子連れで覗いたマニラ(3)
〜途方に暮れる“前ぶれ”〜


宿が決まったら、次は両替。ついに、本日最大のキンチョーがやってきました。なぜなら、街の両替商は、レートがいいが、詐欺・騙しの被害も多いそうで。その上、両替した後、店を出る瞬間が“狙われる”とゆーのですから・・。
ところで、ツアーにすれば、これまで一連の、無駄な?緊張なんてしなくていいのにーと思われるでしょー。でも、こんな“動き”から、出会いが生まれるのです。現地の人の素顔と遭遇できるのです。と、えらそうに書きましたが・・、できるなら困りたくないのも本心で。だからこそ、到着早々“すべきこと”を用意しておくんです。
しかし、今は夜。コトはお金。できるなら、一発で決めたい。で、ホテルの人に聞いてみたら
「両替なら、EDENが1番。すぐ近くだよ。ほら、斜め向こうの・・・」と。しかし、いざ、この猥雑な外を見渡すと、なんとも言えない不安がよぎって、足が進まない。すると、彼は一緒に出て看板が見えるところまで案内してくれました。

それにしても、ホテルの隣もその隣も・・両替商ばかり。そしてヒマそう。しかし、そのEDENには、驚いたことにワンサと客がいるんです。とりあえず窓口に進むと、厚紙に書いたレート表がスッと出てきました。確かにレートは空港よりだいぶいい。お金を渡すと、番号札がスッ。何か、さばけとるー。一方、子ども達は、あちこちチョロチョロで愛想ふりまいとって。お客さん達は、ほーらココ座りー、ココいいよー、と優しくしてくれるのでした。
 さて、いよいよ店を出ます! さっと出て、いとも平静に、とっとと歩き、一旦ホテルへと。
ふぅー、大丈夫でございました!
その後、腹ごしらえに選んだ大皿料理の店は、ナント、カラオケで盛り上がり中でした。蒸し暑さムンムン、ハエぶんぶんの中、気持ちよーく歌ってるオジサマたち。子ども達は、店の人たちにもお客さんにもかまわれて・・いー調子。あーこれだけ暑けりゃ、ビールがうっまーい!

ってな感じで、マニラ庶民のマジメさや親切にふれ・・ゆえに、ちと気が緩んでー、翌日はこんなメに遭うのです。

  翌朝、イントラムロスに向かう途中のこと。
「おーい、うおーい!」
というデカイ声。反射的に振り向いたら、反対車線から馬車のおやじが、私達に向かって大げさに手を振っとー。子連れ、女性、日本人・・まさに、絶好のカモだと思ったんでしょ。
しかーし、私は知ってる!この馬車、カレッサと言い、この辺のは観光客目当て。最低でも1時間200ペソ(520円)もする、バカ高乗り物。こんなもん乗らん乗らん!無視、無ー視!

しかし、おやじの方はこのまま見逃すはずがない。そう、おやじはしつこく叫びながら、この大きく交通量が多い車道をむりやりUターンして、真横にきたのです。目の前に現れた馬車に、大喜びする子供たち。見れば乗りたくなるーのもムリはない。なにしろ、朝からモーレツ暑さ。しんどくて歩きたくないのも・・わかる。まいったなー!
にやけたおやじは“1時間500ペソだよ”とのたまい、乗りたがる長男の手を引っぱっておる・・。ちょっと、待ったァ!、んなの高すぎる!と交渉開始。結果200ペソ。こうして、チャイナタウンを廻ってイントラムロスまで“1時間だけ”という“約束”で乗ることになったわけです。
で、約束の目的地、イントラムロスのサンチャゴ要塞に到着したのが、“約束の1時間”の3分過ぎ。お金を払おうと思ったら、おやじは“いいから、先に見に行け、行け”と手振り。馬車に飽きた子ども達は、土産売りのオッサンにしょーもない玩具を掴まされ、気が気じゃーない。そんな中私は、もう一度おやじの方を向いて、時間はいいのか?と時計を指す。すると、うん、うん、と頷くおやじ・・。

この、先に見に行け行け、を親切だと思ってしまった私は、大ボケ・バカもんです。相手は、その待ち時間分も、お金を取ろうという魂胆であったのはいうまでもない。そう、当然の結果として、要塞を見学した私達には、大モメが待っているのです。 (続く)

トップページに戻る
メールはこちらへ!