輝国山人の韓国映画
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▼幼い時から空を飛ぶのが夢だったパク・キョンウォンは,丘の上から大きな鳥のような飛行機を初めて見た日に飛行士になることに決心する。彼女は,飛行士になるために日本に渡航し,飛行学校に通うようになるが,学費を捻出するためにタクシーの運転手になる。
▼そんなある日,キョンウォンのタクシーに韓国人留学生ハン・ジヒョクが乗車する。ジヒョクは,堂々としていて自分の夢のために努力するキョンウォンに引かれるが,父に叱責され,やむを得ず軍に入隊する。
▼何年か後,キョンウォンは,初飛行を無事に終えて有名な2等飛行士になる。故国の朝鮮にまで広く名前が知らされたキョンウォンは,彼女にあこがれて日本へやってきたジョンヒと実の姉妹のように暮らす。ジヒョクは,キョンウォンがいる飛行学校の気象将校に志願し,キョンウォンと再会して互いの愛を確認する。
▼キョンウォンは,木部に出場権を譲ったが,同僚操縦士セギの不意の事故で高度上昇競技に代わって出場し,危険な飛行で難関をくぐり抜け,大会で優勝する。キョンウォンは,故国訪問飛行の基金を用意するために募金運動を始め,木部は,そんなキョンウォンを後から助ける。
▼一人の男の女としているには,夢に向けた希望が大きかったキョンウォンは,ジヒョクの求婚を断る。ジヒョクは,愛よりも恋人よりも空に向かった夢をより大切にするキョンウォンを理解しながらも,つらい思いをする。
▼いよいよ一生の夢だった故国訪問飛行を目前にしたキョンウォン。だが,彼女にはどうすることもできないことがたくさん起きていた。愛,友人,同僚,すべてのものを失ったキョンウォンに残されたのは飛行だけ。全てのことを忘れるために,夢をかなえるために,キョンウォンは,悲しみを打ち破って彼女の飛行機「青燕(あおつばめ)」に乗って,青い空に力強く翼を向ける。
朝鮮最初の女性飛行士パク・キョンウォンの波瀾の人生を描いた時代ドラマ
▼飛行大会への出場をめざしていたキョンウォンは,日本最高のモデルで,外務大臣という強固な後ろ楯を持つ木部のために飛行大会に出られなくなる。キョンウォンは,実力を競う試合の途中に事故に遭った木部を助け,それ以後,木部は,キョンウォンの友人であると同時に強固な後援者となる。
[制 作 年] 2005年 [韓国封切] 2005年12月29日 [観覧人員] 226,828人(ソウル封切館基準) [原 題] 青燕 청연 [英 語 題] Blue Swallow [ジャンル] ドラマ [原 作] [Producer] チェ・ソンス [脚 本] ユン・ジョンチャン,イ・イナ [監 督] ユン・ジョンチャン [第2作] [助 監 督] イ・ジング [撮 影] ユン・ホンシク [照 明] チェ・ソクチェ [編 集] ハム・ソンウォン、キム・ヒョンジュ [音 楽] Michael Staudacher [美 術] 竹内公一、ソ・ミョンヒ、ますもとちひろ [武 術] [出 演] チャン・ジニョン → パク・キョンウォン(朴敬元) キム・ジュヒョク → ハン・ジヒョク 石田 ユミン → 木部雅子 日本人女性飛行士 ハン・ジミン → イ・ジョンヒ 女性飛行士 キム・テヒョン → カン・セギ 男性飛行士 中原丈雄 → 杉原 外務大臣 柴田義之 → 校長 立川飛行学校 イ・チャニョン → キム・サンス 記者 ジヒョクの友人 キム・ウンス → パク・チュンシク イ・スンホ → ジヒョクの父 黒沼弘己 → 連隊長 加瀬慎一 → 憲兵隊捜査官 チェ・ホジン → 飛行大会司会者 チュ・ブジン → めし屋主人 コ・ジュヨン → 幼いキョンウォン さとむらたかお → 配車係 志賀廣太郎 → 質屋主人 キム・ギチョン → キョンウォンの父 チョン・ミヘ → キョンウォンの母 志賀圭二郎 → 教官1 Wang Hong → 教官2 Yuan Da Xia → 教官3 ユン・スミン → ジヒョクの同僚1 松岡哲永 → ジヒョクの同僚2 勝矢秀人 → 工場鎮圧組長 山内健司 → 要員1 ソン・チャンヒョン → 要員2 ナム・ジュグン → 外務省1 ク・ギョンモ → 外務省2 Michell → ビクターブルース ヒョン・ジョンウク → 記者1 Zhang Jia He → 衆議院 Li Ming Qing → ぼってりした生徒 Zhang Jing → 生徒2 Yu Tian Yang → 生徒3 Qiu Guan Biao → 生徒4 Cheng Cheng → 生徒5 Zhao lei → 生徒6 ユ・サンフル → 軍医官 ユ・ジェミョン → 憲兵捜査官2 ペク・キルソン → 憲兵捜査官3 ソン・ソクチュ → 兵士1 キム・アロン → かっぱらい1 イム・ジョンヒョク → かっぱらい2 キム・シネ → オルガン先生 Sandra → 米国宣教師 パク・サンユン → プロローグ飛行士 パク・ソンジン → 軍刑務所憲兵 特別出演 仲村トオル → 徳田 立川飛行学校教官 スタント チャン・セジュン チェ・ドンホン [受 賞] 2006 第43回 大鐘賞映画祭/音響技術賞(ウン・ヒス ほか) 音楽賞(Michael Staudacher) 2006 第14回 利川春史大賞映画祭/衣装賞(クォン・ユジン),撮影賞 2006 第26回 韓国映画評論家協会賞/女子演技者賞(チャン・ジニョン),撮影賞 [時 間] 133分 [観覧基準] 12歳以上 観覧可 [制 作 者] キム・ジェヨン [制作会社] コリアピクチャーズ(株) [制 作 費] 100億ウォン [ビ デ オ] ファインフィルムズ(DVD 5,040円)2010/1/1発売 [レンタル] [NET 配信] Cinem@rt [H P] 終了(韓国) [撮影場所] [Private ] ★★★☆☆☆ K-DVD【65】 J-DVD【20】 [お ま け] ・日帝時代の日本が舞台のため,<風のファイター>(2004年)や<力道山> (2004年)と同様に,かなりの部分で日本語が使われるので,日本語字幕が なくても,ある程度楽しめます。 ・パク・キョンウォン(朴敬元:1901年6月24日〜1933年8月7日)は,朝鮮のテグ (大邱)の貧しい家の末っ子娘として生まれ,1917年にシンミョン女学校を 中退して,1920年に日本の横浜技芸学校を卒業した。 ・看護師としてしばらく仕事をしたが,1925年に飛行士の夢を抱いて日本に渡 り,立川飛行学校に入学した。 ・飛行機予備訓練過程を修めるため,自動車学校に入り,朝鮮の女性として初めて 自動車運転免許証を取得した。 ・彼女は,当時の女性としては,巨体に近い168cmの長身であり,酒とタバコを 楽しんだという。 ・1928年に高等飛行士の資格証明を得た彼女は,飛行レースに参加し,優れた 飛行実力を誇示した。 ・1933年8月7日,朝鮮を経て,満州に行く長距離飛行を目指したが,離陸後 50分に静岡県玄嶽山において濃い霧のため飛行機が墜落し,死亡した。 ・日帝時代を背景にした大作時代ドラマとして,制作費だけで100億以上投入さ れ,韓・中・日・米の4か国でロケーションがなされた。 ・また,準備期間だけで10年,撮影期間1年,CG後半作業が7か月かかり,韓 国映画で最大の1,421カットにCGを入れ,また,航空シーンが世界最大の 692カットになるなど,特殊効果と航空撮影に多くの精魂を込めた。 ・この映画は,日帝の韓国人差別と女性身分を克服して飛行操縦士になるまでの挑 戦過程と残念な死を描いたが,日帝強制支配期に生まれて日本飛行士で活動した パク・キョンウォンという人物が,韓国国内では大きな好感を与えなかった。 ・しかも,「日・満・朝鮮 歓軍慰問 一般連絡飛行」という名前を掲げて故国飛行 を試みたという点で,パク・キョンウォンより先立って飛行機操縦士になり,ま た,独立運動に真っ先に立ったクォン・ギオク(1901〜1988)と比較され,「最 初」と「親日」に対する論議にばかり包まれてしまった。