輝国山人の韓国映画
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ある事故により国境を越えた漁師の男に降りかかる理不尽な運命
▼船が漁網にひっかかって,独りで南北の境界線を越えることになった北朝鮮漁夫チョル。
▼南側の情報要員は,チョルを怪しいと思って監視し始める。
▼北に残した家族の元に戻るために,韓国で耐えなければならなかった激しい一週間。
▼彼は,無事に家族の元に戻ることができるだろうか。(出処:報道資料)
[制 作 年] 2016年 [韓国封切] 2016年10月6日 [観覧人員] [原 題] 網 그물 [英 語 題] THE NET [ジャンル] [原 作] [Producer] キム・スンモ [脚 本] [監 督] キム・ギドク [第22作] [助 監 督] キム・ジョンウ [撮 影] キム・ギドク [照 明] チョン・ヨンサム [編 集] [音 楽] パク・ヨンミン [美 術] アン・ジヘ [武 術] [出 演] リュ・スンボム → ナム・チョル 漁師 イ・ウォングン → オ・ジヌ 警護官 キム・ヨンミン → 調査官 チェ・グィファ → イ室長 ソン・ミンソク → 保衛部 調査員 パク・チイル → 幹部 ミン(閔)部長 ファン・ゴン → 要員1 ファン・スンファン → 要員2 キム・ドンヨン → 要員3 ヤン・ヒョンミン → 北朝鮮 軍人1 警戒所 イ・ジョンミン → 北朝鮮 軍人2 警戒所 チョ・ジェリョン → 北朝鮮軍 小隊長 キム・ピョンジョ → 北朝鮮軍 狙撃手 アン・ジヘ → ミンジャ 娼婦 コレサニャン(鯨捕り) イ・ウヌ → ナム・チョルの妻 イ・ソルグ → 脱北者 リ・ドゥチュン チョン・ハダム → チンダルレ スンデクク店員 固定スパイ ハン・ユジョン → ナム・チョルの娘 ソリ キム・ジュンベ → 保衛部 幹部 ホ・スン → 保衛部 要員1 オ・リュン → 保衛部 要員2 キム・ドヨン → 北朝鮮 アナウンサー キム・スアン → 北朝鮮 花少女 カン・ヨンジョン → ミョンドン(明洞)女性 チョン・テソン → チンピラ1 ファン・インム → チンピラ2 キム・チャンフェ → 韓国軍 小隊長 イ・ヒョング → 韓国 軍人1 通信保安13歩哨所 イ・ヒョングン一等兵 イ・サンジン → 韓国 軍人2 通信保安13歩哨所 イ・ソング → パクチーム長 アン・ミニョン → スンデクク店 主人 イ・ミョンオク → 韓国 検索要員 イ・ジョンソン → 保衛部 女性記者 キム・スア → 保衛部 検索要員 チェ・ヨンソク → 道行く人1 マルコ → 屋台 主人 コチャンチプ イ・スンヒョン → スリ キム・ミジン → 保衛部 女性要員 イ・サンヒョン → 町内住民 キム・スンモ → 保衛部 軍人1 パク・チュニョン → 保衛部 軍人2 チョン・ジウン → 脱北者2 キム・テギ → 北朝鮮 カメラマン1 イ・フィウン → 北朝鮮 カメラマン2 ホ・ジュンソク → 北朝鮮 カメラマン3 特別出演 ソン・ヒョナ → 転向チーム 担当者 [受 賞] 2017 第37回 ファンタスポルト国際映画祭 監督週間 男優主演賞(イ・ウォングン) [映 画 祭] 2016 第73回 ヴェネチア国際映画祭 ネルジャルディーノ(非競争)部門 出品作品 2016 第41回 トロント国際映画祭 正式出品作品 2016 第17回 東京フィルメックス オープニング作品 [時 間] 114分 [観覧基準] 15歳以上 観覧可 [制 作 者] キム・ギドク [制作会社] キム・ギドクフィルム [制 作 費] [D V D] キングレコード(Blu-ray 4,800円+税 DVD 3,800円+税)2017/9/6発売 キングレコード(Blu-ray 2,500円+税 1,900円+税)2023/7/5発売 [レンタル] [H P] http://thenet-ami.com/(日本) [撮影場所] ナミャンジュ(南楊州)綜合撮影所 ナミャンジュ(南楊州)市 タサン遺跡地 ヤン タバン ザ・ボディーショップ(ミョンドン(明洞)店) イファ(梨花)スユクケジャン(ミョンドン(明洞)店) ウリチプ スンデグク コチャンチプ ポジャンマチャ ハリウッド ノレバン KAC 韓国芸術院 M Studio トンナムモーテル ウルチロ(乙支路)ソウル駐車場 ワルツとドクターマン [M-Video] [Private ] J-Blu-ray-Rec(メロホリック 5〜) 翻訳者:根本理恵
[お ま け] DIRECTOR’S NOTE(2016年9月2日 キム・ギドク)(出処:報道資料) これまで私が作ったどんな映画よりも,<The NET 網に囚われた男>は,重要で意味ある映画だ。 いつ炸裂するかも知れない時限爆弾のような時代に,私たちを振り返るる映画になれば良い。 今はいつの時よりも南北関係が深刻な時だ。 いつ,どこで悲劇が起きるかも知れない不安感で,毎日毎日生きていく緊張した人生の連続だ。 この映画の主な背景である臨津江(イムジンガン)は,南北を分ける境界線でもあるが,個人的に 米・日,中・露の強大国を中心に,東と西を分ける最も緊張した境界線だと考える。 私たちの韓半島は,強大国の軍事的利益関係の中で,いつでも彼らの代理戦場になり得る所だ。 私たちには悲しい分断の境界線だが,強大国には直接的被害を減らす緩衝線だ。 韓半島の戦争は,まさに世界の戦争で,それは人類の終末とも同じだ。 <The NET 網に囚われた男>の背景として,ここを選択したことは,私の恐怖と不安を示唆する。 <The NET 網に囚われた男>は,分断後66年の間,少しも変わることなく,相変らずお互いを嫌っ て妬ましく思う私たちについての告白であり,自白だ。 <The NET 網に囚われた男>が,いつ炸裂するかも知れない時限爆弾のような時代において,冷静 に私たちを診断して,振り返る映画になれば良い。 ベニス国際映画祭の公式スクリーニングで,映画が終わってあちこちで涙を見せる観客の中,とめ どなく泣くあるイタリア女性の観客に,なぜ泣いたのか尋ねた。 彼女は,詳しい南北の事情は分からないが,主人公である北朝鮮漁夫チョルが,南北のすべてで直 面する残忍な状況がとても悲しかったと話した。 果たして私たちは,この映画を見てどんな感情であろうか。 おそらく,誰も泣きはしないだろう。 もしかしたら,私に君はどちら側かと尋ねるだろう。 私は,誰の側でもなく,自然の一切れである人間の側だ。 私がこの映画を作った理由は,外部の力に利用されず,私たちが元気に生き残ることができる知恵 を探したいからだ。 幸いで有難くも,15歳以上での観覧可が確定したが,私たちの青少年もこの映画を通じて悲しい現 実を理解し,自分たちの未来を守ることができるか悩んでみる機会になったら良いだろう。 これ以上,どちら側かという愚かな質問をせず,心から互いに理解して許す気持ちで立ち向かうよ うに願う。 これまで私が作ったどんな映画より,<The NET 網に囚われた男>は,重要で意味ある映画だ。 今,あなたがイデオロギーの網にかかって,鱗(うろこ)がむけて,鰓(えら)が裂けて,目に血 のあざができて,徐々に死んでいく魚ではないのか,冷静に振り返ることを願う。 劇中,ソウルに入るやいなや,目をしっかり閉じて何も見ない漁夫の姿と,あなたの姿がどれくら い違っているのか考えてみることを望む。 あなたが,私は違うと言うならば,言うべきことはない。 魚は,網にかかれば終わりだ。