輝国山人の韓国映画
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コバン村の人々

疎外されたタルトンネ(月の村=貧しい集落)の人々の人生と痛みを扱った社会性濃厚なドラマ。
暗鬱な80年代の映画界に光を与えたペ・チャンホ監督のデビュー作

貧しい村に黒い手袋と呼ばれる若い女が,幼い息子を連れて身分がわからないテソプと再婚して暮らすようになる。義父に反抗的な息子テソプは,自分の途方もない秘密を大事に保管したまま,黒い手袋に生活を頼る。

がめつく生きていく黒い手袋の前に,刑務所をでてタクシー運転手になった前夫チュソクが現れる。黒い手袋をめぐるチュソクとテソプの葛藤と煩悶が彼らを困らせる。

この村で廃人になったようなキルジャは,イエスの意志を実現するため努めるコン牧師の感動的な姿勢を見て思慕するようになる。

結局,黒い手袋は,周囲が破局するや息子と過去の夫をあきらめる。しかし,殺人を犯したテソプが逃避生活中の公訴時効までいくらも残っていないある日,夫を失った純朴な未亡人が村に現れ,テソプの秘密が明らかになる。未亡人の人間愛でテソプは変身し,黒い手袋とチュソクは,息子と共に村を離れる。


[制 作 年] 1982年 [韓国封切] 1982年7月17日 [観覧人員] 101,419人 [原 題] コバン村の人々 꼬방동네 사람들 [英 語 題] People in a Slum [原 作] イ・ドンチョル(李東哲) [脚 本] ペ・チャンホ [監 督] ペ・チャンホ [第1作] [助 監 督] シン・スンス、ヤン・ジェソン [撮 影] チョン・グァンソク(鄭光石) [照  明] ソン・ムンソプ [編  集] キム・ヒス [音 楽] キム・ヨンドン [美 術]  [出 演] キム・ヒラ     → テソプ    アン・ソンギ    → チュソク    キム・ボヨン    → ミョンスク 黒手袋    コン・オクチン   → 特別出演 振付師    チュ・ソクヤン   →     パク・チョンソル  →     ヤン・イルミン   →     クォン・イルジョン →     キム・ジヨン    →     キム・ギョンラン  →     イ・ジェジン    → 児役    パク・ヨンパル   →     チョン・ドンソク  → チュニル 児役    ホン・ソンミン   → 刑事    イ・イノク     →     キム・ヒョンジャ  → キルジャ    ソン・ジェホ    → コン牧師    キム・ソンチャン  →     チョ・ジュミ    →     アン・ジンス    →     ペ・チャンホ    → 声出演       ムン・ミボン    →  [受 賞] 1982 第21回 大鐘賞映画祭/女優主演賞(キム・ボヨン)                    男優助演賞(キム・ヒラ)                    特別賞 新人部門(ペ・チャンホ)    1982 東京映画祭 新人監督賞    1983 第3回 韓国映画評論家協会賞/最優秀作品賞,監督賞    1983 第19回 百想芸術大賞/新人監督賞 [時 間] 108分 [観覧基準] 18歳以上 観覧可   [制 作 者] キム・ウォンドゥ [制作会社] ヒョンジンフィルム [ビ デ オ] 日本発売なし [レンタル] なし [You Tube] https://www.youtube.com/watch?v=bqo7KL2DrMY [H P]  [撮影場所]  [Private ] なし KMDb [お ま け] KMDb(韓国映画データベース)       ・ この映画の原作者イ・ドンチョル(李東哲)が、オープニングで「コバン村の        人々」のタイトルが映る直前、自らの声で登場し、この映画が、さまざまな事情        を抱えながらも仲よく心和やかに生きるコバン村の人々を正直に描いた記録であ        ると明かしている。

 
          <シナリオ 場面表>
         韓国映像資料院(ソウル)
           2023.11.04 撮影

      以下、KMDb(韓国映画データベース)より引用      ・ 当時事前シナリオ審議と完成されたプリント検閲という二重検閲制度で        シナリオ審議の時から数回の修正を経ることになる。      ・ 都市貧民の実際の人生を扱ったこの作品の映画化を望まなかった審議官        は、数回にわたる棄却と返還のすえに60種類余りの修正事項と<コバン        村の人々>という題名を使うなという但し書を付け、シナリオをかろうじ        て通過させた。      ・ 今は消えたクァンミョン(光明)市チョルサン(鉄山)洞のある貧民村        で多くの撮影がされたが、「なぜよりによって貧しく暮らす私たちを撮っ        て行くのか」という住民たちの抗議が激しかったし、夜撮影をするのに古        い発電機を詰め込むと、騒音のために町内の人々が皆眠りから覚めて撮影        チームを追い出したりしたという。      ・ 劇場料金が1,500ウォンだったその時、この作品の制作予算は、製作者が        一方的に定めた8,000万ウォンであったのに、製作費が3,000万ウォンを超過        すると、チュンムロ(忠武路)では、「ベンハーを撮るのか?」という皮肉        を言う声も聞こえてきたという。      ・ 苦労して完成されたこの映画は、検閲委員の目がしらを濡らしたし、「無        修正通過」で無事に検閲を終えたが、海外では上映できないという輸出禁止        措置が下された。       


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