実物よりキュート!アニメ版マドンナ

■フーズ・ザット・ガール■

何かと話題の多いあのマドンナ。最近はアカデミー賞のプレゼンターでの態度がどーたらこーたらとか,顔にアザを作ってマスコミの前に現れたとか,まーいろいろネタの多い女性だ。しかしこの業界では話題の多いこと,有名であること,メディアへの露出が多いことは決して悪いことではない。ビッグな証拠である。かの国亜米利加ではメジャー指向は正義なのである。

さて,彼女は女優としても何作か映画に出ているが,「フーズ・ザット・ガール」に注目だ。87年作。ん?そんなに傑作だったかって?いやがんばったご本人には申し訳ないんだけど,この作品は本編よりもオープニングタイトル部分が出色なのである。

実はこの部分,アニメになっている。それも実にキュートなアニメキャラクターのマドンナだ。当時の彼女のビデオクリップで見た覚えのある人も多いだろう。LDでは当然のことながら開巻の部分である。サイド1の0分25秒とでも言っておこうか。ワーナー・ブラザースのおなじみWBのロゴを押し開けて登場するアニメ版マドンナのキャラクターはもう最高である。

軽快なCAUSING A COMMOTIONの曲にのって展開するこのシークェンスは,よく見ると映画本編の状況説明になっている。うまい。しかしそう感じるのもこのアニメーション部分の出来がすばらしいからである。いったい誰がキャラクターデザインをやったのか知らないが,このデザインは掛け値なしの傑作だ。この数分だけで埋もれさせるのはあまりにももったいない。独立して売り出せる秀逸なキャラクターである。現代版ベティ・ブーブの資格は十分にあると思う。

エンディングのクレジットを見ているとTitle Sequenceby Broadcast Arts Inc.という表示が見えるが,もしこの会社?がこの傑作キャラの生みの親なら尊敬してしまうなあ。以前インターネットで調べてみたときには判らずじまいだった。どなたか詳しいことをご存じであればぜひご教示いただきたい。

現在この作品のLDは中古市場では非常に廉価で入手できるが,このオープニングのためだけに買っても損はない。海外のアニメーション作家の作品集を買い求めるような人であれば,絶対にコレクションに加えておくべきである。

この3分間を僕は950円で買った。よい買い物であったと満足している。

フーズ・ザット・ガール NJL-11758
発売元(株)ワーナー・ブラザース映画会社