15年の赤字+借金1700万円を克服し、
わずか3年で売上3倍になった実録話

編集好奇 '02年5/30 byカヤノカツミ

●小さな英会話学校F校を営むその人は、サラ金やカード会社約12社から借金約1700万円を抱えていた。以前勤めていた英会話学校の強引な営業体質に疑問を抱き、理想の英会話学校を目指して脱サラ。世に多い、単に外人と会話するだけの授業では、生徒に力がつかない。だから、会話に加え、文法やリスニングやTOEICなど9つの強化クラスを作った。文章力を着けさせるため、生徒には英語日記と宿題を強制し、外人講師にはその添削を毎週させた。生徒は喜んだが、講師は何十人もの添削に時間が取られ、負担が大幅に増す。毎週が講師との格闘だったが、徐々に共感する講師と生徒が増え、手応えを感じ始める。しかし、経営はなかなか軌道に乗らず、創業以来15年の赤字。社長の実質年収は200万円以下で、個人で借金をして会社の資金繰りに廻す日々が続いた。

●バブル崩壊後、世は実力主義と国際化が益々進み、英会話への需要は高まった。大手の英会話チェーンはタレントを使ったCMをバンバン打ち、多くの生徒を集める。しかし中小零細校は見向きもされず、その多くが廃業。F社も借金を重ね、瀕死の状態だった。風向きが変わったのは3年前。他校からの転校生が徐々に増え始めた。「大手校は単なる会話だけで、マニュアル通りの授業。入校させたら、後はほったらかし。ココは違うと聞いた」。つまり、大手校に入ったがいいが、大量生産式授業に不満を持つ人が増え、その人達がF校に流れてきたのだ。告知手法も変えた。金がないので小さな雑誌広告しか出せないが、毎回、現役の生徒を実名と顔写真付きで登場させ、生の声を載せた。簡単なことだが、実はこれが、授業に不満を持つ生徒が多い他校にはなかなかできない。タレントの誇大広告はできるが、現役の生徒の声ではウソは書けないからだ。

●さらに、「不満があったら無条件で解約=返金に応じる」と記載した。スクール系やエステは料金を一括前払いするが、途中解約にはなかなか応じない。実は2年前に法律が改正され、今はお客から中途解約の申し出があったら速やかに残金を返済しなければならないようになった。しかし、学校側にとっては売上マイナスになるので、いろいろ理由を付けて解約をさせなかったり、勿論、そんな不利なことを広告でわざわざ知らせたりはしない。それをF社はあえて告知した。加えて、勧誘活動も一切辞めた。行ったことのある人はおわかりだろうが、英会話学校やエステは勧誘がスゴイ。説明を聞きに行くとその場で契約させようとしたり、後で家にもしつこく電話がかかってくる。これは業界では当たり前の営業活動だが、F社ではあえて勧誘は一切せず、「他校も見てじっくり比較検討下さい」ということにした。

●3年後の現在、F校は生徒数・売上とも3倍になった。狭い教室に入りきれず、フロアも拡張。平日の昼間や土日の授業も新たに設置した。入校者のほとんどは初心者だが、噂を聞いて、スチュワーデスや経済記者・商社マン等のプロも続々と入校。授業の質を保つため、月によっては、入校者を制限することもある。借金はほぼ完済し、前は見向きもしなかった銀行が借りて欲しいと日参する。F校とは、博多駅の裏にあるFCC福岡コミュニケーションセンターだ。代表の赤峰さんは言う。「私は実家の牧場を継ごうと、アメリカの開拓農家で2年間住み込みをしました。そこは代々100年に渡って黙々と大地を耕し、良い土を作り、良い牧草を育て、手塩に掛けて牛を育てていた。本物はすぐには出来上がらない。だから、私も良い英会話学校を創るには時間がかかると覚悟していました。良い授業内容、良い講師の育成、そして良い生徒の教育。どれもすぐは無理なんです。今は開校19年目ですが、内容はまだまだ。30年目を目途に理想の学校を創り上げたい」。

●どの業界も大手の寡占化が進み、中小零細は厳しい。しかし、大手ができないこと、面倒くさいこと=客から見て正しいことを継続していれば、神様は見放さない。商売とは、仕事とは、お客の役に立つことをどれだけやれるか(ドゥイットナウ・蔀社長)。あらためて辞書を引くと「利益」の意味は1、タメになること、2、儲け・・とあった。儲けの前に、相手のタメになることをやること。やっぱり最後は正義が勝つ。そして、ライバルに勝つのではなく、弱い自分=己に克つ「克己心」と夢を見続けることが大事だと学びました。




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