マシュマロ・マンの勇姿

■ゴーストバスターズ■

LDの中古セールなどを漁っているとうんざりするくらいだぶついているタイトルに気がつく。「ロッキー」シリーズとか「バットマン」シリーズ,あるいは「ロボコップ」のシリーズなどはいやでも目につくだろう。大ヒット作品でもなぜか末永くユーザーの需要があるものとそうでないものの違いがあるらしい。

84年作の大ヒット映画「ゴーストバスターズ」もそんなあまりかえりみられなくなった作品のひとつである。

中古市場にもごろごろしているが,ユーザーたちがなぜこれを手放すのか僕にはよくわからない。面白いのになあ。もしかするとテレビなどであまりにおなじみになり過ぎてありがたみが失せてしまったのかもしれない。

元々,当時スピルバーグの「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」を蹴落とし,コロムビア映画史上最大のヒット作になった(と解説には書いてあった)ほどの映画だ,面白くないはずはないのだ。

で,ゴーストバスターズとくればマシュマロ・マンだ。大金つぎ込んでこんなばかばかしいものを作り出してしまうハリウッドの脳天気さは批評家連中には苦々しい限りだろう。もちろん観客大喜びで劇場もウハウハ(死語)だったわけだが。

あのマシュマロ・マンのプリティーなキャラクターがビル街をのし歩く映像は,今見てもなかなかスケール感があって楽しい。小物ゴーストたちは今の邦画でも「学校の怪談」と同じノリで作れるだろうが,マシュマロ・マンは別格だ。邦画ではスタッフも親会社も別の意味でおそれをなして実現不可能だろうと思う。日本人は根が真面目だからなあ。

僕の最初期版LDではサイド2チャプター4の38分47秒あたりから。よくみるとマシュマロ・マンはかなり表情が豊かで,驚いた顔とかちょっと邪悪な表情とかちゃんと見せてくれる。でも元があの顔だから当然の事ながら破壊神の威厳はない。ゴーストバスターズのビームを浴びて「あっちちち」という顔が笑える。本人?には悪いが。

主役3人組もいいけど,こんなおちゃらけた映画でもそれなりにがんばってくれるシガニー・ウィーバーに拍手。ユーザーなら大事にしたい作品だ。でもそろそろDVDのワイド画面とドルビーデジタル仕様で再見したいタイトルでもある。

ゴーストバスターズ SF078-5115
発売元(株)パイオニア/RCAコロンビア・ピクチャーズ・ビデオ