バーバレラのゼロGスト○ップ

■バーバレラ■

宇宙を駆けめぐる美貌の女戦士バーバレラ。"BARBARELLA" QUEEN OF THE GALAXY(邦題「バーバレラ」)は若かりしころのジェーン・フォンダが演じた実に楽しくエッチなセクシーSF映画である。若い女優に次々手を出していたロジェ・ヴァディム監督がまだウブなジェーン・フォンダをお人形さんのごとく扱って好き放題なことしている快作である。この場合快作の快は文字通り快感の快だ。理由は見ればわかる。

その「バーバレラ」の冒頭サイド1のチャプター1,オープニングタイトルの部分というのが世にもチャーミングなジェーン・フォンダのストリップ・シーンである。

無重力の宇宙船内とおぼしき部屋で,宇宙服に包まれた人物がふわふわ漂いながら軽快な音楽に乗って1枚ずつ服を脱ぎ捨てていく。中から現れるのがバーバレラことジェーン・フォンダの輝くばかりの裸身だ。見せすぎないように危ないところはちゃんと画面に散らばっていたクレジットの文字が寄ってきて隠してくれるのがかわいい。

スケベというか男の身勝手な妄想そのものの映画であることはここで一目瞭然だが,物語の方もそのままの調子で突っ走る。ヒロインはのべつまくなしにセックスをしている(されている)ありさまで,とにかく男は鼻の下を伸ばして彼女の姿を見ておればよろしい。こんな映画を作るというのは考えようによってはものすごくぜいたくなお遊びだと思うが,いろいろ面白い仕掛けがあって(ある登場人物の名前とかね)コレクターなら必携の1枚である。

最初にリリースされたときはこの問題のシーンがテレビサイズに圧縮されていて非常に悲しい思いをしたものだが,後にワイド版が出たのでやっと完全な形でバーバレラの裸身を拝むことができた。ちゃんとチャプター表に「無重力ストリップ」と明記されているのが笑える。

物語冒頭で全裸の彼女に向かってテレビ電話の地球国大統領が仕事の依頼をしてくるのだが,「何か着るものを」と言う彼女に対してこの大統領閣下は「かまわん,公用だ」とのたまう。ううむ,いいのかそれで?こんな調子でこの映画に登場する男は全員スケベなのだ。考えようによっては実に健全である。

後に様々な社会問題を取り上げるようになったジェーン・フォンダにとっては自分の経歴から抹消したい作品かもしれないが,僕は大好きである。

バーバレラ PILF-1690
発売元(株)パイオニアLDC