レベッカはLDの中にいる

■REBECCA IN FILMS■

先日,元レベッカのボーカルNOKKO(本記事執筆時はのっこ……ひらがなだといまいちなじめないなあ)のドキュメンタリーをテレビで見た。

「レベッカはリバティの中にいる」なんてCMが昔あったけど,うーむ,連中が活躍していた時代からもうずいぶん経ってしまったなあ……。などと中年らしい感慨にふけりながら見ていたのだが,そういえばLDがメディアとして元気バリバリだった頃は彼らのビデオクリップ集やライブのLDをよく買っていたものだ。むろん今でも大事に持っている。

で,レベッカといえばヒット曲はいろいろあるが,個人的には「フレンズ」が好きだ。最近もドラマのテーマソングに使われたりしていたが,やはりこれは名曲だと思うよ。それにこの曲のビデオクリップはなかなかの出来なのだ。

彼らの最初のビデオクリップ集「REBECCA IN FILMS」は確か87年頃のリリースで,4曲約20分収録で5800円であった。今の感覚では高い買い物に思えるが,当時のLDの価格からするとそれなりにリーズナブルなお値段なのだ。その証拠に店頭では飛ぶように売れていた。

「フレンズ」はサイド1のチャプター2。4:3より16:9画面で見た方が心地よい映画風の作りで,バンド仲間から飛びだした女の子が街をさまよった後,決心してまた仲間のところへ戻ってくるというようなストーリーになっていた。

ここで見られるファッションやステージ風景がすでに古びているのか今でも現役なのか,僕のようなローセンスな人間にはわからない。しかし,時々引っぱり出して見るたび「うん,やっぱいいよな〜」と感じるところをみると,僕自身はこれがたいそう気に入っているわけだ。

最近(今は99年12月)彼らのビデオクリップを集めたDVDが発売され,それはそれでとてもうれしかったのだが,実はこの「フレンズ」のみ旧LDとは別バージョンになっている。どっちがよいかは個人の好みだが,僕にはLD版の方が1本の作品として数段完成度が高いと感じる。

LD「REBECCA IN FILMS」は短いながらもきっちりと明確なコンセプトで作られており,特にエンディング部分でトータルな完成度の高さが感じられる演出になっている。DVD版はそれをバラして再構成しているため,オリジナル版のカラーが薄れている気がするのだ。オリジナルは下手にいじらない方がいいんだけどなあ。

このLDはもはや中古市場をうろつかないと入手困難だと思うが,「フレンズ」のビデオクリップはぜひともLD版で持っておきたいところだ。

REBECCA IN FILMS 58LH125
発売元(株)CBS/ソニー