二人の青年は,それぞれの妹を愛するようになって合同結婚式を挙げることになる。

[制 作 年] 1956年
[韓国封切] 1956年4月10日
[観覧人員] 封切館動員観客 36,600人 1957年興行で5位
[原    題] 青春双曲線 청춘쌍곡선
[英 語 題] Hyperbolae of Youth  Double Curve of Youth 
[ジャンル] コメディー
[原    作] ソン・ギヒョン(孫[王幾]王玄[])
[脚    色] キム・ソドン
[監    督] ハン・ヒョンモ
[演 出 補] パク・ソンホ(朴成浩),キム・ゲヒャン(金啓香)
[撮  影] イ・ソンフィ(李星輝)
[照  明] イ・ハンチャン(李漢[王賛])
[音    楽] パク・シチュン(朴是春)
[主 題 歌] ノーベルレコード
      歌:ペク・ソルヒ(白雪姫)
        ウォン・バンヒョン(元芳鉉)
[美    術] パク・ソギン(朴石人)
[武    術] 
[出    演] ファン・ヘ    → キム・ミョンホ 中学校教師
      チ・ハクチャ   → キム・ジョンオク ミョンホの妹
      ヤン・フン    → イ・ブナム ハンミ貿易会社社長の長男
      イ・ビナ     → イ・ミジャ プナムの妹
      ポク・ヘスク   → ミョンホの母
      チ・バンヨル   → プナムの父
      コ・ソネ     → プナムの母
      ヤン・ソクチョン → チェ・ヨングン ミジャの婚約者
      キム・ヒガプ   → 背負子(しょいこ)おじさん
      キョン・ユンス  → 
      キム・ジニ    → 
      キム・スクチャ  → 看護師(キムシスターズ) 写真(上の下) 
      キム・ミンジャ  → 看護師(キムシスターズ) 
      キム・エジャ   → 看護師(キムシスターズ) 
      キム・オホン   → 

         特別出演
      パク・シチュン  → キム博士 トンミョン(東明)病院 院長 [音楽] 
      キム・バンイル  → キム博士の遊び?友だち ホンさん




[受    賞] 
[映 画 祭] 1958 第5回 亜細亜映画祭 出品
      2016.2.3〜3.6
       日韓国交正常化50周年記念 韓国映画1934-1959 創造と開化
             福岡市総合図書館 映像ホール シネラ で上映
[時    間] モノクロ 100分
[観覧基準] 12歳以上 観覧可  
[制 作 者] ハン・ヒョンモ
[制作会社] ハン・ヒョンモ(韓N模)プロダクション
[制 作 費] 
[D V D] 日本発売なし
      韓国版(2006-12-21発売)廃盤
[日本字幕] 福留友子
[レンタル] 
[H    P] 
[撮影場所] プサン(釜山)
       ヨンド(影島)橋
       ソンド(松島)
[M-Video] 
[You Tube] https://www.youtube.com/watch?v=cVxQGfWDBR8

[Private ] なし

[お ま け] ・作品解説(映画評論家 キム・ジョンウォン)
      
        この映画は,封切り当時,「新しい企画として斬新,簡潔な内容と画面を実現した
        本格的な明朗爆笑大作」として分類された。

        ミュージカルの要素が加味されたこのコメディ映画は,韓国映画史として朝鮮戦争
        以後に作られた最初の本格コメディ映画と評価される。

        映画の中では,当代大衆に大きく愛された大衆歌謡である<別れの釜山停車場>,
        <新羅の月夜>などの歌が流れ出て,私たちの郷愁を刺激するが,映画では,キム
        ・ヒガプが歌う。

        映画の背景では,当時前後のプサン(釜山)の生活像などを見ることができる。

        また,<新羅の月夜>などの作曲家として有名なパク・シチュンが,映画の中で医
        師役でカメオ出演している。

        また,映画の前半部にパク・シチュンと一緒に歌を歌う看護師3人が見られるが,
        彼女たちは,当時,<エジャ,スクチャ,ミンジャ>として人気があった女性トリ
        オ歌手(キムシスターズ)だ。

        また,映画のタイトルバックが漫画で,非常に興味を引くことになるが,当時,京
        郷新聞に連載された時事漫画<トゥッコビ(ヒキガエル)>で有名なアン・ウイソ
        プの作品だ。

        このように映画<青春双曲線>では,その当時の色々な大衆文化の色々な様相を見
        ることができる。

        喜劇俳優として活発に活動したコメディアン ヤン・フンの実質的な映画デビュー
        作であるわけだが,ヤン・フンは,以後,ヤン・ソクチョンと一緒に<痩せぽっち
        とデブ>として韓国映画史の代表的な喜劇俳優として活発な活動をすることになる。



      ・楽劇の映画化,大衆娯楽と映画の結合(チョン・ジョンファ)

        ヤン・フン,ヤン・ソクチョン,キム・ヒガプなどの喜劇俳優を出演させて,韓国
        最初のコメディ映画を標榜した作品

        当代最高の興行士であったハン・ヒョンモ監督の映画的感覚とジャンル的関心を覗
        くことができる映画で,彼のフィルモグラフィー上,<運命の手>と<自由夫人>
        の間に位置する。

        金持ち家の兄妹が,貧しい家の兄妹とクロスで恋愛をしながら,望ましい人間とし
        て成熟し幸せな結婚に達するというのが概略のあらすじで,ここでは身分の根本的
        な差さえ特別問題にならない。

        むしろ映画は,単純なように見えるほど貧しい家の主人公兄妹に肯定的な価値を付
        与する。

        実は,この映画の関心は,このようなあらすじや主題にはない。

        それよりは,コメディとミュージカルのジャンル的要素を十分に活用して,映画的
        面白味を増加させるところに関心を集中しているのだ。

        これは,二人の男性主人公を食べ過ぎて故障が生じた金持ちの家の息子と,あまり
        に食べられずに故障が生じた貧しい家の息子としてコミカルに設定している基本人
        物構成によく表れている。

        ミュージカル的な要素も娯楽的な性格を強化するために導入されている。

        すなわち,序盤部に医師に扮するこの映画の音楽監督パク・シチュンのギター伴奏
        に合わせて看護師たちがポップソングを歌う場面が出てくるが,この場面は,話の
        流れとは関係がなく,ジャンル的な興味を引くために挿入された。

        中盤部で背負子(しょいこ)屋に扮するキム・ヒガプが出てきて,歌謡メドレーを歌
        うのも同じことだ。

        このようなジャンル的な要素が娯楽性を十分生かし,映画に愉快で楽しい雰囲気を
        吹き込んでいる。

        十分に50年代最高の娯楽映画と呼んでも良いだろう。



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