治療

・薬による治療

緊急に眼圧を下げなくてはならない場合以外は、通常目薬
で治療します。
目薬には、房水の生産量を抑える働きのあるものと、排水を
うながすものの2つの種類があります。程度によって2〜3種
類を組み合わせて使います。
目薬だけでうまくコントロールできない場合は、飲み薬を使う
場合もあります。
緊急に眼圧を下げなくてはならない場合は、注射が行われ
ます、

・レーザー療法と手術療法
薬だけでは効きめが不十分な場合や、緊急に眼圧を下げな
くてはならない場合には、レーザー治療や手術が行われます。
レーザー治療も手術も、房水の排水路の狭くなった出口を広
げたり、別の排水路を作ったりして、房水を流れやすくするた
めに行われるものです。
緑内障の種類

・急激におこる緑内障(原発閉塞隅角緑内障)

房水の出口(隅角)がふさがるために、急に高くなります。
そのために、発作的に目の痛みや頭痛、吐き気、嘔吐などの
症状が現れます。

・ゆっくりと進行する緑内障(原発開放隅角緑内障)
房水の出口(隅角)は開いていますが、その先の灰水路(シ
ュレム管)がつまって、房水がうまく流れなくなるために、眼圧
が高くなります。はじめのうちは、ほとんど症状がありません。  


・眼圧の高くない緑内障(正常眼圧緑内障)
房水の出口(隅角)は開いており、眼圧が正常範囲(15mm
Hg前後)にもかかわらず、視神経に障害が起きているタイプ
です。眼圧も正常で自覚症状もないために、気づかず放置さ
れている場合が多いようです。現在、最も多いタイプと言われ
ています。

・他の病気などに伴う緑内障(続発緑内障)
外傷や他の目の病気、ステロイドホルモン剤などの薬剤によ
って眼圧が高くなります。
緑内障は眼圧(眼の中の圧力)の上昇などを理由に視神経が
障害され、視野が狭くなる病気です。
一般的には、自覚症状は無く症状はゆっくり進行し、放置する
と失明に至ります。
したがって、早期に発見し適切な治療を受ける必要があります。
わが国や欧米では、緑内障は失明原因の第三位以内に入って
います。

1988年〜1989年に行われた全国規模の調査によれば、40
才以上の緑内障の有病率(患者の割合)は3.56%と報告され
実に30人に1人は緑内障である事がわかりました。
したがって、日本国内に200万人余りの緑内障患者がいると考
えられます。しかし、実際に治療を受けている患者は40万人程
度と非常に少なく、およそ160万人の方は、自分が緑内障であ
る事に気づかずにいます。