輝国山人の韓国映画
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許されざるもの DVD発売
▼2年余りの間,それなりに軍紀班長として模範的な軍生活をしたと自負する晩年兵長テジョンは,中学校の同窓スンヨンが内務班の新参として入ってくると平静でいられなくなる。上官の軍靴に毎日のように水つやを出して捧げるのが当然で,古参が新参のパンツを奪い取ってはくこともある。そんな軍隊特有の不条理さを受け入れることができないスンヨンは,ことごとに問題を起こし,テジョンは,友人という理由でスンヨンをかばうが,自分まで困難な状況に追い込まれるのが常だ。
▼しかし,スンヨンは,するがままにするのが気楽だというテジョンの忠告と心配にも耳を貸さず,自分が古参になったときには,こんな悪い慣行をすべて変える自信があると大声を上げる。テジョンには,そんなスンヨンが苦しくて,自分の除隊後に単独で残される友人の将来が心配になるだけだ。
▼そうしている間,スンヨンもいつのまにかジフンを後任に置くようになる。スンヨンは,他の古参たちの痛い視線の中でも,自分の所信どおりにジフンに良くしてやるが,そうであればあるほど自分に対する部隊内の村八分は激しくなって,人間的に対するジフンも自分勝手だ。テジョンという保護膜もなくなったスンヨンは,徐々に変わって行き始める。
▼1年余り後,除隊して軍隊の記憶をすべて忘れていたテジョンに,ある日,スンヨンから突然会おうという電話がかかってくる。スンヨンにそれほど会いたくないテジョンは,ガールフレンドを呼び出したりするが,スンヨンは,どこか不安な姿で,必ずしなければならない話があると言って,度々テジョンを捕まえる。テジョンの除隊後,スンヨンには果たしてどんなことがあったのだろうか。
大韓民国で軍隊に服務した人ならば,一度くらいは経験し,感じた「暴力の加害者であると同時に被害者である男たちだけの軍隊の話」を通じて,忘却と罪の意識を描いた低予算デジタル独立映画
[制 作 年] 2005年 [韓国封切] 2005年11月18日 [観覧人員] 8,686人(ソウル封切館基準) [原 題] 許されざる者 용서받지 못한 자 [英 語 題] The Unforgiven [ジャンル] ドラマ [原 作] [脚 本] ユン・ジョンビン,キム・ビョンチョル,ソン・サンボム,チャン・ソニ [監 督] ユン・ジョンビン [第1作] [助 監 督] ソン・サンボム [撮 影] キム・ビョンチョル [照 明] シン・ミンジェ [音 楽] [出 演] ハ・ジョンウ → ユ・テジョン 兵長 ソ・ジャンウォン → イ・スンヨン ユン・ジョンビン → ホ・ジフン [監督] イム・ヒョンソン → マ・スドン 兵長 ハン・ソンチョン → シム・デソク ソン・サンボム → ソン・ヨンイル 上兵 [脚本] キム・ソンミ → イ・ジヘ テジョンのガールフレンド チュ・ヒョヌ → 古参1 パク・ミングァン → 日直士官 ソ・チョンジュン → コンビニエンスストアー職員 キム・ビョンジン → K−1おじさん イ・ヘミン → スヒョン ジフンのガールフレンド イ・ドンジュン → 補助出演 ムン・ヒョンウク → 補助出演 ユン・ブヒ → 補助出演 ク・ソンモ → 補助出演 [演出部] イ・ヨンギ → 補助出演 ハン・スンジュ → 補助出演 [撮影部] ソ・ミンギョ → 補助出演 [制作部] シン・ミンジェ → 補助出演 [照明] [受 賞] 2005 第10回 釜山国際映画祭 PSB観客賞 NETPAC(ベストアジア)賞 国際映画評論家協会賞(Fipresci Award)(ユン・ジョンビン) ニューカレンツ(New Currents)部門特別賞 2005 第25回 韓国映画評論家協会賞 男子新人賞(ハ・ジョンウ) 2005 第8回 ディレクターズ・カット・アワーズ/今年の男子新人演技者賞(ハ・ジョンウ) 南アフリカ ダーバン国際映画祭 最優秀第一回監督作品賞 [映 画 祭] 2005 第58回 カンヌ国際映画祭 ある視点部門 出品 2006 第22回 米国 サンダンス映画祭 出品 2006 第56回 ドイツ ベルリン映画祭 出品 [時 間] 121分 [観覧基準] 15歳以上 観覧可 [制 作 者] ユン・ジョンビン [制作会社] A&Dピクチャーズ(Actors & Directors) [制 作 費] 2千万ウォン [ビ デ オ] ビーエムドットスリー(DVD 3,990円)2008/2/6発売 [レンタル] あり [H P] 終了(韓国) [撮影場所] [Private ] K-DVD【40】 J-DVD(2,953)【40】2007/12/25 [お ま け] ・ユン・ジョンビン監督が,中央大学校映画科4年の卒業作品として制作した作品 ・初めから中編の作品を考えてシナリオを書き始めたが,必ずしなければならない話をす べて終えて見ると,長編の長さのシナリオになったそうだ。 ・作品を完成するために映画振興委員会から独立映画制作支援金1千万ウォンをもらい, 前に撮った短編<男性の証明>でミザンセーヌ(Mise-en-scene)短編映画祭からもらった賞金500万ウ ォンと私財500万ウォンを加えた2千万ウォンで120分の長編を完成したそうだ。 ・ユン・ジョンビン監督自身も,新参の二等兵ホ・ジフン役で出演している。