原始のグラマー美女にクラクラ

■恐竜100万年■

もうずいぶん昔のことだが,部屋に飾るポスターをいろいろ物色していたとき,強烈に魅かれた作品(ポスターも作品と言っていいよね)がひとつあった。女ターザンといった感じでボロボロのビキニ姿の美女がすっくと立っているポスターである。

これがもうむちゃくちゃカッコよくて,その均整のとれたすばらしい肉体に一目惚れ。当時はナイスバディなんて言い方はまだなかったので,おおーとかむううとか感情発声あるのみであった。若かったんだねえ。

そのポスターというのが実は「恐竜100万年」のラクエル・ウェルチのお姿だったのである。

映画の方は人類夜明けの時代,文明以前の原始の人間たちのドラマになぜか恐竜も出てくるという考証も何もあったもんじゃない作品である。でもよいのだ。これはこれでひとつのジャンルであって人間と恐竜が絡む映画は他にもいろいろ作られている。この手の作品では美女と恐竜という絵柄が大切なのであってそのつもりで見ていればよい。そう言ってしまうと身も蓋もないか。

特撮はハリーハウゼンなので,死んでも着ぐるみは使いませんという映像だ。巨大なトカゲや巨大なウミガメがそのまんまの合成で出てくる。トカゲはともかくカメは脈絡がないと思うぞ。むろん,お得意のコマ撮りによる恐竜同士の対決シーンなども登場する。

しかしやはりこの映画の命はラクエル・ウェルチの見事なボディであってその他はすべてオマケだ。僕の貧弱な表現力では「カッコいい」と連呼するしかないのだが,本当にまあ見応えのあるプロポーションである。セックス・シンボルの称号は伊達ではない。

特にまん丸でつやつやのすんばらしいバスト。トップレスでもヌードでもないんだけど,ボロボロの衣装の切れ端からのぞくその見事な造形には感動してしまう。ううむ,なんだか久々に男性の意識丸出しでこれを書いている気がするなあ。下品になっていたら乞うご容赦。

というわけで手持ちのLDではどのあたり,といつもなら書き進めるところだが,実は今回ばかりはワンシーンが抜き出せない。彼女のグラマーでのびやかな肢体を見たければ全編を見よ,ということだ。強いてあげればサイド2かな。それとLDのジャケット。こちらもついつい見入ってしまうぞ。

まだ言語も未発達な時代ということで,冒頭の状況設定のナレーションを除いてセリフもほとんどない。字幕担当者も楽だったろう。作ろうにも日本語吹替版などあり得ない珍しい映画である。見せ物っぽくてイタリア映画の血を濃厚に感じるがイギリス作品だそうな。

恐竜100万年 PILF-2519
発売元(株)パイオニアLDC