▼世の中のすべての母親が，息子から大切にしていた時，一人だけ娘礼賛論を繰り広げたうちの母さん。
▼心では有難いが，忙しく仕事をしているときに何となく電話してきたり，会いに訪ねてきたり，特別な理由もなく，しつこい母が息苦しく感じられた。
▼私も結婚５年目で娘ももうけた初歩の母なのに，母の目には，まだ懐の中の子供にしか見えないようだ。
▼会うたびに口げんかしてしまったが，もう私も母に愛する心を見せなければならない時が来たようだ。
▼幼い時期から言葉も上手で，素晴らしかったうちの娘チスク。勉強だけでなく，ミスコリア顔負けの容貌まで，無知でやぼったい私の中からどうしてこんな美しい子が出てきたのだろうか。
▼一人でソウルの大学に通って，ご飯はちゃんと食べているのか心配だが，仕事をして稼いだ金でお小遣を送ってくれて，結婚するといって男も連れてきて，もう子供のお母さんになった。懐の中の子供だったうちの娘が，もう私の中から離れようとするようだ。
▼秋が深まるある日，チスクは連絡もなく実家に帰ってきて，引き延ばした孝行娘の役割を始めた。嬉しくはあるが，以前のようでない娘の行動に，お母さんは，なぜか分からない不安感を感じる。
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