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The Albums Of Rush

"Roll The Bones"

Released September 3, 1991
Atlantic/Anthem Records Inc.
Produced By Rupert Hine and RUSH

Tracks:

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General talking for this album

Alex Lifeson: 前作「Presto」では、トリオとしての本来の姿を取り戻すという方向を取り、その方向が気に入ったので、今回はさらにキーボードの使用を押さえ、ギターを前面に押し出したんだ。これまで色々なことを試みてきたけれど、前作を作ったときに、僕が心から愛し情熱を感じるのは、ドラム、ギター、ベースという、トリオの核となる楽器の音であり、他の楽器は、二義的なものでしかないということを再認識した。そして、そのことを新譜で更に確認したわけなんだ。(Burrn! 1992年1月号)

Geddy Lee: We really got a great groove on this record in terms of writing. The songs are strong and there're a nice blend of melodic and aggressive stuff...kind of trying us to the past a littele bit, but at the same time bringing in new things, a new melodic attitude, a different way of doing vocals, a different arranging style.

There's something more natural about the songs live. The keyboards side of the band has been put in a nice perspective. I still feel like it's the three of us as a trio, with other stuff going on, as opposed to past records - 'Power Windows', 'Hold Your Fire' and, to a degree, 'Presto' - where it was more 'Shall I play keyboards or shall I play bass?'. Now there's no question, the bass comes first and the keyboards are an arrangement tool, and I think it's refocused us as a trio.

You look back on our body of work and it's uneven, for sure, but I think there's a lot of valid things that have gone on. I suppose there will be an end, I don't know when that will be and I don't think you can predict when it's gonna be. It just hapens, suddenly it's over. (KERRANG! May, 1992)

GEDDY'S RATION (for this album): ****1/2 (KERRANG! May, 1992)

Producer: Rupert Hine

Geddy Lee: His sense of groove is also very important to us as a band too, I think he's helped us come up with looser and more exiting performances.(METAL FOCES Oct., 1991)

Alex Lifeson: ルパートとスティーヴンのやり方というのは、仕事の大半を8トラックでやるということなんだ。アレンジとか色んな試みとかをね。「8トラックだ。この段階で、このチープなスタジオで、すべてを決定してしまおう。スタジオ入りする時まで残したりせず、全部やっつけてしまおう」っていうことさ。(Player 1991年12月号)

Alex Lifeson: ‥‥ずいぶん長いことこういう仕事をやってきたけど、今までに学んだのと同じくらい、ルパートからは多くのことを学んだよ。ルパートの方は、僕らが彼と最初に取り組んだ「プレスト」にかなり興味をもったみたいだね。彼にとっては今までになかったものなんだ。今回は、僕らは少しロック色を強めたかった。そしてルパートは、もう少し空間的なアプローチをしてみたかったらしい。サウンドとか部分的なところとかをもう少し賢く処理するやり方だね。でも僕らはもう少し率直にやりたかった。力強くしてみたかったんだよ。最終的には僕達の意見がものを言ったんだ。(Player 1991年12月号)

Alex Lifeson: ルパートに限らず、僕らは同じプロデューサーと少なくとも2回は仕事をすることにしている。一度目の時はお互いのことを知るためにかなりの時間をかけるけど、そうした経験が本当に役に立つのは、大抵、その次の作品ということになるからね。そこでまだ可能性を感じられれば、更に次の作品も手がけてもらうかも知れないし、これ以上は同じことの繰り返しだと思えば、また新しい人を捜す。(Burrn! 1992年1月号)

Recording Engineer: Stephan W. Tayler

-----「ロール・ザ・ボーンズ」で特に印象的だったことの1つにミックスのクリアさがあるんですが、それぞれの楽器にも十分なスペースがありますね。その秘密は曲作りの段階にあるんですか?それともミックス?

Alex Lifeson: 全般にわたってだろうね。ミックスも確かにある。だって何を聴かせるのかを決めるのは最終的にはミックスだからね。綱引きみたいなものさ。このアルバムでは、とにかくギターを前面に出したかったんだ。曲作りでスタジオ入りする前からそのことは決めていたし、スティーヴン・テイラーとの仕事は楽しかった。彼は優れたエンジニアだよ。サウンドは凄いし、仕事は早い、人間的にも文句なしだ。(Player 1991年12月号)

Album Theme

-----それぞれの曲は独立していますが、主題としては前作の『プレスト』にあったように、ここでも時間とか夢、運命といったものが流れているようですね。

Alex Lifeson: うん、基本となっているのは、運命よりもチャンスが作用している人生というものかな。物事が起こるのは人間がそれを引き起こすからなんだということ。どこかへ到達したいと思ったり、何かを経験したいと思ったりしたら、賭をしなきゃならない。ただ何もしないでいて、事が起こるのを待っているだけではダメ。何も、「君はこうなる」とか「君はこうしなきゃだめ」とか、どこかに書いてあるわけじゃない。自分で出て行って、自分で変化を起こさなければ。(Viva Rock 1992年1月号)

Neil Peart: ‥‥周りの人の生き方を眺めながら、偶然のなせる業について考えた。なぜ自分はこうして成功を得て、自分の知る他の人たちはなぜそうならなかったのか、と。歌詞の一部から見てとれるだろうけれど、なぜ子供たちは AIDS に感染するためだけのように生まれ、なぜ飢えるためのように生まれるのか。哲学や宗教といったものを無視すれば、みんな運任せということ。僕はそれを題材として扱うべきだと感じたんだ。そういうことを描写するからには、ほとんどジョークのようだけど、「我々はなぜここにいるのだろう?」という疑問に取り組まなければいけないと感じた。ただ僕には、生命の進化すべてがこの疑問に対する答えになっているように思える。大昔に大きな衝撃があり、もちろん父と母のお陰で僕は生まれてきたというのが唯一の答えだけどね。「Roll The Bones」の中の「我々はなぜここにいるのだろう?」という箇所は本当は「我々はそれをどうすればいいのだろう?」とすべきなんだと思う。たとえば洪水や暴風に曝されて大勢が亡くなるという悲劇が起きて、そこで「なぜ起こったんだ?」と言っていても意味がない。問題は「どうしたらいい?」ということ、すなわち行動なんだ。これまでの僕たちの曲の多くもそうだったし、アルバムとしての「ロール〜」にしても、タイトル曲にしても行動を起こすことを呼びかけている。僕は自分がなぜこうしているのか、なぜ地球上にいて、何が目的なのかなどということには悩まない。そのかわりにただ、行動を起こすこと、「これからどうしようか?」ということを考えるだけだ。(Rhythm & Drums Magazine 1992年4月号)

Dreamline

ライヴ演奏: Roll The Bones tour, Counterparts tour, Test For Echo tour

Alex Lifeson: オープニングはこの曲だと思ってた。色んな意味で、典型的なラッシュの曲と言えるね。アルペジオのシーケンス、クールなベース、押さえたドラムで始まり、ワイルドになり、夢見るような中間部に入る。まさに典型的なラッシュのサウンドだ。キーボードは強調されてなくて、色彩程度にほんの少し使われているにすぎないし、ホーン・セクションもブリッジでほんの少し使われているだけ。ソロはきらびやかというよりはムーディーで、ソロよりはその部分自体がサウンドの色合いを決定している。(Player 1991年12月号)

Bravado

ライヴ演奏: Roll The Bones tour, Counterpatrs tour (4/18(?) 以降ツアー最後まで)

Geddy Lee: 'Bravado' has one of my favorite solos Alex has ever played. That was a magic solo. (KERRANG! Sep. 9-21, 1991)

Neil Peart: 「Bravado」のオーケストレーションなんか、精錬を重ねてという感じだった。バスドラが終始ずっと鳴っているだけで、リズムはとてもシンプルなように思えるだろうけど、あの曲の各セクションに異なるドラム・パートが含まれている。それぞれにふさわしいドラムになるよう磨きをかけて、ふさわしい山場、ふさわしい強弱、ふさわしい感情移入を築いていった。(Rhythm & Drums Magazine 1992年2月号)

Roll The Bones

ライヴ演奏: Roll The Bones tour, Counterparts tour, Test For Echo tour
video clip あり

-----「ロール・ザ・ボーンズ」のラップをゲディがやっているとは思いませんでしたよ。

Alex Lifeson: ハーモナイザーで彼の声を少し下げたんだ。色々試してみた。本物のラッパーを使おうともした。女の子のね。ジョン・クリースでさえ、真面目に外部に力を求めるというアプローチの可能性にめげてしまった。でも結局このアイディアはうまくいかなかったから、ゲディがやったんだ。作曲段階でデモを録った時は、1回普通にやった後、テープのスピードを上げてもう1テイク録ったんだ。そうすると彼の声は少し低くなるから、その2つを結合させたのさ。その時はうまくいったから、最終的にはこの線を発展させることにして、最近のいわゆるアーバン・ラップ・ソングとは違うものに仕上げた。もう少しジャズっぽく‥‥というかつかみどころがないというか、アクティブな形態の音楽から少し距離をおいたものにしようと思ったんだよ。(Player 1991年12月号)

Alex Lifeson: ラップについて言うと、初めはかなり抵抗があったんだ。でも、やってみると結構面白くて、時が経つにつれ“いいんじゃない”という感じになっていった。少なくとも、僕らのような音楽に取り入れるのはユニークな試みだという気がしたよ。
 テンポはニールが考えたものだし、詞も初めからああだった。ニールは最初から“ラップみたいなもの”を念頭に置いていたらしいけど、実際は徐々に決まっていった。

-----「Roll The Bones」の詞的なテーマの中心は「人生や世界は総て偶然から成り立っていて、そこにはあらかじめ計画されたもの、定められた宿命などはないのだ」ということだと思うのですが、これはあなた方全員が共有している考え方なのですか?それともニールの‥‥?

Alex Lifeson: ニールはアフリカに旅したりして、大地に寝、星を眺めるというような経験をしたことから、世界、そして人生は‥‥といったことを考えたらしい。その結果こういう考えにたどり着いたようだけど、そうした考え方が理解できる一方、僕にとってはいまだに信仰のようなものが大きな意味を持っているから、“総てが偶然である”という考え方に全面的に賛成することはできないんだ。(Burrn! 1992年1月号)

Neil Peart: 最初『ロール・ザ・ボーンズ』を作っているとき、ゲディとアレックスはドラム・マシンを使い、僕は作詞に専念していた。で、二人のためにいくつかドラム・パターンを作り出してプログラミングしたものが曲のブリッジ部になったんだけど、速いバスドラの箇所とかで2人は気に入ったんだけど、僕には演奏できなかったんだ。ただ両手で「ドゥドゥッドゥパ、ドゥドゥッドゥパ」という感じでプログラムしただけだから簡単だったんだけど、この超速いバスドラを本物のドラムで僕が叩いたら、彼らは「あれ、ドラム・マシンと違う」と言う (笑)。僕が「だってあれはマシンなんだから、僕にはできないよ」 (笑) と言うと、2人はひどくがっかりするものだから、僕は腹を決めて「やってやろう」と思った。そうしてできないと思った部分を習得したよ。(Rhythm & Drums Magazine 1992年2月号)

Face Up

ライヴ演奏: なし

Alex Lifeson: 「フェイス・アップ」は楽しい曲だ。キーボードを完璧に排除したお陰でできた曲だといえるね。例えばミドル・セクションなんかがいい例で、曖昧な感じになっている。そうする必然性があったんだ。僕らがバーにたむろしていた'70年代の本物のロックを思い出すな。(Player 1991年12月号)

Where's My Thing? (Part IV, "Gangster Of Boats" Trilogy)

ライヴ演奏: Roll The Bones tour

-----「ホエアズ・マイ・シング」は歌にすることもできたんじゃないですか?よくあるインストゥルメンタルとは違いますよね。

Alex Lifeson: 確かに。演奏のショウケースみたいなものだね。ヴァース/コーラス/ブリッジで構成されていて、単に弾きまくっているだけじゃない。多分僕らの曲の作り方のせいだろうね。「YYZ」も大体同じ方法だった。ニールが僕らを悩ませた。「インストゥルメンタルはどうなったんだ?」って言うから、僕らが「気にするなよ、OK、OK」ってなだめたのさ。最終的に彼は歌詞を持ってくるのをやめた。彼に言わせれば「インストゥルメンタルができない限り、何も始まらない」ってわけ。それで僕らが断片的にアイディアを足してから聴かせると彼は「凄いじゃないか!」って。こうしてそれを外してから作業を開始したんだけど、結局この曲に最後の2日間、かかりきりだった。断片をまとめ上げたんだ。それぞれの断片をコーラスやヴァース、それからコーラス、ヴァース、ブリッジにできそうなも、という具合に分類して、それを組み合わせ、さらに強力なテーマとコーラス・セクションを加えた。つまり強力なキーボードとそれに答えるギターのテーマがあって、それがコーラスに力を与えていくんだ。(Player 1991年12月号)

-----タイトルが傑作ですよ。"Where's My Thing?" というミステリアスな本タイトルは勿論のこと、サブ・タイトルの (Part IV, "Gangster Of Boats" Trilogy) が、わかるようなわからないような、でユニーク。いったい、どこからとられたサブ・タイトルなんですか?

Alex Lifeson: 全くのでまかせさ。奇妙なタイトルだからいい‥‥それだけのことだよ。 (笑) 前作を作った時から、ゲディーと僕とで「アルバムのタイトルは「Gangster Of Boats」にしよう!」と主張したんだけど、ニールは全く相手にしてくれないし、その気もないしで、シビレを切らした僕らは「こうなったら、あとは実行するしかない。アルバム・タイトルに使えないんだったら、せめて曲のタイトルにしよう!」と、この曲名にしたわけさ。でも、フタをあけてみたら、サブ・タイトルとして () の中に押し込められていた。 (笑) おまけに、“トリロジー (三部作) のパート4 (第四部) ”というのはどういうことなんだろう!?(Burrn! 1992年1月号)

The Big Wheel

ライヴ演奏: なし

Alex Lifeson: 確か、これが最初に書き上がった曲だったと思う。アプローチもレコーディングも少し視点を変えてやったものなんだ。歌詞のギターはピッキングするかわりにプラッキングしたりしてね。個人的には気に入っているけど、今のところライヴでやる予定はないんだ。(Burrn! 1992年1月号)

Heresy

ライヴ演奏: なし

Alex Lifeson: ‥‥皆が共産主義の崩壊を喜んでいるときに、ニールは“でも、何十年と共産主義下で生きてきた人々の人生は戻ってこない。誰かの誤りのために、無駄にせざるを得なかった人生は誰が返してくれるんだ”と歌っている。これはテーマとして取り上げる価値のある視点・意見だと思うよ。(Burrn! 1992年1月号)

Ghost Of A Chance

ライヴ演奏: Roll The Bones tour (12/6 以降)

-----‥‥あなたがメジャー7コードを使うのも初めてですよね。

Alex Lifeson: そう、その通り。こうしたことを僕はゆっくりと浸透させていったんだ。曲ぴったりハマったね。君が詞的だといった,最初のブリッジからコーラスに入っていくまでのダイナミックスによって僕好みの曲になったんだ。そのお陰でリフを少しブルースっぽくできたというわけさ。(Player 1991年12月号)

Alex Lifeson: このギター・ソロは、このアルバムの中で一番気に入っているし、コーラスもいい。全体として、これまでの RUSH とは異なった雰囲気があるんじゃないかな。一番好きな曲だよ。(Burrn! 1992年1月号)

Neurotica

ライヴ演奏: なし

Alex Lifeson: ‥‥この曲のソロはノイローゼにかかっている緊張感ととても速いヴィブラート。曲のタイトルに合わせようとしたんだよ。(Player 1991年12月号)

Geddy Lee: シンセ・ベースは「ニューロティカ」だけ。他は全部ベース・ギターだよ。(Bass Magazine 1992年1月号)

Alex Lifeson: この曲の出来にはちょっとばかり落胆したんだ。ニールと僕らの間での曲のフィールについて、意思の疎通、行き違いがあったんじゃないかと思う。僕だけでなく、皆何となくシックリしないと感じていたんだけど、かといってそれが何なのかわからない、というふうでね。(Burrn! 1992年1月号)

You Bet Your Life

ライヴ演奏: なし

Alex Lifeson: これはニートな曲だと思う。特にギターの作り出す雰囲気が色んなふうに変化していて面白いんじゃないかな。語りの部分はニールがしばらく暖めていたアイディアに基づいているんだ。(Burrn! 1992年1月号)

Alex Lifeson: ‥‥今回の最後の曲、「ユー・ベット・ユア・ライフ」は、歌詞としてはこのアルバムの観念のすべてを集約していると思う。音楽的にはアルバムの幕を下ろすのに最も強力な曲かどうかはわからないけれど、歌詞ははっきりと内容を告げている。本当にアルバムの終わりという感じがするんだ。(Viva Rock 1992年1月号)

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