エクソシストの予告編にのけぞる

25周年だよ

ちょっと驚いてしまったんだけど,あの「エクソシスト」からもう25年もたったそうな。73年作だから昨年(今は99年4月)が25周年ということになるのだろうか。自分の中では当時の大騒ぎがかなり明瞭に思い出せるのでまさかそんなに昔の映画になっているとは思わなかった。いやー鏡の中の自分がおっさんになるのも当然だわ。

さて「エクソシスト」だ。ひとつのジャンルの流れを一気に変えてしまう画期的な作品というのがときどき現れるけど,これもまさにそういった歴史的1本だと思う。ホラー映画,ま,当時はオカルト映画と呼んでいたが,それを一挙にメジャーにしてしまった記念すべきタイトルである。この作品で描かれた数々の見せ場が後の同種の作品に多大な影響を及ぼしていることはご承知のとおり。むしろこのジャンルで「エクソシスト」の影響下から脱することこそ至難の業だろう。

おまけも凄いぞ

というわけで「エクソシスト」が世紀末の世に帰ってきた。特典映像てんこ盛りの特別編DVDの登場である。いや〜うれしいね。コレクター冥利に尽きる好企画。DVD版は既にリリースされていたんだけど,今回のは音声も5.1chサラウンドでドキュメンタリーやインタビュー,予告編集など至れり尽くせりの大盤振る舞い。これで3400円だもんなあ,ワーナーさんの太っ腹にはただただ感謝。

でもってさっそく予告編集を見る。「エクソシスト」の予告編というのは以前ハリウッド映画予告編大全集で入手していたのだが,それはものすごく状態の悪い版でボケボケの8ミリか海賊版かというクオリティだった。しかし,今までの例からしてまっとうな状態の予告編は必ず現存しているはずだと確信していたので,今回のDVDではそれも楽しみだった。

案の定,収録されている予告編はいずれも(数バージョンある)良好な画質で「そうだよね〜あると思ったんだ〜」とひとりほくそ笑む。のみならず,ここで凄いものを見てしまったのである。

こわいぞフラッシュバック

それは「リーガン:フラッシュバック編」と題された予告編である。いやこれはもうすごいインパクトだった。おおおおおおおおおおおおおと思わず画面に釘付け状態。モノクロの露光過多みたいなリンダ・ブレアらの顔をフラッシュバック風につないだもので,もうこわいのなんのって。

いままで無数の予告編を見てきたが,インパクトでこれほどのものは滅多にあるまいと断言できる。血の一滴さえ見せずとも恐怖をたたきつけてくるこの予告編,本編に拮抗するほどレベルの高い仕事だと思う。まさに傑作である。これを入手できただけでもこのDVDを買った甲斐があった。

この予告編を作ったのが誰かは知らないが,当人にしても会心の出来ではなかろうか。少なくとも僕には当分忘れられそうにない。

高らかにR指定だ

他にもテレビスポットが何パターンも収められているのだが,いずれもR指定の表示がまるで誇らしげに宣言しているようで頼もしい。ガキんちょは親御さんかアダルトなガーディアンと一緒じゃなきゃダメだよ〜んと書いてあるわけだ。

向こうの連中は恐怖や驚きの表現も肉食人種ならではの大仰さであるから劇場はさぞ阿鼻叫喚の地獄と化したのだろうな。テレビスポットには「劇場のカップル編」なんてのもあってこれは今見るとちょっと笑える。どんな内容かは想像つくと思うが。

まーともかく今回はオマケの予告編だけでずいぶん楽しめてしまった。肝心の本編は時間を作ってゆっくり再見させてもらおう。楽しみじゃ〜。