未知との遭遇の意外なゲスト

■未知との遭遇■

ファンの間では意外でもなんでもない,周知の事実だが,スピルバーグ監督の「未知との遭遇」のクライマックスには「スター・ウォーズ」のR2-D2が隠れキャラとして登場する。画面の片隅にこっそり現れているだけなので登場という表現はおかしいかもしれないが,ひところ日本のテレビアニメでもこの種のお遊びをよくやっていた。

通行人の中に別の作品のキャラクターが紛れ込んでいたり,シリアスなキャラクターが爆発カットの瞬間にひとコマだけちびキャラになったりするわけだ。ガンダムの乱戦の中で鉄人28号が飛んでいたりするのはけっこう有名だった。

この「未知との遭遇」は説明不要の有名な作品だから内容については触れないが,R2-D2が隠れキャラで登場するということは映画誌その他でよくコメントされていたからご存じの方も多いだろう。

では具体的にクライマックスのどこに登場するのか?

僕のLDは最初期の画質・音質共に今とは比べようもないバージョンなので最近入手された方の参考にはならないかもしれない。チャプターもふってないし。まあ,とりあえずサイド3の19分33秒というところか。

例の5音階の曲?でUFO側先遣隊と人類側がコンタクトに成功(ここの小型UFO乱舞はやはり美しい)した後,ヒロイン(なんだろうな,子供をUFOにさらわれた?あの母親ね)が気配を感じて振り向くと巨大母船の一角が山陰から現れるシーンである。

ここで母船UFOの構造物をよく見てみるとR2-D2とおぼしきものが逆さまに貼り付いているのが見える。ほんの数秒だし,逆光で画面も鮮明ではないが,たぶんこれだろうと思う。お遊びにしては見えすぎの気もするが,なにしろ20年以上前の映画だ。スピルバーグだって今よりもっとお茶目だったんだろう。

映画自体は今見ると「やっぱアメリカって単純だよな〜」と偏見かましてしまいそうな作りだが,インパクトはあるし,SFXも秀逸で,ヤマギワのシャンデリアみたいなUFOの造形が気に入るか否かは人それぞれとしても面白い。中古でも1枚は持っておくべき作品だ。ランニングタイム(特別編で132分)はちょっと長い気もするが。

未知との遭遇 -特別編- FY108-35RC
発売元(株)RCAコロンビア・ピクチャーズ・ビデオ