旅は人生の濃縮パック(1) 〜愛すべきバスの話〜 


 まずは意外に?乗りやすい中国のバス。バス停には、バスの番号と停留所名が順番に列記されているからです。カタチは大型バスを2台くっつけたもの。にもかかわらず、ギューギュー詰め。にもかかわらず、買った扇風機を持ち込む人もいて、かなり根性が鍛えられます。でも、乗りさえすればこっちのもの。大きなガマ口型車掌バックを持ったお姉さんの「マイピャオー、マイピャオー!」の声かけに、キップを買えばよいのです!

 同じ中国でも観光バスは、また違う楽しさがあります。北京発「1日5遊」バスでは、あまりによく食べる中国人に目からウロコ!でした。バスが停まれば、窓から体を乗り出し、買っちゃー食べ、停まっては買うのくりかえし。スイカも窓から買って、種はペッペ、皮はポイッ。もう、食べれんやろう、と思いきや、今度はひまわりの種。必ず周りの人にも、薦めて食べる中国人の温かさと大らかさ、食欲にあふれる車内でした。

 トルコのバスターミナルで、大騒ぎのバスと遭いました。爆竹バンバン、歌って叫んで踊って、胴上げ。何のお祝い事かと思ったんですが、よく見ると、みんな顔をぐしゃぐしゃにして泣いているんです。トルコでは全男子に徴兵義務があり、彼らは入隊する若者達だと、近くにいたトルコ人が教えてくれました。異常なほどの興奮状態と、拭おうともしない涙・・、心に残る出来事でした。

 バンコクでは、間違えて乗った赤バスのおかげでパレードに遭遇しました。降りようと思ったけど、子供2人はグースカ。まあ、いっか、赤バスは一律3.5バーツ(約10円)だし、と車窓を眺めていると、何やらお祭りっぽくなってきました。ドハデな衣装を身につけたグループたち。それを見ようと歩道には人があふれ、座り込みも大勢。この日はタイの祝日だったのです。バス終点の王宮広場も大賑わいです。雨期前で、猛烈な暑さなのに、タイ人ってホント、タフですね!

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