探し物は何処に

探し物あり

インターネットの普及でたいていのことはオンライン上で調べがつくようになった。これは確かにありがたい。分厚い百科事典がCD-ROMやHDDに収まるようになったときにも「あー,こりゃ便利」と思ったものだが,今ではそれをはるかに凌ぐ情報がディスプレイの向こうに広がっている。

ただし,ご存知のようにネット上の情報は玉石混淆だ。宝石もあればクズ石も山ほどあるという混沌の世界である。パッケージとしてその中身が保証されている百科事典などと違って,自分で価値あるものを選り分けなければならない。サーチエンジンを上手に使う能力はこれからの知的生活の必需品だ。

でもねえ,マーフィーの法則じゃないけど,探したい情報に限って見つけられないんだな,これが。

映画やビデオに関しても,今は Internet Movie Database や内外の同種のサイトのおかげでたいていのことは確認できる。けれど上手く探し出せないことも多々あって,そうするとこれがけっこうもやもやのタネになったりするのである。

で,ときどき思い出して再チャレンジしたりするのだが,それでも結果が出ないと更に悶々としてしまう。うう〜。最近も何度目かの挑戦をしてあえなく跳ね返されてしまった"調べ物"がいくつかあるのでちょっとだけご紹介しよう。いや,たいしたことじゃないんだけどねえ。

PROPER NARRATOR

先にも述べたように,今ではネット上の映画関連データベースのおかげで映画に関する様々なデータはたいてい調べがつく。しかし,それは映画本編に限ってのことだ。これがメイキングや予告編に関してとなるととたんに難しくなる。

以前からハリウッド映画の予告編を見ていて気になっていたのがそのナレーターの声である。みんな同じ声に聞こえるからだ。あのちょいとドスの利いた低い男性の声,誰でもすぐに思い浮かぶだろうあの声である。もちろん全部が全部というわけではないが,思い当たるフシはあるんじゃないかな。

でもまさかなあ,いくらなんでもほとんどひとりでなんてことは,と思っていたらホントに同じ人がやってるらしいとわかってびっくり。僕だけの妄想じゃなかったんだねえ。あの人材豊富なハリウッドで,なんでまた同じ人にばかりやらせるんだろうと不思議に思うが,そこは複雑怪奇なショウビズ世界,きっと僕たちにはわからない事情があるんだろう。

それはそれとして,こんなサイトを開いている身としては話のタネにそのナレーター氏が誰なのか,せめて名前だけでも調べられないかなと思ったわけだが……。

これがわかんないのである。

誰かがとうに書いているだろうと思ったんだが,探し出せない。いや絶対どこかに記述があるはずなんだが,致命的なのは僕が英語はてんでダメという点だ。インターネットは英語の世界だからね。それでも Hollywood,movie,trailer,proper,narrator とそれらしいキーワードで探ってはみるのだが,予告編では専門のナレーターによってナレーションが吹き込まれうんぬん,という記述くらいしかヒットしなかった。いや読み進む気力がなかった。悔しい話である。

WHO'S THAT GIRL

もうひとつ,前から気になっていたのが,マドンナ主演の「WHO'S THAT GIRL」のオープニングに登場するアニメ版のマドンナだ。このシークエンスを担当したスタッフと特にあのキュートなキャラクターデザインは誰の仕事だったのか,今でも制作時の裏話など聞きたいもんだと思うことがある。

アニメーション好きとしてはあれはなかなか気になる仕事だからだ。

でもこれもズバリという記述を見つけられないでいる。どこかにちゃんと書かれているはずとは思うのだが,たどり着けないもどかしさでなんだか変な気分だ。やはりウェブの英文がさくさく流し読みできるくらいでないと難しいと感じる。

これを書いている途中でも,もしかしてと再度検索してみると入力した全部のキーワードにヒットしたページがあって一瞬「おおっ」と思ったのだが,なんのことはない,僕自身のページだった。がっくり。

でも某所でこのキャラクターのGIFアニメを見つけたので今回はよしとしよう。

我が心に安息を

前出の二つは僕の未熟な検索の一例だが,そんなの簡単だよという達人がいらっしゃったら是非ともご教示願いたい。むろん,心から賛辞を捧げさせていただくことをここに誓う。

その他にも気になっているものはいくつかあるのだが,いずれも他の人にとっては全く何の意味もない些細なことである。それがわかったからといって誰かがよい思いをするでもなく,このサイトが急に充実するわけでもない。

しかし,おわかりいただけると思うのだが,その些細なことが解決したときのスッキリ晴れ晴れした感じというのはなかなか爽快である。小さな開放感,そして痛くはないけど気になっていた爪先のトゲが抜けたような気分だ。言葉にすれば「ああ,そうだったのかぁ」で済んでしまうんだろうけどね。

そんなわけで,ときどきふと思いついては小さなトゲ抜きの旅,いや探索の旅に出かけるのだが,何しろ広大な電脳世界,どこかに必ずあるとわかっていても答えにたどり着けなくてちょいとシャクな思いをすることも少なくない。

このくらい日本語ページでも簡単にヒットしそうなもんだがなと勝手なことを思いつつ,でもこんなこと誰も興味を持たないから見当たらないんだろうなと苦笑する。検索道は奥が深い。我が心の安息もその先にあるのだが。