それぞれの理由から死の門の敷居に立った主人公たちが，運命のように訪ねてきた縁を通じて奇跡のように希望に向き合うことになる話を入れたオムニバスドラマ
「去らなければならない時間」
▼夫の常習的な暴力で永い歳月苦痛を受けてきた＜彼女＞は，時限付き人生の宣告を受けた後，現在から抜け出すために旅に出かける。
▼そして，その旅先で＜彼女＞は，運命のような愛と向き合うことになる。
▼一方，父を殺した疑惑で無期懲役の宣告を受けた＜彼＞は，監獄へ送検されている間に劇的に逃げることになって，まさにその道で宿命のように＜彼女＞と向き合うことになる。
▼ひたすら怒りと絶望でいっぱいだった＜彼＞の人生は，＜彼女＞によって次第に変わっていき，幸せな瞬間の中でふと希望を夢見る。
「生水」
▼鋭い波が固め打ちする海辺，そこの急な絶壁の上に＜ソン・ジャンス＞がやっとのことで立った。
▼惜しいこと何一つない人生，もうそろそろ終わらせよう。ちくしょう喉が渇いた。喉を潤して死んでこそ心残りがないだろう。
▼落ちていたライターに書かれたムルタバン（喫茶店）に連絡して，何度も繰り返して頼んだけれど，水を置いてきたとは，それが何でそんなに難しい頼みなのか。
▼タバンの女の子のご機嫌を取って水を持ってくるよう送りかえしたが，さっぱり便りがない。
▼水１本持ってきてくれといっているのになんだ。このままでは死ねない。君に必ず水を貰って飲んでから死ぬのだ。
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