スケバン刑事のヨーヨー

■スケバン刑事■

南野陽子がやった劇場版「スケバン刑事」は当時の邦画のプログラム・ピクチュアとして意外なほど面白くできている。予算その他の制約は大きかったはずだが,これはこの年の掘り出し物だった。

何がいいといってこのケレン味たっぷりの演出が娯楽作品の本道を行っていて気持ちいいのである。マンガ原作なんだからぶっ飛んだ設定で押しまくってもかまわないのだ。いやその思い切りのよさがこの快作を生んだのか。荒唐無稽おおいにけっこう。戦うヒロインたちに単純に感情移入して活劇に加わればよいのである。その力がこの作品にはある。

さてスケバン刑事といえばヨーヨーだ。まずはサイド1の冒頭,アバンタイトルでテレビ版「スケバン刑事II」での2代目麻宮サキの勇姿を思い出してくれい。南野陽子は劇場版のときにはすでにすっかりアイドル顔になっていて,とてもリンゴをあっさり握りつぶす怪力には見えない。テレビ版のときはまだ荒削りで表情にもギラギラしたところがあった。なんしろ>スケバン鉄仮面だもんなあ。

続いてサイド1の11分54秒ではおもちゃのヨーヨーで戦うサキのアクションが見られる。スケバン刑事を引退!した彼女はもう重合金のヨーヨーなど持っていないのだ。しかしただのヨーヨーもプロの手にかかればこのとおり,というわけだ。

さらにサイド2の33分13秒で「待ってました」の桜の代紋が拝めるぞ。その後は特別製重合金ヨーヨーによる戦闘シーンだ。堪能してくれたまえ。しかしあの劇場版の特別製ヨーヨーは投げるときのモーションが大きすぎるんじゃないか?あれではよけられてしまいそうだが,そんなことは口にしてはいけないのである。

ビー玉お京の相楽ハル子,もしかしてこのころが一番かっこいいんでは?あ,ついでに3代目スケバン刑事の唯ちゃんもゲスト出演だ。うんうんよしよし。

最後にライナーノートを見ていたら,げげ,「メイキング・オブ・スケバン刑事」なんてLDが出ているではないか!知らなかった!不覚である。私もまだまだだ。

スケバン刑事 96LG 103
発売元(株)CBSソニー