勝手にレビュー


Fold Es Eg/ After Crying


Egervari Gabor Fuvola, Beszedhang
Gacs Laszlo Dob, Utohangszerek
Pejtsik Peter Csello, Basszusgitar, Enek
Torma Ferenc Gitar, Enek
Vedres Csaba Zongora, Szintetizator, Enekr
Winkler Balazs Tromlita, Szintetizator, Enek



 昨年のプログレ界で話題を独占した感のある After Crying ですが,私はやっぱりこの Fold Es Eg です.タイトルからして思いっきりハンガリー語で書いてあるため,正しい表記ではありませんがお許しを.でも,メンバーの名前は読めん,担当楽器はほとんどわからん,とさんざんです(マーキー盤を買えばいいのだ).1994年のアルバムです.

 とりあえず「鍵盤を指が這います」といううたい文句につられて買いました.確かに最初の数曲は「恐ろしくインテンポなキース・エマーソン」みたいですが,このバンドの本領が発揮されるのはアルバム後半です(って言い切るとやばいかな(^_^;).後半の,切々と歌い上げて盛り上げてゆく曲にはノックアウトされました.特にラストの曲は最高です.なんべん聴いても泣けます.個人的にはクリムゾンのスターレスに匹敵します.全然似てませんが.

 最初の4曲はは前述の通り恐ろしくテクニカルな,ちょっとどこかで聴いたことある風のプログレッシヴ・ロックです (^_^;.EL&P, UK なんかの陰がちらつきます.というか,部分的にはまんま EL&P のところもあります.しかーし,何度もいいますが後半,track 6 からがすごい.ハンガリーのトラッド・ミュージックは知らないのですが,こういうのなんでしょうか?宗教がかったコーラス,数々の生楽器による,大陸を思わせる緩やかに流れるわかりやすく美しいメロディ,つぼを押さえたアレンジ.うますぎる鍵盤,マイク・オールドフィールドを思わせるギター,余裕を持って細かいフレーズをたたき出すドラム.ライドの使い方が非常に好みです.この一年,最もよく聴いているアルバムかもしれません.

 DT, Rush が好き,というハードロック,メタルな人にはピンと来ないのかなあ?よくわかりませんが,70年代プログレッシヴ・ロックの好きな人なら 100% 打ちのめされるでしょう.サルになること請け合いです.最後の一曲だけは音楽を愛するすべての人へ.


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