Giulio Capiozzo | Percussion, Drums (Slingerland) |
Patrizio Fariselli | Electric Piano, Acoustic Piano, Bass Clarinetto, Percussion, ARP Synthesizor |
Demetrio Stratos | Voice, Organ, Steel Drum |
Ares Tavolazzi | Electric Bass, Acoustic Bass, Tronbone, Pocket Trumpet |
Paolo Tofani | Electric Guitar, EMS Synthesizor |
Area.... イタリアきっての突撃ジャズロックバンド.なのに international POPular group と言い張った頑固者.強烈なテクニックに裏打ちされたこれまた強烈な個性を聴くものの脳裏に焼き付ける炎のヴォーカリスト,Demetrio Stratos.
イタリア的と感じるのはその「熱さ」が主で,いわゆる「イタリアン・ロック」ではないですよね.そのリズムも決してイタリア的なものとは思えないし.でも,漠然としてはいるんですがフレーズに「地中海」を感じます.
Area の名盤といったら "Crac!" や "1978 Gli Dei Se Ne Vanno, Gli Arrabbiati Restano!" (長い!)がありますが,この75年のライヴを納めた Are(A)zione の Cramps 盤の再発 CD のライナーにあるように,ライヴが一番 Area らしさを伝えているのかもしれません.スタジオアルバムもライヴ感はたっぷりですが,この熱さはすごいです.
のっけから歪んだ ARP のリード音による15+14のこの上なくかっこいいフレーズ.アナログならではのうねりがたまりません.ちなみに ARP とは,日本では YMO 時代の細野氏御用達のモノフォニックシンセで,独特なうねりのあるリード音とぶっといベース音でミニモーグと人気を二分したシンセです.
全体的にうねりがいいですよね.ドラムだけを聴くと縦に聞こえる(でもゴーストノートだらけ)んだけど,全体ではうねっている.これは EMS の役割も大きいと思います.EMS ご存じでしょうか?Pink Floyd の Live At Pompei の中の「狂気」のレコーディング映像の中でなんだか「ダイアモンド・ゲーム」のようなモノ(こっちのがわからなかったりして)をいじくっている場面ありますよね.あれが EMS です.畳むとスーツケース状になる.こいつは...いわば飛び道具ですな(^_^;).いわゆる「昔のシンセのイメージ」通りの音がつくれます.
なんだかアルバムレビューだか使われているシンセの紹介だかわからなくなってしまいましたが,とにかくこのアルバムで聴けるシンセ,ギター,オルガン(もしくはヴォーカル)とドラムの地中海(?)ユニゾンのかっこいいことといったら.そして常に Demetrio Stratos でしかないヴォーカル.やはりエネルギーを放出しすぎてしまったのでしょうか.合掌.