旅は人生の濃縮パック(1) 〜時々孤独、時々沈没・・〜 


よくこんなメールが届きます。先日も、
「はじめまして。ボクは半年前から旅をしていて、今ギリシャのアテネにいます。ハンガリーを調べていて、あなたのHPを見つけました。テレザハウスに行きたいので、場所を教えて下さい」と。

 テレザハウスというのは、テレザという面白いハンガリー人オバサンの家で、なぜか日本人が集まる安宿。当時は1泊500円。私は返事を書きながらいつも、“ホントに、便利になったもんだ”と思うのです。

 私が世界一周した8年前は、インターネットは普及してなく、情報を得る手段は、人間同士がじかに話すことでした。また、道中に出会って別れた人と、また別の国で出会うなんて、もう感動もんです。これも今では、互いのメアドを教え合い、好きなときにまた合流できるのですから、まさに進化?ですねー。反面、途方に暮れたり、孤独で寂しい思いをするという、“一見マイナスだけど、人間としての根が深くなる経験”が、少なくなってるのかなーと、ふと感じました。

 そんなとき、今現在、世界一周中のK君から久々のメールが届きました。彼は、毎月開催している「旅の交流会」のメンバーで、昨年11月から1年間の予定で旅立った人。
 彼は実は、かなりへこんでいました。
「最初の3ヶ月、中国、ベトナム、カンボジアと肩をいからせて前に進むことだけを考えていました。で、タイへ抜けたとき、資本主義がやけにまぶしくて、ほっとして沈没。その後、インドで沈没。次のネパールでも沈没・・。歯車が狂っています・・」と。沈没というのは、特に何をするわけでもなく、だらだらと過ごしてしまうこと。時間の浪費、思うように進めないイラダチ。見たいものすら見ていない後悔・・。

 このメールを見て、やっぱ、同じじゃん!私はそう思いました。孤独や沈没や迷走、これですよ!だから長旅はいいんです! がんばれ!K君!

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