マリリン・モンローのテーマソング

■お熱いのがお好き■

これは僕の個人的な感慨なんだけど,マリリン・モンローという女優さんの魅力はライトなコメディ映画でこそ最も輝いているのではないだろうか。

だから彼女の魅力全開という点で「七年目の浮気」と「お熱いのかお好き」は双璧だと思っている。これは皆さん異議のないところじゃないかな。僕自身は「七年目の浮気」派なんだけど,それはもう僅差も僅差,99対98っていうくらいの好みの差であってとても優劣なんかつけられない。

実際,2本並べて見てみれば,マリリンの可愛らしさはもう言語道断もいいところで,どっちか選べと迫られても「それは無理」と言うほかない。自分が彼女よりうんと年上になってしまった今では尚更だ。

さて,その「お熱いのがお好き」,ビリー・ワイルダー監督の手になるコメディ映画史上最高傑作とも称される作品だ。今さらストーリーをくだくだ書くような野暮なことはしないぞ。今じゃDVDがあるので未見の方は迷わず購入されることをお勧めしておく。面白さは保証付きだが,加えてこの映画ではマリリン・モンローのテーマソングとでも言うべき超有名曲が聞ける。

彼女は歌手としても数々の名曲,名パフォーマンスを遺しているが,その中でもマリリン・モンローのテーマソングと言ってもいい,おそらく世界で最も知られた曲のひとつ(決してオーバーではない)がこの映画の中で彼女が歌う「I WANNA BE LOVED BY YOU」だ。

音楽を文字で紹介するのはもどかしい限りだが,たとえこの映画を知らない人でもこの曲を聞けば即「ああ,これかー!」と納得できるはずだ。そのくらいマリリンのイメージと結びついている名曲である。

名曲という点ではスローな「帰らざる河」もすばらしいし知名度も高いが,20世紀を代表する偶像としてのマリリンのイメージはやはりこの曲ではないかな。人類共通の基礎教養のひとつだね。

DVDではチャプター9の69分22秒あたりから。モンローは歌手としてもベストアルバムを一枚持っておくべき存在である。ちゃんとCDが出ているので入手しておこう。ケネディ大統領のために歌った有名な「バースデイソング」なんかも収録されているぞ。

ちなみに,このDVDにはテレビ放映時の向井真理子,広川太一郎らベストキャストによる吹き替えも収録されていてうれしいのだが,テレビ版でカットされた部分には吹き替えがないのが悔しい。通して見ると,カットされた部分がけっこう多かったんだなーとあらためて実感した。

お熱いのがお好き 特別編 GXBA-16221
発売元(株)20世紀 フォックス ホーム エンターテインメントジャパン