子連れで覗いたマニラ(2)
〜ストリートチルドレンに会うという目的〜


 4歳の長男がストリートチルドレンに会ったら、ちょーだい攻撃を受けたら、どう思うだろう・・。そう考えたのは、いつもの食べ残しの現場。
 次男は、同じものをペロっと食べるのに、長男は好き嫌いが多いのです。で、何とか食べさせようと
「世の中にはね、いろんな事情があって、お腹いっぱい食べれん人もおっとよ。何でもありがとう、いただきます、って食べんとー神様もおこるよ」
と。すると、長男はキョトンと目を丸くしました。
「何で食べれんと?その人どこにおっと?」と。
よし、行こう!と決めたのはこのときなんです。

 で、迎えた出発の朝。通常、午後1時ごろ昼寝している子ども達を、3時間もたして、出発時間の4時に眠ってくれるよー計画開始です。
 午前中は室内遊びにして、お昼ゴハンのあとは外。そして寄り道しながら空港へ。眠りを誘う静寂とヒマを与えないように、あちこち歩かせて・・。
 結果、離陸の揺れと共に眠りに入ってくれました。で、友人Yちゃんと私はカンパーイ!。
 マニラに到着したのは夜7時前。入国審査、そして機内預けなしの私達は、1番乗りで通関へ。実は、この通関、インターネットでこんな情報が・・

<過去、日本人男性や里帰りのフィリピン人が、パスポートに千円2千円のお金を挟んで係員に渡してきた。日本人と見ればお金を挟んでいて当たり前。お金を挟んでないと、不審な物がなくてもあーだこーだ、いちゃもんつけてくるから要注意>と。

 で、いよいよその時! しかし、中身を見せるコトなく、即パス。あーよかったー!
 さて次の難関は、マニラ町中へ行く“足”。
 エアポートバスという便利なものはなく、タクシーか、通りに出て“ジプニー”を捕まえるか。ジプニーとは、米軍の使っていたジープを改造した乗り合いバス。しかし、路線図やバス停もなく、夜、子連れで、トライする自信は・・ない。
 となると、タクシー。しかし、客引きタクシーはホールドアップされる危険があるやら、極端なぼったくりされるやら。流しのタクシーを捕まえたとしても、日本人とわかればメーターは倒してくれないと。悔しいけど、ここは割高なクーポンタクシーにするしかないのが結論。
 料金は前払い制、エルミタ地区は285ペソ。750円位。メーターなら100ペソ前後で行くらしいから、3倍近くもするんですねー。
 ところで、ここまで、念のためにと構えてきたにもかかわらず、フィリピンの人達は、みんな親切で子供に優しい。ゆえに、一番安全なはずのこのタクシーでもめるなんて、思ってもみなかったのです。
 それは、走り出してすぐのこと。
「チップちょーだい、チップー、チップ!」
と言い出したおやじ。チップは基本的に不要。それに、走り出したばっかり。何言ってんのよーと一瞬思ったけど、まあ、これこそマニラじゃん、と考え改め、穏やかに?対応。が、おやじはソートーな根性もん。ずーっと、チップ、チップ、チップ・・・。
 前払いしてる故、他のタクシーに乗り換えるわけにもいかないし、怒らせてヘソ曲げられて、夜の道路でトラブりたくはない。ここは冷静に、着くまでのひたすらガマン、ガマン。

 繁華街に入り、おやじが車を止めたのは、パゴタホテル。「違うよ、フレンディよ」と言うと、「パゴタって言ったじゃないか」と怒り出す。「言ってない」「言った!」で、もー信じられん。勝手に間違えとって・・!
 ようやく探し当てたフレンディは、思ったよりいい宿でした。マシンガンを持ったホテルの警備員がサッと子供をサポート。マシンガンは恐いが、顔も行動も優しー。「部屋あいてますか」と聞いたフロントの男性も感じがいい。今晩はここにしよう、ふぅーと荷を降ろした瞬間、なんと、おやじが入ってきたんです。ギョ!な、なによ!
 おやじは決まり悪そうにこう言いました。
「クーポンにサインをしてくれないか・・。じゃないと会社に怒られるんだ」と。なるほど!こうなってるんですねー。焦らなくてよかったもかも。
 とにかく、快適さはお金では買えないー。おかげで、庶民の足にトライする闘志が湧きました!
      (続く)

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