ユル・ブリンナーの当たり役だったミュージカル「王様と私」は映画版でも大ヒットしたが,彼が故人となってもその楽しさは色あせることはない。最新のドルビーデジタルと美しいマスターにより,なまじの映画館よりずっと良質な状態で家庭に持ち込むことができるのであるからよい時代になったものだ。
最近のLDはほとんどシーンチャプター付きだから名場面を探すのも簡単だ。特にミュージカルはナンバーごとに呼び出せるのでいろいろ楽しめる。
この名曲「Shall we dance?」は最近周防監督の同名の映画のメインテーマにもなっていたから今では若い人にもポピュラーなナンバーだろう。この本家本元ではかたくなだったシャムの王様ユル・ブリンナーとヒロインのデボラ・カーがつかの間心を通わせて踊る名場面に使われている。
なにしろ19世紀のお話であるからヒロインのドレスなど思いっきり豪華というか巨大(中に骨組みがあるやつね)であって,これでかなり激しく踊るさまはそうとうにダイナミックである。運動量も半端じゃなさそうだ。社交も体力なのである。
最近リリースされたスペシャル・コレクション版ではサイド2のチャプター41にある。しかしシネマスコープ55と呼ばれるオリジナルの画面サイズは横長もいいところで,通常のテレビで見ると悲しさ100倍であろう。
スペシャルコレクション 王様と私 PILF-2275
発売元(株)パイオニアLDC