輝国山人の韓国映画
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▼テソク(チェヒ)は,バイクに乗って家々の鍵穴にビラを貼り付けてまわる。そして,ビラが落ちていない家に入り,しばらく住んで出ていく。
▼そのように生きてきたテソクは,ある空き家であざだらけの一人の女に会う。夫ミンギュ(クォン・ヒョゴ)の執着と所有欲のために疲弊し,壊れたまま幽霊のように生きていく女ソナ(イ・スンヨン)。テソクは,彼女を残したまま急いで家を抜け出す。
▼しかし,自分を連れていってと願うような,ソナのむなしい視線をぬぐい去れなかったテソクは,また彼女の空き家へ戻る。そして,そこで夫の強制的な耽溺に,もがいて苦しがるソナを見てしまう。耐えられない光景の前に,テソクは,思わず手にした3番アイアンのゴルフクラブを振り回し,ソナを救って逃げる。
▼テソクがしてきたように,一緒にビラを貼り付けて空き家を探してまわる二人。散らかった空き家を,まるで自分が住んでいたかのように,きれいに片づけ,壊れた物を直すテソクを見て,ソナは,初めて自分が空き家でない家にいるような温もりを感じる。テソクは,少しずつ笑いを取り戻すソナに,ますます惹かれるようになる。
▼そんなある日,偶然に見つけた空き家で,冷たく捨てられた老人の死体を発見した二人は,心を込めて葬儀を行い,空き家での幸せな時間を夢見る。しかし,老人の息子が押しかけて二人は警察に連行される。そして,ソナの身元を把握した警察は,テソクに拉致と殺人,無断家宅侵入という容疑をかける。
暴力的な夫に監禁された無気力な女と,空き家を転々とする青年の間に生まれた愛の物語
[制 作 年] 2004年 [韓国封切] 2004年10月15日 [日本公開] 2006年 3月 4日 [観覧人員] 34,121人(ソウル封切館基準) [原 題] 空き家 빈 집 [英 語 題] 3-iron [ジャンル] ドラマ [原 作] [Producer] ソ・ヨンジュ,カン・ヨング [脚 本] キム・ギドク [監 督] キム・ギドク [第11作] [撮 影] チャン・ソンベク [照 明] [編 集] キム・ギドク [音 楽] Michael Nyman,スルヴィアン(イ・スンウ,イ・ヨンボム,キム・ウグン) [美 術] キム・ヒョンジュ [出 演] イ・スンヨン → ソナ チェヒ → テソク クォン・ヒョゴ → イ・ミンギュ ソナの夫 チュ・ジンモ → チョ刑事 チェ・ジョンホ → 看守 イ・ジュソク → 老人の息子 イ・ミスク → 老人の息子の嫁 ムン・ソンヒョク → ソンヒョク 韓式家屋の夫婦 パク・チア → チア 韓式家屋の夫婦 友情出演 チャン・ジェヨン → ヒョンス ボクサー リ・ダヘ → チウン ボクサーの妻 キム・ハン → オフィステルの男 オク・チンゴン 写真作家 友情出演 パク・セジン → オフィステルの女 パク・トンジン → イ刑事 イ・ジョンソプ → 旅行の夫 イ・ウィス → 旅行の夫人 リュ・ジョンファ → 旅行夫婦の息子 カン・ソンフン → 事故女ミヨンのボーイフレンド [武術指導] チョン・ソンフン → 囚人1 チャン・ジヨン → 囚人2 キム・ヒョンソン → 囚人3 チャン・フン → 睨む男 チャン・ソクピン → 鑑識班1 [ラインプロデューサー] キム・ヒョンソク → 鑑識班2 シン・テソク → 警官1 イ・ホンソク → 警官2 イ・ビョンフン → 警官3 パク・ナンミン → 警官4 [受 賞] 2004 第25回 青龍映画賞/新人男優賞(チェヒ) 2004 第24回 韓国映画評論家協会賞/脚本賞 2004 第61回 ヴェネチア国際映画祭/最優秀監督賞(銀獅子賞) 同非公式賞/未来批評家(Premio Agiscuola Leonlino d'Oro)賞 国際映画評論家協会(FIPRESCI)賞 世界カトリック協会 (SIGNIS・World Cat holic Association for Communication)賞 2004 第9回 釜山国際映画祭/アジア映画振興機構賞(NETPAC賞) 2004 第8回 エストニア タリン ブラックナイト国際映画祭 コンペ部門 特別審査員賞 2004 第49回 スペイン バリャドリッド国際映画祭/ゴールデンスパイク賞 2005 第53回 スペイン サンセバスチャン映画祭 国際批評家協会 グランプリ [映 画 祭] 2005 第7回 アルゼンチン ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭 2005 第48回 米国 サンフランシスコ国際映画祭 ワールドシネマ・セクション [時 間] 88分 [観覧基準] 15歳以上 観覧可 [制 作 者] キム・ギドク [制作会社] キム・キドクフィルム [共同制作] シネクリックアジア [制 作 費] [ビ デ オ] ハピネット・ピクチャーズ(DVD 3,990円)2006/08/25発売 [レンタル] なし [H P] http://www.herald.co.jp/official/utsusemi/(日本) [撮影場所] [Private ] K-DVD【44】 J-DVD【6】 ★★★★☆☆ [お ま け] ・日本の映画会社ハッピーネット・ピクチャーズの投資を受けて撮影された。 ・主演のチェヒは,セリフが一つもない沈黙の演技で,イ・スンヨンも,セリフは 数回だけ。 ・早撮りで有名なキム・ギドク監督は,今回も全130シーンを13日で撮影した そうだ。 ・発売されたDVDには,撮影13日間の記録映像<「うつせみ」ができるまで> が特典映像としてついている。 ・前作のサマリアで第54回ベルリン国際映画祭最優秀監督賞(銀熊賞)を受賞した ことに続き,この作品で第61回ヴェネチア国際映画祭最優秀監督賞(銀獅子賞) を受賞するなど,世界3大映画祭のうち2つの映画祭で続けて監督賞を受賞する 記録を打ち立てた。