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その12
なんだよおまえ?

バリの魚

   


前項に引き続き”鈴”ものである.
見たとおり「魚付き鈴」.「鈴」はただし書き付き.

これは,前回の音が出る鈴と異なり,ろくに音もでないといういんちきな代物である.いんちきと書いたが,もしかしたら鈴ではないのかもしれず,鈴でなかったらいんちきとは言えない.木製なので,最初から音を出す意図はなかったかもしれない.しかし,底面を見るとベロがついているし,一瞬検討が必要だが,何かに分類するとすれば鈴である.この鈴の頭についている魚の背中にはひもがついており,ぶら下げるようになっているが,紐がついていてもこの「魚つき鈴」が「ただぶらさげておくだけのもの」なのか「風鈴としての機能を強化している」ものなのか判断できない.しかし,この物体は下からながめるものではなく,上から眺めるものであることは一目瞭然である.下からながめてもこれが鈴状のものであることがわかるだけで,際立った飾りがついている訳ではなく,却って不細工さが際立つだけである.ひもはベロのためについているのか..なんだかよくわからない.

この魚付き鈴の主役は,言うまでもなく鈴ではなく魚である.見て分かるとおり,鈴の部分には模様が描いてあるが,この模様は別に何を主張するでもない柄で,魚部分がていねいに彩色されているのとは対象的である.とはいえ鈴部分の模様も非常に手慣れた感じでちょいちょいと描いてあって鈴の雑作ほど稚拙な感じはしない.ただ,あまり意味はない.私は魚だけ売られていても購入する気になっただろうが,鈴だけだったら絶対購入しない.ぷりちーなのは魚の部分で,私の視点から見るとこの「魚付き鈴」は「鈴乗り魚」で,魚の部分に価値があるのである.しかし,ぷりちーという側面から見なくても魚が主役だと主張してもいいと思う.どうしてかというと,前述したとおり鈴部分が鈴として役に立たないからである.これが,鈴でなく,なにかもっと他の用途に使用するもので,この形状以外考えられないということが判明すればそのときに考えを改めることにする.

 底面の形状

この魚がフグでないことはその形を見れば一目瞭然であるが,私はこの魚を便宜上「バリフグ」と呼んでいる.魚の腹面は赤で,背びれは黄緑と黄色で塗色され,いかにも南洋の魚というカラーリングであるが,背面は黒く,ミミズクを紫や朱色で塗ってしまうバリの色彩感覚から考えるとちょいと地味である.かなり古びた感じだが,新品に古物に見える処理を施しているのかもしれないし,製作時期については全然わからない.この口をあけた(おまけに口の中が赤い)おまぬけな形態がひじょーにぷりちーである.

魚は鼻の先と尾ひれに怪我をしているので,商品価値はゼロだと思う.ひれの怪我はうちに来て多少悪化しているが,怪我自体は購入前の物である.そんなものを買う方も買う方だが,売り物にする方も反省した方がいいと思う.人に言わせれば,”こんなものを購入するという行為が,ハラダというキャラクターを強化している”そうだが,どーだっていいじゃないかと思う.そんなことよりも,ぷりちー道にいそしむ方がより建設的というものである.ねい.


実は,きやつまだ箱入のままなのであった..ごめんよ.(2002.04.25)


                    
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