サプルメント・マニアにとって予告編は基礎の基礎。しかし何事も奥義は基本の中にあるというではないか。有名作品の予告編をよくよく見れば,亜米利加合衆国聖林産電影群の歴史と影響力をあらためて知ることができる。
映画誕生100周年の企画モノ「栄光のハリウッド映画予告編大全集」(SHLY-503 発売元(株)アポロンクリエイト)で彼の帝国の底力を見分してみよう。
しかしこの3枚組のLDボックス,サプルメント・マニアにとってはまことにうれしい好企画でありながら惜しむらくはあまりにも画質が悪い。悪すぎる。「ごめんね,古いフィルムを集めたんでちょっと絵が不鮮明なんだ,そこんとこ判ってね」という断り書きがあるものの,やはりここは今一歩の努力をしてほしかった。
たとえば「モダン・タイムス」の予告編をチャップリン全集のそれと比較してみる。
あああ,全然クリアさが違う〜
たとえば「オズの魔法使」の予告編を同題LDに収録のそれと比較してみる。
げげげ,バージョン違いとはいえ天地の開きがある〜
たとえば「百万長者と結構する方法」の予告編をLD「帰らざる河」収録のそれと比較してみる。
うわわーん,雲泥の差ではないか〜
ついでに「王様と私」の予告編を最近出たスペシャルコレクション版収録のそれと比較してみる。
ひええ〜とても同じものとは思えない〜
という具合だ。予告編集などという商品を買う人間は,我々サプルメント・マニアのごとき特異な人種に限られていることは初めから容易に想像がついたはずである。マニア相手とわかっている仕事がこれではいけないのだ。
こだわる客には「へへっ,お客さんまだまだ修行が足りませんぜ」というくらいのとんでもない商品を突きつけてほしいのだ。さすればそのメーカーに対するこの客の信頼感と購買意識は絶大なものとして向こう10年は揺らぐまい。こういう商品の企画者には客に対する闘志と勝利への執念をまず望みたいぞ,私は。
さて,予告編100連発の感想である。準備よければここをクリック!