ナマケモノの記

回顧その1

明けて2004年,1月も半ばを過ぎると年末年始の特別な気分ははるかに遠く,ただの日常がでんと横たわっているのみです。このHPを始めたころはクリスマスにお正月,暑中見舞いに秋の便りといった具合にこまめにごあいさつしていた気がするのですが,最近はすっかりナマケモノに徹しています。どうもこれが本性みたい。

あまり放っとくとこのまま年末までズルズルといきそうなので,せめて雑記でもと思ってキーボードに向かっています。

先日気がついたのですが,昨年は恐ろしいことに一度も映画館に行った記憶がありません。仮にも映像関連のサイトをやってる人間にはあるまじき堕落ですね。確かにホームシアターで大きなスクリーンを使っていれば,下手な劇場よりマシというケースも少なくないのですが,やはりこれは本道をちょいと踏み外している気もします。

今年は心を入れ替えて意識的に劇場に向かおうと思っています。視力がすっかり落ちてしまって「マトリックス」のような暗い画面の映画はつらいのですが,映画館の空気には独特の魅力がありますからね。

回顧その2

昨年は懐メロにハマった1年でした。もともと懐かしめのCDを買う傾向にはあったのですが,ノスタルジイに足を取られると泥沼になりそうで気をつけていました。でも落っこちるときはあっという間。

きっかけは何だったかなあ。確かルー・クリスティの「魔法」って曲をふいに思い出したのがそうだったような気がします。あのいかにも昔のAMラジオのポップチャート向きって感じのメロディ,覚えてる人いますか?

こういうの気になってしまうとどうしても聞いてみたくなるんですよね。しかも今はアマゾンでさっと検索できてしまうので,ついつい「カートに入れて」しまうわけです。便利だけど,踏みとどまる気力がないとたいへん。もしアップルのiTunes Music Storeが日本でも営業するようになったら僕なんか危ないなあと思っています。すぐボチッといきそうで。

年末最後になってやはり急に聞きたくなったのがデオダートの「ツァラトゥストラはかく語りき」や「ラプソディー・イン・ブルー」で,やっぱり衝動的に買ってしまいました。今さらあれを聞いてどうこうってことはないんですが,とりあえず買って安心というか,手元に届いたときは「気が済んだ」って感じでしたね。

回顧その3

昨年は実はDVDを買うペースもがっくりと落ちてしまって,これは自分でもけっこう意外でした。まあ,お小遣いが厳しいこともあるのですが,LD時代からこっちのコレクションにはかなり入れ込んでいたのでまさか月1枚ペースにまで落ちてしまうとは思いませんでした。

廉価版もたくさん出ているので,欲しいものはいろいろあるのですが,なんだかその気になれないって気分なのです。後でもいいやという気分。どうせお店の棚にはどっさり並んでいるのだし,なんてことを考えたりします。何も自分の家の棚に並んでいる必要はないじゃないかと。

これは他のコレクションでもたまにあることなんですが,入れ込んでいるうちに急に飽和してしまう瞬間が訪れることがあるんです。エアポケットにはまったみたいに。ずっと買い続けていた雑誌などを途切れさせてしまうのはこんな時ですね。

こういうのは言ってみれば飽食の一種なので,またお腹が空いてくるまでしばらく放っておくことにします。最近このHPの更新が遅くなっているのはたぶんこれが影響してるんだと思いますが,なにぶん気分の問題なので当分はスローペースにおつきあいください。

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こうしてみると2003年はけっこう後ろ向きの1年だったような気がします。21世紀に生きようという人間がこれではちと情けないですね。どうも僕は本質的にひどく怠惰な人間らしいので,意識的に前に向かって歩かないとずーっとそのへんの木にぶら下がったままってことになりかねません。

映画を見て,気になってた本も読んで,ここの原稿もまめに書いて,街を歩いて外の空気に触れ,ちゃんと目を開けて2004年を過ごしたいものです。