フランケンシュタインの怪物と少女

■フランケンシュタイン■

ドラキュラ,狼男と並ぶホラーモンスター界のスターであるフランケンシュタイン。正確にはフランケンシュタインの怪物だが,何しろ著名人(?)であるから彼が登場する映画も数多い。日本の怪獣映画にまで登場するくらいだ。

しかしその本家本元といえばやはりこれ。1931年作の「フランケンシュタイン」である。僕は値引きセールで買ったLDで初めて見たのだが,いやもうこれが実に面白いの。

70年近く前の作品だけど映像・音声ともに明瞭で,クラシックなモンスター映画の雰囲気がよく出ている。このモノクロのコントラストがまたいいんだ。ラストの燃える風車小屋の映像などもこのモノクロのおかげで 一段と印象的だ。必見である。

さて,この映画を見たことはなくても作中のワンシーンは非常に有名だから雑誌の写真などでご覧になった方も多いだろう。フランケンシュタインの怪物が池のほとりで小さな女の子に花をもらっている場面だ。

いったいどういうシチュエーションでこんなシーンになるんだろうと思っていたが,実物を見て納得した。なるほど○○が○○○して○○○となるのか〜うーん,そうだったのか。このシーンがあるのとないのとでは怪物の悲劇性が全然違ってくる。古いけどまだまだ現役の作品だ。未見の方はぜひご自分の目でご確認を。

LDではサイド2チャプター11の14分32秒あたりから。古手のアニメファンなら「うる星やつら2/ビューティフルドリーマー」を思い出されよ。ちなみにあの女の子はマリアという名で,演じているのは Marilyn Harris となっている。怪物のメークはかなり気味が悪く,この幼い子役がよく怖がらずに演技できたものだと感心する。

そういえば怪物役はかの有名なボリス・カーロフだけど,この映画のオープニングでは怪物役のキャストは?となっている。日本の古いヒーローもの(○○仮面とかあったでしょ)がやはりキャストで?となっていたのを思い出してちょっと笑ってしまった。ちなみにエンドクレジットではちゃんとボリス・カーロフの名前が出る。

これを見るとティム・バートンの昔の短編「フランケンウィニー」が,原典であるこの作品の持ち味をとてもよくとらえているのがわかる。収穫だったなあ。

フランケンシュタイン PILF-1659
発売元(株)パイオニアLDC