心ゆたかな国 ミャンマー(9)〜それでもバスは楽し!〜


トレッキングの町カローからヤンゴンへ戻る長距離バス。狭い山道、大型トラックとの離合ができずに立ち往生。で、バスは右ななめ後ろに下がり始めたんです。右車両が路肩からズリ落ちて、車体がググーッと傾いて・・。
 私の座席は右の通路側。見たくないのに目に入る崖っぷち・・。ふと周りを見ると、左側の乗客がみんなこっちに寄ってきている・・
『ダメダメ!ますます傾いちゃうって・・!』
今度は、トラックがジワジワと動き始めました。
『ゆっくり、ゆっくりィ。ぶつかるなよー』
気づくと今度はみーんな左側に寄ってる・・。
 トラックはみんなが見守る中、ものすごく慎重にすれ違っていきました。その数分が長いこと!
 あー助かった!神様仏様、感謝感激です!

 しかし、安心したのもつかの間、山道が続き、対向車はバカでかいのばかり。おかげで、あんなに疲れていたのに、ウトウト、ドキドキの繰り返しで、頭はランランと冴えはじめました。
誤解のないように再度ふれますが、ミャンマー人は安全運転なんです。誠実と言うか、譲り合う優しさがあって。悪いのは道路事情?。こんな細い道を大きな車が通らなくちゃいけない。今思えば、運ちゃんにとっては、こんな離合、朝飯前だったのかもしれません。あーでもひやひやしました。
山道が終わってフーと思っていると、ん?何か臭うゾ!これはまさしく○○コの臭いではないか!臭いの源は斜め後ろの補助席の母子。さっきから、機嫌悪そうにむずかっていたわけです。しっかし、こんなぎゅうぎゅう詰めの中、どうやってアレを処理スンの?(もち、紙おむつなんてしてない)同じぐらいの子を持つ母親として、これは他人事じゃないと思うものの、後ろを振り返って見てはいやみのよーな気がするし・・。しっかし、強力な臭いだー!
 まあ・・いろいろありますバスの中。だからこそ、いろんな係わりができ、友達になれたりする。やっぱり長距離バス旅は面白いですねー。

 翌早朝ヤンゴンへ到着しました。バスを降りると、数名の客引きに取り囲まれわんやわんや!。すると、バスで仲良くなった男性が、
「こっち、こっち。町中まで送ってあげるよ」
と。彼の家はこの近くなのに、わざわざ町まで送ってくれました。
「たっだいまー」
「ミツコさーん!よかったー無事でー!」
とニニ家のみんな。なんだか、自分の家に帰ってきたようにほっとする私でした。

 ミャンマー人が愛してやまないシェダゴーンパゴタは、思いがけずニニ家のすぐ近くでした。2千5百年もの歴史があるという、大きく美しいパゴタです。入り口で靴を脱ぐやいなや、その靴を入れろとビニール袋をヒラヒラさせた子ども達が集まってきました。日本だったら、タダって思いますよね。でも、これってれっきとした売り物なんですよ。
 104段の階段を上り詰めると、明るい日差しを浴びたおだやかな仏様が見えました。みんな頭を床につけて深くゆっくり祈ります。祈り終わった後は、足を崩して、仏様と話しでもしているかのよう。
 また、周りにはいくつもの休憩できる場所があって、みんなゆっくりのんびりリラックス。昼寝姿もお弁当食べる姿も、カップルの語らいも全部包み込んでくれるカラッと明るい雰囲気なんです。そうそう、トレッキングでヘトヘトのときにも、パゴタで休憩させてもらいました。お茶やつまみを頂きながら、お坊さんとの雑談に笑いがこぼれる・・庶民の憩いの場所でもあるんですね。
 軽トラの荷台を客席にした“トラックバス”にも挑戦しました。せっまい荷台に、これでもかー!と人が乗る乗る。その上、ぶら下がっている男性が何人も。これこそ庶民の足です。なんかこんなの見ると引き寄せられちゃいます。乗っちゃえば、運賃も降りるところもみんなが手とり足とり?教えてくれました。15分乗って2円ほど。でも、どんなに混んでいても、どこかおっとりしてるのがミャンマー人。今度はぜひとも子連れで行きたいですねー。

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