白雪姫のすべてを見る

ディズニーはやっぱり半端じゃない

最近のLDリリースはボックスものが花盛りという状況だが,これは必ずしも市場に活気があるというわけではない。むしろDVDの登場でいかに差別化を図るか苦労してるな〜という印象の方が強い。そこでコレクション性の強い商品企画でソフトの買い換え/買い足し需要を掘り起こそうとしているのだろう。アニメの例を挙げるまでもなく,マニアの購買力はバカにできない。

ひととおりのタイトルが出尽くした今,求められるのはやはり魅力ある企画。そういう点でボックスものはまだまだ先が楽しみな分野だ。通常のタイトルに比べて値が張るだけに発売元のこだわりが勝負の分かれ目である。

ボックス企画は我々サプルメントマニアにとっては非常に重要な分野だが,いろいろ見てくるとやはり作り手側のやる気が現れているタイトルは中身が濃い。中でもディズニー系は収録内容が非常に充実しており,できればすべてのタイトルでスペシャル・コレクションのボックスを出してほしいくらい。そこで一例として「白雪姫」のボックスを見てみると……。

白雪姫への長い道

かつてLD誕生当初でまだタイトル数そのものが微々たるものだった時代,名のある作品がリリースされるたびに我々はこのメディアの充実を喜んだものだが,それでもディズニー作品の入手はまだまだ夢の彼方だった。当時はいつディズニーがLDにそのタイトルを解禁してくれるかいろんな噂が飛び交っていたものだ。

コレクターたちはディズニー作品に限らずビッグタイトルの登場に飢えていた。「風と共に去りぬ」の日本版LDなどは逆に本国アメリカのファンたちが取り寄せて見ていたということだ。本国より先にリリースされたからだと聞いた覚えがあるが,このあたりはちょっとうろ覚えで自信がない。当然日本語の字幕がついているのだが,コレクターたるもの,自分の目に命じて画面から字幕を消去するくらいわけはない。ほしいタイトルのためにはその程度の超能力?などいくらでも発揮できるのがコレクターというものだ。

話を戻そう。そういう初期の熱気はやがてソフトの大量リリース時代を迎え,コレクター至福の時代がやってきた。ディズニー作品も続々登場し,ついには秘蔵っ子の「白雪姫」までも入手することができるようになった。まったくよい時代になったもんだ。そして本編のみならず様々な映像特典を収めたスペシャルコレクションの時代が到来し,ファンたちは夢が実現する瞬間を迎えることになったのだ。

幸せなお買い物

このスペシャルコレクション版「白雪姫」にはおよそこの作品に関するありとあらゆるものが詰め込まれている。サプルメントマニアにとってはまさにこういう企画を待っていたと感涙にむせぶこと必至の充実した内容である。

CAV仕様の本編に加えて数々の貴重な映像資料,音声のコレクション,美麗な解説書(絵だけではなく字が多いということはそれだけで充実度を感じさせてくれる,などと言ったら笑われそうだ。単純ですね〜と。でも実は本音である)や初公開時から最近のリバイバル時までのオリジナルアート集などオマケ類も豪華。同じディズニー系のボックスでも初期のものはここまでの充実度はなかった。やはり時代と共にユーザーニーズはどんどんディープになっているのだろう。コレクターの欲求がエスカレートするのはまあ当然といえば当然か。

いずれしろこのスペシャル・コレクション版「白雪姫」はファンそしてコレクターの所有する喜びを最大限に愛撫してくれる内容で,数あるボックス企画の中でも屈指の充実度といえる。そういった喜びはまともな映画ファンから見れば子供っぽい感情に過ぎないかもしれないが,好きな作品のプラスアルファまでも所有したいのがコレクターというもの,小市民的な体裁など1000光年の彼方に捨て去って今僕はここにいるのである。

サプルメント映像を見てみると

ではこのセットのサプルメントセクションを見た感想はどうか?内容はかなり多岐にわたるので特に印象に残った部分について感じたことを挙げてみよう。

「白雪姫」サプルメントを見て その1

「白雪姫」サプルメントを見て その2

細かく挙げていけばキリがないほど盛りだくさん,加えて同梱の印刷物の方もみっしりと中身が詰まっていて,おそらくこのボックスのすべてを見分し尽くすころには誰もが「白雪姫」評論家になれるのは間違いない。アニメーション全般はもちろん,映画やハリウッドの歴史そのものに関しても興味ある人には必携のセットだ。