貞子といえば「リング」である。パート2はふたとおりも作られ,テレビドラマにまでなってなお人気があるのだからたいしたもんだ。未見の「リング2」はともかく「らせん」の方はバイオっぽくなって怖さは薄れたかな?ホラーってのは解決しなくてもいいんだけどな。
呪いのビデオというか禁断のビデオというネタは他の映画にもあるけど,ここまでストレートに扱った作品は珍しいかもしれない。都市伝説型のホラーはツボにはまるとゾクゾクする面白さがあって僕は好きだ。ついに映画化が動き出したらしい(現在99年3月)恩田陸の「六番目の小夜子」などは原作がすばらしかったので映画版は見たいような見たくないような複雑な心境である。
この「リング」はなかなか怖い作りでよかったが,あの呪いのビデオ,サプルメントマニアとしてはぜひLDのオマケに欲しかったなあ。発売日の一週間後に全国のビデオコレクターが死に絶えたりしてね。
さて「リング」といえば,やはり最後,ホッとした後の貞子さん登場である。あのシーンはプリミティブな仕掛けだろうとは思うが,テレビ画面の奥から現実世界へと這い出してくるその姿は悪い夢だ。なかなか恐ろしい。
LDではサイド2の31分6秒あたりから。真田広之よなぜ逃げない!と突っ込むのは簡単だが,そいつはホラーでは禁句なのだ。わかってあげよう。しかし,いかにもダビングを重ねたような粒子の荒れた画面の中でうごめく人影はやはり不気味だ。夜中に見るものではないな。
ちなみにこのLD,驚いたことにチャプターがふってない。意図してのことなのかそれともただの手抜きなのか謎だが,今どき珍しいぞ。せめて巻末のオマケ映像(監督インタビュー&メイキングちょっぴり)くらいは別チャプターにすべきじゃないかと思ったが,飛ばし見はさせないってことなのかな?
「リング2」のLDが出たらやってみようと思うのだが「らせん」対「リング2」という続編対決も面白いかもしれない。正規に作ったパート2をなかったことにした映画というのはヤマト以来かもしれないなあ。
リング PCLE-00028
発売元(株)角川書店/ポニーキャニオン