▼ 放虫問題について、みんなで考えよう!
1 放虫ってなに?
放虫とは、みんなが大切に飼育していたカブトムシやクワガタムシを野山に逃がしたり捨てたりすることなんだ。
分かりやすく言えば、野良犬や野良猫のように“野良虫”を作ってしまうことなんだ。
2 放虫はいけないことなの?
みんなは、元々昆虫って野山で捕まえるモノだから“野良虫”っておかしいと思うかもしれないけど、デパートや
お店で売っている昆虫は外国や日本の遠くの島から来ているモノが多いんだよ。
みんなも知らない外国で家族とはぐれて一人ぼっちになってしまったら恐いよね?
デパートやお店で買ってきたカブトムシやクワガタムシにとっては、飼育してくれている、みんなが家族なんだ!みんなが飼育している大切な昆虫を“野良虫”にしないで最後までめんどうを見てね!!
 野良虫になってしまった虫 達は何してるの?
遠い外国からやって来た虫達にとって日本は、とても暑かったり寒かったりするから、そのほとんどは死んでしまうんだ…でも、中には日本の暑さ寒さに耐えてガンバって生き残る虫達も居るんだ! そんな生きるためにガンバっている野良虫達が日本で問題を起こしているんだよ…みんなも知ってるとおり外国の虫達は、日本の虫達より体が大きいよね?野良虫になってゴハンをみんなから貰えなくなったカブトムシやクワガタムシは、生き残るために必死でゴハンを探すんだ。そして、体の小さな日本のカブトムシやクワガタムシを樹のエサ場から追い払ってゴハンを横取りして食べてしまっている…今度は、日本のカブトムシやクワガタムシがゴハンを食べられなくなって困ってしまうんだ。
 野良虫になってしまった虫達はどうなるの?
日本のカブトムシやクワガタムシからゴハンを横取りして必死に生き残って来た野良虫たちも日本の冬には勝てないんだよ…冬になったらゴハンもなくなり寒さに凍えながら死んでしまうんだ…本当は1年以上生きられる外国のカブトムシもクワガタムシも、日本の季節の中じゃ、わずか3ケ月ほどしか生きていられないんだ…野良虫にさえならずに家族と暮らしていたなら寒い冬もあたたかい部屋でゴハンを食べて長生きできたのに…
5 日本の虫達はどうなるの?
ケンカが強い野良虫たちにゴハンを横取りされてしまった日本のカブトムシやクワガタムシは可愛そうだけど、お腹を空かして死んでしまうコトが多いんだよ…
最悪の場合、みんなが住んでいる近くの森や林から日本のカブトムシやクワガタムシがいなくなってしまうんだ。
その場合、外国からやって来ている虫達は、法律で“害虫”になってしまうかも知れないんだよ…
6 日本からカブトムシ・クワガタムシ達がいなくなるの?
日本のカブトムシやクワガタムシは日本で生活していく能力があるから全部いなくなることはないけど、みんなが見付けられない場所で、ひっそりと生き残っていくしかなくなってしまうんだ。
そうなると、普通に見かけていた日本のカブトムシやクワガタムシは、とても貴重な虫になってしまって誰も捕まえちゃいけない虫になってしまうんだ。
 まとめ
放虫をしてしまうと野良虫が出来て悲しいことが沢山起こってしまうんだ…
野良虫が増えると日本の昆虫を守るため法律で外国の虫を日本で飼育できなくなってしまうんだよ…そうなると、みんなが大好きなギラファ・ノコギリクワガタなんかを生きたまま見ることが出来なくなっちゃうし、もしかしたら、みんなが大人になってお父さんやお母さんになった頃、日本にカブトムシやクワガタムシが居なくなってしまってるかもしれないよ!
僕たち私たちが少し気を付けていれば、何とかなる問題なんだ。
みんなも野良虫を作らないように、自分が飼育している大切な虫達は家族なんだから最後まで、しっかりめんどうを見て上げようね!!
▼ 親御様へ
最近TV等で目にする機会も増えてきました環境省が出している“特定外来生物被害防止基本方針”と云うモノがあります。
この法案が通ってしまいますと、一部の外国産昆虫の飼育が禁止となり最悪の場合、総ての昆虫に適応される可能性まで秘めているのです。
ココで問題になっていることが“放虫問題”で、デパートやショップで購入されたカブトムシやクワガタムシを野外に放つことなのです。
“放虫問題”で一番の問題は、御子様用の文章でも書きましたが、外国の昆虫が国産の昆虫を駆逐してしまうことだと言われています。
更に深刻な問題では、外国の昆虫が帰化してしまい国産の昆虫と交配し雑種が出来てしまうことで、昆虫を研究し薬を作ったり環境を調査している研究者達の妨げになってしまうことが懸念されています。
最近では、カブトムシの幼虫から色んな特効薬の研究が進んでいたり、癌や伝染病の薬が出来る可能性が出てきています。 しかし、雑種になってしまうことで研究していた効能が消えてしまうかも知れないのです。
雑種の恐ろしいところは、元々日本の冬をのりきる能力が乏しかった外国産の昆虫が、国産の昆虫と交配し、日本の冬を乗り切る能力を得てしまう所なのです。
昆虫の進化は想像を超えて早いのです!人間より寿命の短い昆虫は、わずか10年ほどで恐ろしいほど環境に適応していきます。
我々、日本人が戦後の食糧事情の変化で、ずいぶんと体型が変わってきました。
昆虫の世界でも同じ事が起こるのです。
駆逐されてしまった昆虫は、二度と元には戻りません。
しかし、放虫が環境に与える影響や昆虫の正しい知識は、一部の専門ショップを除く大型販売店(デパート等)では公表されていないのです。
放虫問題なんて云う固くて難しい話の前に昆虫の正しい知識を少しでも知ることにより、問題は緩和されると思うのですがどうでしょうか?
僕が子供の頃から、よく耳にする“虫は秋には死んでしまうから逃がしてあげなさい”という言葉があるのですが、国産でも特にクワガタ属は1年以上生きるモノが多いのです!中には平気で2〜3年も生きるモノも居ます。
ソレは、外国産のクワガタでも同じ事で、外国産のカブトムシに関しても言えることなのです。
国産のカブトムシは、数ケ月で死んでしまうというイメージがあるのですが、上手く飼育していれば半年以上生きていますし、外国産でしたら1年は生きています。
“可愛そうだから逃がして上げる”この行為について僕は悪いことでは無いと思いますし、かえって良いことだと思います。
しかし現状では、この優しさが“野良虫>雑種>害虫指定>種の全滅”と云う更なる悲劇を生みだそうとしているのです。
(注*最悪の場合はです。)
この文章を書くにあたり、色々調べて知ったことなのですが“昆虫は子供が持つモノだから逃がす危険性が高い”との意見も見たのですが元々、昆虫は子供が興味を持つモノだし命と云うモノを直に感じられる大切な友達だと思います。
僕が、子供の頃を思い出しても大切な昆虫を捨てるなんて、とんでもない話で、どうして、その様な考えが出てくるのか不思議なくらいです。
不安要因ばかりを書いてしまいましたが、少し気を付ければ誰にでも出来ることです。 そんな事もあったね…と、笑って言える日が来ることを節に願います。
(この文章では、昆虫を中心に書いてありますが、犬や猫や鳥など、総ての外国産ペットに共通の事柄です。)

出きることだけで良いんです!昆虫を飼育されている皆様、是非御協力を!!
言葉足らずで御立腹される方も見えると思いますが御了承下さい。
長文にお付き合い下さりありがとうございました。                 2005/01/14 藤見泰高
▼ ブリーダー&ハンター様へ
もう、総て分かって見えると思いますので何も言いません。
蛇足だとは思うのですが、一言だけ…
国内でも、随分前からオオクワガタXコクワガタ=オオコクワという雑種が産まれてくることは知られています。
ですが、この個体は人間の手により特殊環境を作りだしてやらない限り天然では滅多にお目にかかることが出来ない…と、言うよりほとんど居ません。
僕は多くの実験をして見える方達からお話を伺ったことが有るのですが雑種が産まれてくる可能性は、人間が環境を整えてやらないと自然界では0で無いにしろ大変珍しいことだそうです。 今後、放虫が増えれば話は変わってきますが…
僕自身、スマトラ・オオヒラタF2で“アチェ♀Xベンクール♂”を交配させたことがあるのですが、同じスマトラヒラタでさえ産地が離れすぎているとペアリングを拒否することもあるのです。
個人個人が色々交配させて雑種を作るのは自由だと思いますが、“人に上げない・絶対に逃がさない”と云う強い責任感の元で行って下さい。

この文章を読まれている方の中には、貴重なデータを持ってみえたりHPを運営されている方も見えると思います。
特に異種間におけるブリードデータ等は、雑種問題で威力を発揮すると思います。
僕には力も知恵もありません…でも、行動を起こさなければ何も変わらないのです!皆さんも出来ることから始めてみませんか?
言葉足らずで御立腹される方も見えると思いますが御了承下さい。
▼ 私的意見
僕は、岐阜県の山奥にある町に産まれ、子供の頃から夏には決まって昆虫採集やカエル・ザリガニで遊んでいました。
口では言えないような、可愛そうな事もしていましたが、今となっては“命”と云うモノを直に感じられる経験でした。
小学生の頃、初めて捕まえたミヤマクワガタが死んでしまって泣いた経験や初めてカブトムシを幼虫から成虫にした経験はとても大切なモノです。
僕は知らないウチに昆虫や小動物から生きていくことについての勉強をさせて貰っていたのです…今では、僕の古里でもカブトムシやクワガタムシは、あんまり採れなくなってしまいましたし、今後はもっと居なくなってしまうでしょう…
趣味で始めたクワガタ飼育なのですが、仕事で落ち込んだときや悲しいときに何度となく虫達に励まされました!“お前が仕事しなきゃ俺達が飢え死にしてしまう!”って、感じでね。(笑)
生き物を飼育すると云うことは、責任感なのです! この事は、総ての事柄の通じることだと信じています。
僕の古里では、子供の頃アレだけ沢山居たタガメが全く居なくなってしまいました…この先、国産のカブトムシやクワガタが図鑑や博物館の中にしか居なくなってしまって“おじいちゃんが子供の頃は、夏には飼育していたんだよ”何て、言わないでイイ時代であってくれることを節に願います。
増えすぎたから捨てるとか、近所で外産を採集したいとか身勝手な考えはもってのほかです!どうしても飼育できないのでしたら飼育方法と放虫についてを説明した上で欲しい方に差し上げるとか、僕がマンガで描いたヘル・ブリーダーのように殺して下さい…残酷な言い方で申し訳御座いませんが、ソレが本来日本に生息していない生き物を飼育するという責任だと思います。
(別に殺すことを推奨しているわけではなく、いざとなったら殺す覚悟の責任を持って飼育すると言う意味ですので…)

ペットは家族であり友達です!最後までしっかりとめんどうを見ましょう!!僕が偉そうに言えた立場ではありませんが御了承下さい。
なんだかんだ、書きましたが簡単に言うと“僕はクワガタ飼育がしたいです!”が明確な答えですね。
変に騒ぎ立てる訳ではないのですが、問題意識として考えるには良いことだと思います。
▼ 御意見、御希望が御座いましたら、お気軽にメールして下さい。
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