輝国山人の韓国映画
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15年ぶりにたった一日の休暇が許された無期囚の父と,顔もよく記憶していない思春期の息子の胸ときめく出逢いを描いたドラマ
▼D−7日 あと一週間になりました。私は,罪を犯した代価として一生を監獄で送らなければならない無期囚です。今日,私に奇跡のようなことが起こりました。神様が私にくれた最後の贈り物のように,国が一日の休暇を許諾したのです。私にも「待つ」という切実な希望ができました。たった一日ですが,いよいよ息子に会いに行けます。
▼D−5日 父が来るそうだ。今日,思いがけない手紙が到着しました。その人が来ると書いてあります。私の父。彼は殺人者です。彼の顔も,声も,臭いも,全く思い出しません。父は,私の日常では名前だけの存在です。
▼D−4日 「ハイ〜,よろしく!」「完全に嬉しい!」パク刑務官が,新世代対話法を教えてくれました。「久しぶり」「完全に嬉しい」 慣れなくてぎこちないが,息子と話を交わすなら習っておいた方が良いと思います。世の中で最も特別な私の息子。したい話がとても多くて,一日中頭の中をぐるぐる回ります。「申し訳ない,愛してる,ありがとう」一つ一つ胸中に刻みつけながら念を押すように準備してみます。
▼D−2日 三次元方程式,根の公式。公式を覚えれば気持ちが楽になります。とても恐ろしいです。彼の顔をどんな風に見ればいいのでしょうか。おばあさんは,私が父と似てなくて幸いだと習慣のようにいいました。痴呆のおばあさんは,息子がくるという便りにも目だけパチパチします。その人が来るようになるまで,もう二日しか残っていません。
▼あと一日過ぎれば,息子に会えます。考えるほどに胸が張り裂けるようにときめいて震えます。しかし一方では,実際に息子の顔を見て,何の話から始めるべきかわかりません。たった一日,息子と一緒に何ができますか。とっても会いたいのに,息子の顔が浮かびません。1分1秒がとてものろく流れます。息子に会うまでの一週間という時間が,今までここで送った15年よりもはるかに長く感じられます。
[制 作 年] 2007年 [韓国封切] 2007年5月1日 [観覧人員] [原 題] 息子 아들 [日 本 題] My Son 〜あふれる想い〜 [日本公開] [英 語 題] My Son [ジャンル] ドラマ [原 作] [Producer] イ・ウナ、キム・ジニョン [脚 本] チャン・ジン [監 督] チャン・ジン [第7作] [助 監 督] アン・テジュン [撮 影] チェ・サンホ [照 明] イ・ビョンフン [編 集] キム・サンボム、キム・ジェボム (キム・サンボム編集室) [音 楽] イ・ビョンウ [美 術] キム・ヒョシン [武 術] [出 演] チャ・スンウォン → イ・カンシク 無期懲役囚 リュ・ドックァン → イ・ジュンソク キム・ジヨン → 老母 イ・サンフン → パク刑務官 イ・ムンス → 刑務所長 イ・ハヌィ → 神父 チャン・ジェソク → 収監者 [チャン・ジン監督の実父] コン・ホソク → 収監者 イ・チョルミン → 収監者 キム・ハッキュ → 収監者 ペ・ソンイル → 収監者 チン・ウォン → ウリ → ミミ ソウ → ヨイル チャン・ヨンナム → 矯正幹部 キム・ヒョンジュン → 矯正幹部 特別(声)出演 チョン・ジェヨン → 父ガン(雁)の声 ユン・ユソン → 母ガン(雁)の声 コン・ヒョジン → 娘ガン(雁)の声 シン・ハギュン → 叔父ガン(雁)の声 ユ・ヘジン → 隣りのおじさんの声 [受 賞] 2007 第15回 利川春史大賞映画祭/男優演技賞(チャ・スンウォン) [映 画 祭] [時 間] 103分 [観覧基準] 全体観覧可 [制 作 者] カン・ウソク [制作会社] KnJエンターテイメント [共同制作] Film it Suda [制 作 費] [D V D] ファインフィルムズ(DVD 5,040円)2009年5/1発売 [レンタル] あり [H P] http://www.myson2007.com/(韓国) [撮影場所] [M-Video] チャン・ジェヒョン <一日> [Private ] K-DVD【36】 J-DVD【36】 ★★★★☆☆ [お ま け] ・ネタバレになるので,一部配役を書いていません。 ・見たい方は,画面の何もないところ(黒い背景)を右クリックして<ソースの表示> で見てください。 ・脳卒中で言葉を失った無期囚老人役で出演したチャン・ジェソクは,チャン・ジン監 督の実父だそうです。 ・エンディング・クレディットに出てくる数々の写真は,この映画の監督,俳優,スタ ッフたちの家族写真だそうです。