ロゴマークを"ほどほど"に楽しむ

ロゴマークの嵐

最近の映画やそのビデオで目に付くのがありとあらゆるロゴマークの嵐である。まず映画本編が始まる前に立て続けにロゴマーク攻撃を浴びなければならない。ドルビー社のもんのすごく派手なサラウンドのロゴ(映画本編より派手だったりする)なんかおなじみだね。あれは派手だよねー。

ただのラブストーリーを見るのにそこまでデモらなくてもよかろうに,などとついつい皮肉ってみたくなるもんな。

もちろんこれだけじゃない。映画会社のロゴや,配給/制作に絡んだプロダクションのロゴ,ビデオリリース会社のロゴなど4つ5つ並ぶのはザラである。劇場版エヴァンゲリオン完結編なんかこのロゴマーク攻撃がすごかった。

会社の顔ではあるんだな

やりすぎはちょっと勘弁してほしい。しかし,これがなきゃあ始まらないというおなじみのロゴももちろんある。映画本編の一部でもある映画会社のロゴなんかは格別だ。なんといっても歴史があるのでこれを見ると条件反射的に鑑賞体勢に入ってしまう。開幕のベルと同じだ。

この映画会社のロゴも時代とともに変わってきてはいるが,会社の顔でもあるので大幅に変更されることは少ない。同じデザインを少しずつカッコよく手直ししていく,という感じだ。

たとえばユニバーサル映画のロゴは地球の周囲をUNIVERSALの文字が回っているというものだが,最近のものではカメラアングルが変わってよりダイナミックになっている。何しろ今はCGでどんな映像でも作り出せる時代だ。派手になるのは当然か。

ワーナーの方は空に浮かぶWBのマークだが,これは特に派手なアニメーションなどなくても美しくて僕は好きである。このワーナーのロゴマークをぎいっと押し開けてアニメ版のマドンナが登場する「フーズ・ザット・ガール」のオープニングはケッサクだった。最近はこんなしゃれたオープニングが少なくなってちょっと残念だ。

トップガンの思い出

パラマウントのロゴは山の頂を星マークのわっかが囲むやつだけど,これも時代とともにちょっとずつ変わっている。映画「トップガン」を見たとき,最初は画面中央に山だけがあり,手前の方から星マークが一列に編隊飛行して山の頂をぐーっと回転するように囲む,というパターンになっていた。

おおー,ちゃんと戦闘機の映画に合わせてあるのか,しゃれてるじゃないかーと感動したのだが,どうやらこれは僕の勘違いだったようで,他のパラマウント作品でも同じパターンが使われているのだった。ちぇー。

山ほどのロゴにも注目

最近の映画はたっぷり5分はある長いエンディングロールばかりで,人によっては辟易しているかもしれない。ラスト近くになってドルビーのロゴが出てくると「やれやれやっと終わりか」と思う人もいろだろう。

このエンディングロールも最初はメインのキャストやスタッフ,次に小さなパートを担当したその他大勢が延々と(しかも撮影ユニットごとに)続き,劇中使用曲の版権表示が流れて最後近くになると協力した企業のロゴが続く。でもってドルビーとかパナビジョンその他のトレードマークが出てやっと終わり。モノラルのLDなのにここでドルビーサラウンドの表示が出たりすると悲しいものだ。

最近見た「VISITOR」という日本製のCGアニメでは,この企業ロゴの部分,スクロールの途中でロゴマークが文字の企業名に変わっていくという演出になっていてちょっと面白かった。何分間もスタッフロールが流れるならこんな風にいろいろ工夫してもらいたいものである。

次なる展開は

このままロゴマークが増えていった場合,次にくるのは個人ロゴマークの表示ではないかと妄想している。現にオープニングに登場する数々のプロダクションロゴマークはそれに近いはずだ。次の段階ではここに監督のロゴマークとか主演女優のロゴマークが美しいCG画像で登場するかもしれない。

銀河の彼方から一条の光とともに輝かしいポリゴンの物体が飛んでくる。一瞬七色に光ったかと思うとむにょーっと変形してスピルバーグの名前になったりするわけだ。ここで観客席からはうおおおーっと歓声が上がるのである。いやはや。

でもって僕たちは延々数分間ものCGタイトル集を見る,という儀式を経てようやく映画本編を見ることができるのだ。エンドクレジットもロゴマークだけが整然と並んでホームページ素材集の画面みたいになる。

うーん,未来的。